「スマホ依存によりコミュニケーション能力が低下する」という説は的外れではない気がする

「俗流若者論」と呼ばれる言葉がある。

「近頃の若いモンは~」、「俺たちが若い頃は~」という誰しもが耳にしたであろう若者批判のことである。

このような俗流若者論において「若者が堕落した原因」として常にやり玉に挙げられるのが最新のテクノロジーである。

少し前は

「近頃の若者はパソコンばかり使っているから、人と上手く付き合えない」

「テレビゲームのせいで脳内が汚染されて、凶暴な犯行に手を染める若者が増える」

といった論調が流行し、それ以前はテレビが攻撃の対象となっていたことだろう。

近年ではスマホがその標的である。

私は俗流若者論と同じく、最新テクノロジー害悪論も否定的に考えているが、最近ある仮説が浮かんだ。

「スマホによってコミュニケーション能力が損なわれる」という説はあながち的外れとは言えないのではないか…

ひょっとして、私も無自覚に老害化しているのだろうか…

今日はその話をしたい。

・メールはすべてPCから送っている

1ヶ月前のことだが、私は新しいスマホを買った。

この記事で触れた通り、私が使っていたスマホは2年前からLINEが使えなくなっていたため、この不便さも無事に解消することとなった。

これで、外出先からでもLINEで連絡が取れるようになったのである。

もっとも、そんなに頻繁に連絡を取る相手などいないのだが…

さて、今では多少慣れたものの、新しいスマホを買った当初は、キーボードの様式が以前のものと違うためか、大変困惑した。

だが、これは機種変更だけが理由ではない。

筋金入りのPC人間である私は以前の機種でも文字の入力が苦手だった。

日本語であれば予測変換があるため、多少はマシだが、英語を入力する時などは私にとって大きな苦労を伴う。

英語でメールを送っている人たちは、いかにしてそんな難しいことをやっているのだろうか?

この記事で登場したメキシコ人の男性にその話をした。

彼は1ヶ月に一、二度のペースで長文を送ってくる。

彼が私に送ってくるメールは毎回このような感じである。

メキシコ人男性:

ハイ! テツ!(彼は私をこのように呼ぶ)

元気ですか?

私は短い休暇を過ごした後、いつもの生活に戻っています。

休暇はたった1週間だったので、この休暇がもっと長く続き、もっとたくさんの都市を訪れることができればいいのですが…

Instagramにはその写真を載せています。

メキシコは素晴らしい旅行先があり、あなたにとっても一見の価値があります。

今回は一人旅をしましたが、とてもいい経験になりました。

家でも職場でもいつも人に囲まれているので、みんなから離れて、充実した一人の時間を過ごす必要があったと思います。

私は自分のペースで時間を過ごすのが好きです。

次の旅行は一人ではありません。

今度は11月と2月に国内を旅行し、4月までにヨーロッパへ行きたいと思います。

面白い話があります。

旅行は51日から出発するつもりだったのですが、搭乗券を取得するために携帯をチェックしていると、出発日が52日になっていることに気付きました。

電話で予定の変更を頼みましたが、受け入れられず、結局出発は翌日になりました。

また、先週は母の日でした。

彼女は私と一緒に住んでいるので、一緒にお祝いしました。

私たちはアルゼンチン料理のレストランで食べ物を注文し、家で食事をしました。

彼女はそれほど外出するのが好きではありません。

最近のあなたの状況はどうですか?

私はオフィスで忙しい一日を過ごしました。

それでは

ブログに載せるためにだいぶ削除したが、それでも彼はこれだけの分量を書いている。

こんな長文を打つなんて彼はどんな凄腕の持ち主なのだろう?

その疑問を尋ねた。

メキシコ男性:「はは、テツ、それは違うよ。たとえ母国語(スペイン語)であっても、僕はスマホではそんなに長い文章を書けない。InterPalsから送っているメールはすべてPCで書いているんだ」

え!?

この答えは意外だった。

だが、たしかにその答えには納得できる。

私のようなスマホの操作に慣れていない人間に限らず、スマホ慣れしている人であっても。これだけの長文をスマホで入力することは困難ではないのか?

