駆け込み乗車にキレるアナウンスをする車掌さん

・電車内のモラル崩壊はまだまだ出て来る

このブログではこれまで東京における電車通勤のマナーの悪さを何度も取り上げてきた。

今月もすでに一本投稿した。(その記事はこちら

これまでの内容は主にホーム上の歩きスマホ満員電車への無理な乗り込み押し合いによる喧嘩電車内の嘔吐だったが、醜態を目撃するシーンは他にもある。

それは駆け込み乗車である。

ラッシュ時は電車の戸が閉まる度に、駆け込み乗車は危険だから止めるよう駅でアナウンスされるが、それでも歩きスマホと同じく「自分だけは大丈夫!」と意味不明な自信に満ちてダイブを試みるバカが少なくない。

その結果、電車の出発が遅れたり、くだんの記事(電車内の嘔吐のリンク先)のオチのように失敗してドアに激突の上、流血騒動まで発展することがある。

東京に住んでいる私はこれまで主にJR東日本と東京メトロを利用して通勤していた。

そこで感じるのは、JRはメトロに比べると駆け込み乗車に対して、毅然とした対応を取る車掌が多いということだ。

自分が乗車中の車両以外でも駆け込み乗車が起きれば、電車のドアが閉まる際に、または一旦閉まった後で再度開くため、すぐに分かる。

その後は必ず、駆け込み乗車は危険だから止めるよう車内放送が流れる。

「駆け込み乗車は大変危険で、列車の遅れの原因にもなりますのでお止めください」

もちろん、このような穏やかな口調で語りかけられることもある。

まさしく「注意喚起」という感じ。

ところが、ドスが利いた声や、とてもダルそうな口調で

「駆け込み乗車は迷惑です。 や・め・て、ください」

というアナウンスをする車掌に遭遇することも一定数いる。

しかも、このような放送は大抵、電車が発車する前に行われる。

私は列車の運転については何の知識もないが、おそらく車掌が運転士へ発車可能の合図を送ってから列車が動くと思われるため、あえて列車を発車させる前に車内放送を流しているのだろう。

・恥という概念が存在しない

あそこまで不機嫌な感情を込めて言われると、やっていない私ですら、胸がドキッとする。

乗車マナーなど無に等しい街・東京で、日々こんなバカ共に世話を焼いている彼らの苦労を思うと、感情的になる気持ちはわからなくもないが…

そんなことを考えていたが、最近ある考えが頭に浮かんだ。

彼らは感情的になっているのではなく、あえてそのような演出をしているのではないか?

駆け込み乗車をする汚客を叱りつけるために。

そうして、奴らが少しでも恥ずかしい思いをしたら、自分がやったことがいかに危険で周囲へ迷惑をかけることなのかを知って、今後は破廉恥な行為を止めるだろうと期待して。

しかし、そんなに聞き分けが良い人であれば、そもそも駆け込みなどしない。

私の地元のような1時間に1本の列車しか来ない田舎ならともかく、東京の都心部のラッシュ時は35分待てばすぐに次の電車がやって来る。

駆け込み乗車をするモンスターは、そんな状況ですら、次の電車を我慢することが出来ない人間なのである。

「僕ちゃんは何も悪くないもん!!」

「駅前の信号が赤だったり、エスカレーターをふさぐ奴がいて駆け上がれなかったせいで、ギリギリになっただけだもん!!」

というツラの皮の厚さ全開で被害者意識に満ちて、「恥をかかされた!!」と車掌も含めて、周囲に逆恨みすることだろう。

あいつらにはメンツと自己中心的なプライドはあっても、「恥」という概念など存在しない。

悲しいかな、髪の毛が薄くなったり、白髪だらけになる程の年齢になっても、このようにお子ちゃま意識全開の大人が少なくないのだ。

これまで、ゴネまくってきたり、すべてを人のせいにして生きてきた人間の悲しき末路である。

というわけで、「ブチギレアナウンス:不良更生説」は現実的ではなさそう。

次に考えられるのは、駆け込み乗車のせいで出発が遅れることにイライラしている乗客の溜飲を下げる説。

駆け込み乗車は社会不適合者の所業であり、周囲の乗客が怒りを覚えることも真っ当である。

だが、殺気立った客により喧嘩が起きたら、さらなる遅れと混乱が発生する。

鉄道会社にとってそれは、全力で避けるべきトラブルである。

そのため、「私共も駆け込み乗車にはウンザリしております」というメッセージを送り、乗客たちに「こいつは社会の敵であり、あなたの怒りは正しい!」という共感を生み、彼らをなだめることに一役買っているのではないかと。

まあ、もしもその言葉がまともな乗客に届いたとしても、「だったら、もっと厳しく取り締まれよ!!」と言われるだけだろうが()

・アナウンスに効果はなくても、取り締まりは必要

いろいろと邪推したが、車掌が車内放送で駆け込み乗車に対して露骨に嫌な態度を表したとしても、そこまで大きな効果を得ることはなさそう。

もちろん、だからと言って、「連中にやりたい放題させて良い」というわけではない。

たとえば、駆け込み客がいてもドア閉めを停止せずに、バカが挟まって発車出来ない場合は、ホームへ引きずり出して、そのまま駅員室へ連行して取り調べを行う。

初犯であれば厳重注意として、常習犯であれば不正乗車と同じく、切符を即時没収の上、正規料金の3倍を請求する。

定期券は1年間発行停止。

さらに、会社や学校に報告して、生活指導の要請と、更生への道のりのレポートの提出を義務付ける。

これくらいの厳しい措置はあって良いだろう。

「電車内を含む、公共の場でマナー違反の限りを尽くしているのは、すべて外国人観光客の仕業で、ルールを重んじる日本人にそんな不届き者は一人もいない」と主張する者は、このような取り締まりを行っても、自身には一切関係ないため、きっと喜んで賛成してくれるだろう。

スポンサーリンク