10月1日。
この日から中国で国慶節と呼ばれる大型連休が始まった。
数年前、海外支社とやり取りをすることがある仕事をしていた時に、中国支社ではこの期間が完全に休みとなるため、連休前後はかなりバタついていた記憶がある。
そんな習慣がなく、通常通り仕事をしている私たちにとっては迷惑な話なのだが、海外から見た日本のゴールデンウィークも似たようなものなのだろうか?
ちなみに、私はペンパルサイトという海外の人とメールでやり取りするサイトを利用しているのだが、この時期になると度々「国慶節はどこかへ出かける予定はありますか?」と聞かれる。
おそらく、日本にもそのような習慣があると思っているのだろう。
これは「日本人だから韓国語(ハングル文字)も読めるでしょう?」という勘違いと同じくらいよく見られる。
日本から遠く離れた西洋諸国ならまだしも、同じアジア圏の国であっても、日中韓の区別が付けられない人は少なくないのだ。
・喜べない観光客の増加
さて、国慶節とはあくまでも外国の行事だが、我々日本国内の居住者も決して他人事とは言えない。
たとえば、こちらの記事によると、熊本県では熊本城や阿蘇といった観光地に多くの中国人が訪れているという。
『国慶節』連休で中国人が殺到「観光客の半分は外国人」 SNSで熊本城と阿蘇が大バズリ? | 熊本のニュース|RKK NEWS|RKK熊本放送 (1ページ) (tbs.co.jp)
こちらの記事はあくまでも、「中国人に大人気の熊本県」というスタンスで、彼らのことを歓迎しているが、大群で訪れる外国人観光客に対しては迷惑だと感じる人も少なくない。
コンビニ越しに見える富士山を撮影しようとして、車道に飛び出たり、歩道を占領するバカを寄せ付けないために、歩道に大きな黒幕が設置されたことは記憶に新しい。
数日前に放送されたワイドショーでは、国慶節の始まりと同時に、京都や鎌倉に中国人が殺到して、混雑で地元の住人が交通機関の利用を妨げられるだけでなく、食べ歩き、ゴミの散らかし、列に並ばない、道路に飛び出す、信号を無視するなど数多くの迷惑行為の被害に遭う様子が放送されていた。
ようやくコロナが収束に向かいつつあると思ったら、新たな脅威が日常を襲っている。
このような不届き者のせいで、平穏な生活が脅かされている方々には心からお悔やみ申し上げます。
ただ、外国人観光客による混雑で迷惑するというニュースを見る度に、どうしても言いたくなることがある。
それは・・・
東京ではそれが日常なんです。
・マナーもモラルもない世界
決して、「東京は国慶節の季節に限らず、外国人観光客が殺到する」という話ではない。
東京は彼らと同じように、マナーを守らない大バカ者が溢れているのだ。
私は通勤の際に途中で電車を乗り換えている。
その駅が始発となるので、ほぼほぼ座ることが出来るのだが、そんな簡単な話ではない。
なぜなら、下車するのがターミナル駅のひとつ手前なので、降りる時は大勢の人をかき分けないといけない。
もちろん、自ら避けてくれる人もいるが、周囲の人などどこ吹く風で、イヤホンを付けていたり、スマホを見ている者はこちらから声をかけても、気付かないことがある。
彼は「公共交通機関でマナーを守らない」と言われている外国人観光客と1㎜の違いもない。
このようなバカは体当たりされても文句を言う資格はないのだが、私は無用なトラブルを避けたいので、必ず開く側のドアのすぐ横、少なくともその一つ隣の席しか利用しない。
そこは多くの人にとってベストポジションであり、列の先頭に並ばないと確保できない。
そのため、始発駅であっても、乗車できるのはホームに出てから3本目の電車ということになる。
ここまでしないと安全が保てない程、東京の混雑はひどい。
この話はあくまでも、混雑や周囲に対する気遣いの無さの話だが、中には電車を待つ際や改札を通る時に、平気に割り込んだり、そもそも並ばないバカも少なくない。
それは外国人観光客による混雑と一体何が違うというのだろうか?
東京の通勤ラッシュの醜さについてはこちらの記事でより詳しく特集している。
また、かつては街の至る所に散乱しているゴミは何の根拠もなく「外国人観光客によるもの」とされていた。
しかし、コロナによって、外国人観光客が姿を消したにもかかわらず、相変わらずゴミで溢れていた。
「街にゴミをポイ捨てしているのは外国人説」は完全な言いがかりだったと言える。
外国人観光客には、文化の違いだけでなく、言葉が通じないことにイラ立ちを覚える人もいる。
普段住んでいる世界が違うため、マナーやルールを知らないのは仕方がないにせよ、それを注意したくても、言葉が通じないから分かってもらえない。
だが、それは外国人であるがゆえに、言葉が通じないことが原因なのだろうか?
東京では駅の至る所で「歩きスマホやめましょう」、「エスカレーターの駆け下り、駆け上がりはやめましょう」と書かれたポスターが掲示されていたり、駅員によるアナウンスが行われているのだが、それを見聞きして自らの過ちを改める人間が一向に増えない。
彼はみんな日本語が理解できない外国人なのだろうか?
日本社会のマナーやルールを守らない外国人はたくさんいる。
しかし、それは外国人に限ったことではないし、異国からやって来て彼らが、その様子を見たら、「あ、日本は意外とマナー違反に甘い国なんだ」と思って、傍若無人に振る舞うことは容易に想像つく。
特に東京のような大都会では。
外国人観光客にモラルを求めるのなら、まずは我々が徹底する方が先ではないだろうか。