そういえば、このブログに以前登場したことがある韓国人の男性が面白い話をしていた。

彼は普段はスマホを使っているが、私と日本語でメッセージのやり取りをする時はパソコンを使っている。

その理由とは、単語や文章が分からない時に、すぐに翻訳ソフトで調べることができるからである。

彼から送られてくるメールは毎回、ある程度の分量があり、1年以上たった今でも関係が続いている。

もしも、彼がスマホを使っており、短文のメッセージしか送ってこない人物であれば、お互いに嫌気がさして、ここまで長続きしなかったかもしれない。

・スマホで出会い系サイトを利用する狂気

「コミュニケーション能力」という言葉はいくつもの意味を含んでいるが、ここでは「自分とは別の世界を生きている人と対話する能力」として考えてもらいたい。

つまり、「相手に好まれる笑顔の作り方」や「相手に可愛がってもらうための話し方」のような精神的・感情的売春のような意味はない。

このブログでも繰り返し主張しているが、オンラインで知り合った人とやり取りをする際には、どうしてもある一定の情報量が必要であり、私はそのような能力を「コミュニケーション能力」と呼んでいる。

今は離れて暮らしている家族や地元の友人のように、これまでの付き合いがある場合は12行の短いやり取りでも会話が成立するが、実際に会ったことがない人と会話をする時は相手に具体的な情報を与えなくてはならない。

にもかかわらず、一言二言のような短い言葉だけしか発さずに、自分の気持ちを察してくれないことに苛立つ人がいるのはこの記事で紹介した通りである。

彼らは私に構ってオーラ全開のメッセージを送ってくるのだが、最近はそれよりも酷く、私がせっかく話題を取り出しても、一言の返事しかしない輩もいる。

彼らを見ていると、「あんた私と会話する気あるのか!?」と言いたくなる。

彼らから送られてくるメッセージの多くは中身はないのだが、返信のスピードはとてつもなく早い。

私の推測だが、彼らはスマホでメッセージを送っているに違いない。

だから、返信のペースは早くても、とてつもなく薄い内容のメッセージしか送れないのだろう。

ちなみに、最近知ったことだが、一部の出会い系サイトでは自分が使用している端末がパソコンなのか、スマホなのかが相手に表示されるらしい。

出会い系アプリで端末PCの女は業者の可能性大!?PCで出会い系を使うメリット解説 | 【Balloon】出会いや婚活を成功させるマッチングアプリの攻略法を紹介 (ballooon.media)

出会い系の使用端末がPCなのは業者か?│ネットで出会い部〜中年男の出会い系実践日記〜 (net-deaibu.com)

今時は、そのようなサイトはほとんどの人がスマホで使用するため、相手がパソコンからメッセージを送って来たら、援デリや個人情報収集目的の業者による一斉送信の可能性が高いため、無視することが推奨されている。

ここで重要なのは「出会い系サイトを利用している一般人は大半がスマホを使っている(はず)」ということである。

そんなことで、実際に会ったことのない人とまともなコミュニケーションが取れるのだろうか?

スマホで長々とした文章を書くなど鬱陶しくて仕方がないのではないか?

少なくとも、私にはそんなことできない。

まあ、出会い系で相手を探している人は、寂しさを紛らわせるために、誰かと会いたいと思っていることだろうから、退屈なメッセージを交換することをよりも、会話するようなノリでサクサクと話を進めたい気持ちは分かるが。

って、実際に会う可能性が高い相手だからこそ、その前に真剣に話をして、会っても大丈夫な相手なのかを見極めなくてはならないと思うのだが…

私だったら、スマホで送る短いメッセージだけで、どんな相手なのかを見極めることはできないし、それができない人とは恐ろしくて会えない。

・スマホが悪いわけではない

私が、たとえ退屈であっても、オンラインで話をする時は言葉で一定の情報を相手に与えなくてはならないと考えているのは、自身の経験からだけではない。

以前、私が対人関係に悩んでいた時に救ってくれた本の話をした。

その本では、インターネットを使って、生き苦しい世間から抜け出して、広い社会と繋がることが提案されており、そこで先ほどの作法が紹介されていた。

この本が出版されたのは、今から10年以上前の2009年である。

当時はまだスマホが登場する前であり、インターネットへのアクセス手段はパソコンが主だった。

そのため、著者の主張にはある程度の説得力はあった。

だが、ほとんどのオンラインコミュニケーションをスマホでこなす昨今では、著者が提案するような、自分の考えや情報をしっかりと言葉で伝えることはますます困難になっているのではないか?

断っておくが、私は「スマホが悪い!!」と言っているわけではない。

実際に会ったことがなく、自分の状況や考えをしっかりと言葉で伝える(=コミュニケーション)という目的のために、スマホは適さないという話をしているのである。

そのようなコミュニケーションは決して、電車の移動や会社での休憩時間のような隙間時間でできることではなく、家の中でじっくりと時間をかけて行うべきである。

決して、学術論文のようなに論理的な整合性を取ったり、ビジネスメールのように回りくどい言い回しが必要なわけではない。

ただ、会ったこともない人間に対して、これまで幾度となく関係を重ね信頼を築いている人と同じことをやっても、決して受け入れられることはないだろう。

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