ふざけるな!! 日雇い派遣!!①(制度と実際に働いた感想編)

ゴールデンウィークが始まったが、みなさんはどのように過ごしているだろうか?

固定給でカレンダー通りの休みが取れる人は天国かもしれないが、サービス業や販売業の人は大変だろう。

しかし、このような職に従事している人であっても(まともな会社なら)10日連続しての勤務ということはないだろう。

私が「この連休が地獄だろうな」と思うのは、カレンダー通りに休みは貰えるのだが、給料形態が時給や日給なので、その間の収入が大幅に減ってしまう人たちである。

このような人たちにとってはゴールデンウィークなど迷惑この上ないことだろう。

少しでも収入を確保するために日雇い派遣の仕事を探している人もいるかもしれない。

そんなことを考えていたら今日のテーマが浮かんだ。

・日銭が欲しいのに働けない?

日雇い派遣の仕事を探している人はどのような人たちだろうか?

正式な調査を見たわけではないが、この人たちの大半はお金がなくて生活が困窮しており、少しでもお金を稼ぐ必要がある人たちだと思う。

だが現在の法律では、そのような人たちが日雇い派遣で働くことが難しい。

2012年の法律改正で日雇い派遣は原則禁止となり、次の例外に該当する人たちだけが働けるようになった。

60歳以上

昼間学生

副業(生業収入が500万円以上ある場合に限る。)

主たる生計者でない者(世帯収入が500万円以上ある場合)

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/05.html

要約すると

「親、夫、(成人した)子どものように自分を養ってくれる人がお小遣いを稼ぐためなら日雇い派遣で働くことを認めますよ。」

ということである。

こうして見ると、旧日本型雇用信者が考えていそうな非正規労働者の典型的なイメージであることがわかる。(①→定年退職した高齢者、②→学生、④→主婦)

なるほど、この規制を考えた人は「日雇い派遣なんてものは主たる生計手段ではなく小遣い稼ぎ」程度の認識なんですね。

これはとっても不思議な規制である。

日雇い派遣の仕事に就いてでも小銭を稼がないといけない人の多くは主たる生計主のはずだが、その人たちが働くことができないとは本末転倒である。

・派遣という働き方の発展と規制

これは私の記憶でしかないが、「派遣社員は不安定な働き方だから法律で規制しよう!!」という声が出てきたのは2000年代の後半だったと思う。

派遣労働とは元々は専門的な技術を持つ限られた人たちの世界だったが、1999年の対象業務原則自由化と2004年に製造業への解禁から一般化した。

当初は正社員のような直接雇用と違い、簡単に職に就けて、勤務時間や業務内容も固定されているので「人によっては派遣の方が働きやすい。これは多様な働き方の実現だ」という声もあったが、段々と

・景気が悪くなったら真っ先に雇止めされる

・責任の所在が勤務先なのか派遣元なのかが曖昧なので労働者がたらい回しにされる

・派遣の仕事を続けても、なかなか正社員になれない

といった不安定さが指摘されるようになった。

(って、この言われ方はフリーターと全く同じなのだが・・・)

その頃からマスコミで「格差」という言葉が頻繁に使われ始めた。

正社員は絶対にクビになることはなくて、働き続ければ給料も上がり続けて、成績に関係なくボーナスが支給されて、結婚ができて、家も車も買うことができる。(過去の記事で何度も言うように、実際は正社員でも恵められない待遇の人はたくさんいるはずだが・・・)

一方で、派遣社員は常に雇止めの危機に直面していて、給料もほとんど上がらず、ボーナスも支給されず、結婚も家を買う余裕もない。

このような格差が指摘されるようになった。

その頃から、派遣社員の労働環境の劣悪さも語られ始めた。

・長期的に働くわけではないから、物のように扱われる

・作業着は自己負担

・労災隠し

・給料が振り込まれる度に手数料が天引きされる

当時はよくわからなかったが、このようなひどい派遣社員の姿として語られていたのは日雇い派遣のことだったのだと思う。

そして、2008年にリーマンショックが起こり派遣社員の大量解雇が始まり、その年の年末には会社の寮を追い出されたり、役所の窓口も休みに入ったことで行き場所を失った人たちのための避難場所が日比谷公園に開設され、「年越し派遣村」として大きな注目を浴び、派遣社員の悲惨さが一気に世に広まった。

その頃から派遣法の規制を求める声が大きくなった。

・派遣という働き方(働かせ方)は人を物のように扱う非人道的な制度だ!!

・企業はいつでもクビが切れる派遣社員を使うのではなく、責任を持って正社員を雇え!!

・派遣という制度が人を貧困に陥れている!!

・特に日雇い派遣の非人道的扱いは酷い!!

そんな声が大きくなり、日雇い派遣を原則禁止にする法律が制定された。

日雇い派遣を禁止にすれば、悪質な派遣会社を追放できて、企業も正社員として人を雇うはず。

「社畜なんて言い方もあるけど、やっぱり昔のみんな正社員の安定した世の中がよかったね」

そんな声が聞こえてきそうである。

・自分の体験

彼らの熱意と弱者への思いやりは疑う余地がない。

だが、その規制がいい結果をもたらしたのかは疑問である。

ここで少し、私自身のことについて話させてもらいたい。

5年くらい前のことだが、私も日雇い派遣で1ヶ月ほど働いていたことがある。

その時はピッキングや配送、食品加工などいくつかの仕事を経験したが、その中で「聞いていた通り、日雇い派遣という働き方は酷いな」と思ったことがある。

まず派遣会社がろくでもないところだった。

・何度同じ場所に勤務しても、会社に出発と到着のメールを毎日送らなくてはならない

・たとえ病気でも当日欠勤は罰金

・1日だけの勤務でも制服代は自己負担

・集合時刻は就業30分前(ひどい所では1時間前)

どんだけ人のことバカにしてるんだ!?

派遣会社だけではなく、派遣先(食品工場)の対応もひどいと思った。

休憩中に私と同じ会社のスタッフが体調不良を訴えたのたが、派遣先は派遣会社へすぐに代わりの人を用意するように連絡を入れ、スタッフは衛生上の理由から控室で休むことも許されずに即刻退出させられた。

ちなみに工場の場所は近くにバス停も電車の駅もない所で、社用バスが唯一の交通手段だが、会社が彼一人を送るためにバスを出してくれるはずもなく、病人の彼は徒歩で帰ることになった。

このような会社では勤務中に怪我を負っても、絶対に労災を認めないことは容易に想像できる。

人を何だと思っているんだ!?

くたばれ日雇い派遣!!

これに関しては規制導入派の人たちと全く同じ主張をする。

次回は私がこんなにひどい日雇い派遣で働かざるを得なかった理由と「日雇い派遣のニーズ」の意味について書いていこうと思う。