詳しい経緯は不明だが、長嶋一茂氏の5年前の発言が、最近複数のサイトでピックアップされていた。
長嶋一茂のしつけ論に賛否 「50回言っても理解できないヤツは殴ったほうが早い」 – Sirabee
簡単に概要をまとめる。
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「ザワつく! 一茂良純ちさ子の会」という番組で、長嶋一茂、石原良純、高嶋ちさ子の3人が、スポーツ界を中心に蔓延するパワハラ問題について議論。
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高嶋氏が「若い子は打たれ弱い。私たちが変わるしかない」と時代の移り変わりを嘆くと、長嶋氏が「俺は違うと思うよ」と反論。
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現役時代は何度も殴られたが、当時はそれが普通だったと主張。
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さらに、「50回言っても聞かない、ぶん殴ったほうが早いヤツもいる」と前置きした上で「ただ今の時代それは出来ない。50回喋っても分からないならそいつは取り残していくしかないのか?」と疑問を呈す。
この記事で取り上げられた発言から、長嶋氏は「50回言っても聞かないヤツはぶん殴ったほうが早い」と考える体罰肯定派ということで話題になった。
・体罰肯定人間の卑劣さ
先ほどの長嶋氏の発言はスポーツ界がテーマになっていたのだが、スポーツに限らず、学校や家庭教育において体罰(暴行)を肯定する発言をする人間は少なからずいる。
「最近の子ども(若者)は、ろくに躾をされず甘やかされて育ったから、体罰も含めて厳しくしないと言うことを聞かない!!」
こんなことを言いながら。
私はそのような人間は心の底から軽蔑している。
世の中にはいい歳をしても、マナーやルールを守らない不届き者が大勢いる。
私は5年ほど前から東京で暮らしているのだが、上京当初は、子どもの時に教わったであろう当たり前のルールを守らない人間があまりにも多いことに驚いた。
それも、子どもではなく、大の大人がである。
たとえば、信号が赤でも一人が渡り始めたら、傾けられた盥(たらい)の中の水のように、大勢で信号無視をしたり、電車を待つ時に乗車位置の列に並ばず、平気で割込みをしたり。
このように厳しく躾なければならないのは、決して子どもに限った話ではない。
「そういった連中にも体罰が必要だ!!」と言うのであれば、賛成/反対は別にして、まだ筋は通っている。
犯罪行為に当たることは一先ず置いておくにせよ、自分も同じようにルール違反を犯したら、同様に体罰で制されるリスクを覚悟しているのだから。
だが、子どもの躾に関してだけ体罰を主張するということは、「自分を殴ることは許さないが、他人を殴ることだけは認めろ!!」と言っているに等しいのである。
こんな人間を一言で表すと「卑怯」である。
そんな卑怯者が「体罰は暴力ではなく愛の鞭」などと主張するのだからお笑いである。
もし、そんなクズに体罰を認めたら、教育委員や地元の有力者の子どもには絶対に手を出さず、「殴っても大丈夫」と確信した子どもだけは、安心して思う存分体罰を行使することなど火を見るより明らかである。
この手の人間の卑劣さは、以前も下記の記事で取り上げたことがある。
・実は熱血先生になれる逸材!?
このように、私は体罰肯定論を展開する人を軽蔑している。
ただし、長嶋氏が言う「50回言っても分からない奴に言葉で伝えても無駄」という考えは全く共感出来ないというわけではなかった。
たとえば、このブログでも度々取り上げている歩きスマホ問題。
東京では、駅や電車内の放送で「歩きスマホをやめましょう」と毎日のようにアナウンスされている。
最近引っ越してきた人でもない限り、日々の生活で電車を利用している人は間違いなく50回以上は聞いていることだろう。
にもかかわらず、ヤツらは自らの快楽のために、社会に迷惑を掛けることを全くやめようとしない。
そういった連中こそ、まさしく彼が言うところの「50回言っても聞かない、ぶん殴ったほうが早いヤツ」なのである。
というわけで、ぜひとも長嶋氏には、どこかしらの東京の駅(何となく渋谷が思い浮かんだ)に乗り込んで、歩きスマホをやっている不届き者(もちろん、大人も含む)を見かけたら愛情を込めてぶん殴り
「お前は50回やめろと言われても分からないのか!?」
と一喝して頂きたい。
そして、一発殴っても理解できなければ、分かるまで徹底的に厳しく指導して、
「あなたには、これがいい薬です!!」
と言い放って、悪の道に足を踏み入れている不良たちを救って頂きたい。
こうして問題児の更生に一役買うことになれば、彼も父の茂雄氏とは別の形で国民栄誉賞をもらえる気がする。
これが、彼が望む「体罰によって救われる奴を見捨てない社会」というのであれば、案外悪くないのかもしれない。
今回の件で、私の中の彼に対する好感度は急上昇した。
そこで、各鉄道会社やACジャパンには、歩きスマホ防止のポスターに長嶋一茂氏は起用することをお勧めしたい。
彼はボケキャラとして扱われることが多いが、元スポーツ選手で格闘技の経験もあるため、体格が良く、腕を組んで睨みを利かせたポーズを取れば、結構な迫力が出て、用心棒や熱血先生のイメージにピッタリだと思う。