迷惑行為をやめさせる方法を考える②(歩きスマホ編)

前回は「悪いと知っていながら、やめられない迷惑行為」として「あおり運転」を取り上げた。

2弾となる今日のテーマは「歩きスマホ」である。

歩きスマホに関しても、条例で禁止する自治体があらわれ、(20212月時点では)罰則こそないものの、あおり運転と同じく厳罰化の方向に向かっているのかもしれない。

私もその流れ自体には賛成だが、こちらはあおり運転と違い、やっている人があまりにも多すぎるため、「全員を逮捕だ!! 罰金だ!!」と考えていてはキリがない。

そのため、多少なりとも本人の自覚に期待せざるを得ない。

・歩きスマホがやめられない理由

そもそも、彼らは歩きながらスマホを操作するのだろうか?

こちらの記事によると、動機は「その時に必要だから」2位を大きく引き離してトップであり、その次に「無意識にやってしまう」「きりのいい所までやりたいから」「周りを巻き込む危険がない」「自分にとって危険がなさそうだから」と続く。(自分だけは大丈夫?歩きスマホの実態 | スマモリ(smamori.jp)

その浅はかな理由には大いに呆れる。(さらに、その後は「楽しいから」、「みんながやっている」となっており、もはや言い訳する気もなさそうである)

この考えを歩きたばこに置き換えてもらいたい。

「なぜ、あなたは歩きながらタバコを吸うのですか?」

と聞かれて、

「どうしても、今吸いたいから」

「無意識にやってしまう」

「きりのいい所まで吸いたいから」

などと身勝手なことをほざいていたら、袋叩きになるだろう。

歩きたばこを「身勝手」とみなし、情け容赦なく糾弾するのなら、歩きスマホにも同様に厳しく対応をしなければならない。

そんなにスマホをいじりたいなら、なぜ立ち止まり、通行の妨げにならない場所でやろうと思わないのだろうか?

「急いでいるから11秒でも時間がもったいない!!」とでも考えているのかもしれないが、それが原因でトラブルや事故を起こせば、かえって余計な時間が生じることは誰の目にも明らかなのだが…

自分には歩行とスマホ操作という全く異なる2つのタスクを両立させる天才的な能力があるとでも思っているのだろうか?

全く、思い上がりも甚だしい!!

と言いたいところだが、そうとも言い切れないのである。

実は、そのような才能を持つ人が(まれに)存在するのである。

・スーパータスカー

かつて、携帯電話が登場した時に、運転中の通話が問題となった。

携帯で通話しながら運転すると、片手でハンドルを操作しなくてはならないだけでなく、注意も散漫になってしまう。

にもかかわらず、なぜそんな危険なことをやってしまう人が続出するのだろうか?

ユタ大学の心理学者ジェイソン・ワトソンの実験によると、車の運転と携帯電話での通話を同時に行うことは、ほとんどの人には不可能だが、この2つを完璧に両立できる「スーパータスカー」と呼ばれる人間が約40人に1人の割合で存在するらしい。(運転と携帯を同時にこなす人は稀に存在 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト (nikkeibp.co.jp)

これは通話と車の運転の実験結果だが、歩きスマホも同様に、2つのタスクを同時に行うことであり、そんなことができる器用な人間は滅多にいないことが指摘されている。(ながらスマホ(歩きスマホ)の危険性を視線計測で検証。視界の“95%”が消える? – ITをもっと身近に。ソフトバンクニュース (softbank.jp) )

そのため、「周りを巻き込む危険がない」、「自分にとって危険がなさそうだから」という理由は100%自信過剰ののぼせ上がりとは言い切れず、そのような人にとっては「歩きながらスマホをして何が悪い!!」と憤慨することは真っ当な怒りなのだろう。

まあ、大多数の人にはそのような能力など持っていないのだけど…

そして、その中の一部のバカが「自分もそのような才能がある人間なのだ!!」と考えることは絶対に阻止しなければならない。

・天才と認められた人には免許を授けよう

そこで、安全に歩きスマホができる能力を持つ人の意志を尊重しつつ、それができない大多数の人々に「自分にはそのような能力がないこと」を自覚させる方法がある。

それは「歩きスマホを免許制にして、免許取得者のみ特別に認める」ことである。

もちろん、下手したら命にもかかわるかもしれない行為を容認するため、車や自転車の運転は認めないし、試験の合格率は0.1%の超難関とする必要がある。

ただ、受験資格は設けずに受験自体は誰でも認められることとし、自動車免許取得試験と同じく、試験は随時開催することにする。

そうすることで、安全に歩きスマホができない人をスクリーニングできると同時に、無免許者には「自分にはそのような能力がないこと」を納得して受け入れてもらえる。

また、現行犯で遭遇したら、取っ捕まえて、このようにお説教しよう。

「あれ~? 君は免許を持っていないのに何で歩きスマホなんてやっているの?」

「あの試験は誰でも受験できるから、自信があるなら免許を取りなさいよ!!」

「君は試験にも合格していないのに自分にそんなことができると思っているの?」

「自意識過剰だよね? キモいんだけど…」

ちなみに、たとえ免許取得者であっても、周囲の人が確認できなければ、免許の意味がない。

そのため、免許証はマラソン選手が付けるゼッケンのようなつくりで、免許名、本名、顔写真を掲載して、行き交う通行人が一目で確認できるものとしなければならない。

それを怠れば、免許証不携帯として一発で免停とする。

人によっては「そんな免許証は恥ずかしい」と思うかもしれないが、そもそも歩きスマホなどと破廉恥な行為をやっている時点で恥も外聞もないはずだし、子どもたちからは「え!! あの人、歩きスマホ免許持っている!! 凄い!!」と注目され、スーパーマンのごとく尊敬の眼差しを向けられること間違いない。

というわけで、政治家やお役人の皆様は、利権と天下り先の確保も兼ねて私の「歩きスマホ免許」案の採用をぜひともお願いいたします。

次回へ続く

追記:歩きスマホ対策については、改めて対策方法を考える記事を書きました。2023/4/16

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