今月初旬のことだが、こんな記事を見た。
満員電車に「ドア地蔵」「シャケ」 乗降マナー、試される春 | 毎日新聞
4/1に新年度を迎えたわけだが、この日を境に新生活を送っている若者は満員電車の乗車経験が少ない人も多く、通勤慣れした他の乗客の不満は強い。
もっとも、乗り降り時の「マナー違反」は新入社員に限った話ではない。
インターネット上では、電車内のマナーが悪い人間を意味する次のようなスラングがあるともいう。
「ドア地蔵」:ドア付近に立ち続けて乗降の邪魔になる客。
「シャケ」:降りる客の流れに逆らって乗り込む客。
日本民営鉄道協会が調べた迷惑行為ランキングでも、こうした行為は、車両内での騒々しい会話や泥酔客と並び例年上位に挙がり、最近はイヤホンをつけてスマートフォンに集中し、周囲の客の動きに気付かない者も多いとのこと。
鉄道各社の担当者らは
「周囲の乗客に気配りをしてお互いストレスを減らしてほしい」
「無言で人を押しのけるとトラブルの原因にもなる」
「『降りまーす』と声をかけたら場所を空けてくれる」
とアドバイスする。
・お仲間を紹介します
記事の内容は概ね賛同するのだが、もしかしたら、取材対象が私が住んでいる東京ではなく、福岡市であるためか、気になる点もあった。
ドア地蔵もシャケも迷惑この上ないのだが、個人的にはそれと同等、もしくはそれ以上に迷惑な大バカ者を目にする機会が多いのである。
もっとも、諸悪の根源はコロナ渦にテレワークを取り入れたにもかかわらず、強引に出社へ戻した痴漢擁護者の反社企業であることは言うまでもないが…
というわけで、今日は「ドア地蔵」や「シャケ」と同じく、電車内で迷惑行為をする破廉恥な人物にふさわしい名称を提案したいと思う。
①:カチコミヤクザ/蛾
電車が超満員にもかかわらず、次の電車を待たずに、強引に乗車するバカ。
この手の輩はお決まりのように
「次の電車を待っても満員だもーん!!」
「だから、人を押し込んででも乗って良いんだ!!」
という自己中心的な理屈で自身の悪事を正当化を展開する。
しかし、この記事に書いた通り、東京と言えども、電車の混雑具合は始発駅や、他の路線との接続に左右されることが大きいので、余程のダイヤ乱れによるでもない限り、来る電車がすべて超満員で乗車できない駅など数得るほどしかない。
つまり、彼らは自ら火種となって満員電車という修羅場に飛び込むことを好んでいるのである。
その姿は暴力団の構成員によるカチコミと何ひとつ変わりない。
よって、この称号を与えよう。
また、すでに先客で溢れているにもかかわらず、空いているドアを見たら無意識に飛び込んでしまう姿は、夜中に電灯に集まる蛾とも重なるため、シンプルに「蛾」と呼ぶのもお似合いである。
・②: ゴリ押しチキンくん
①と類似するのだが、乗車・降車・車内での移動にかかわらず、「すいません。通ります」と声をかけずに無言で他人を押し退けて進む暴力的な人間がいる。
その姿は二足歩行でこそあるものの、周囲のことなど一切視界に入らず、獲物を一直線に目掛けて直進するイノシシそのものである。
まあ、この手のバカは、自分は暴力的な手段を好みながら、混雑に紛れてすぐに逃げ出す筋金入りの卑怯者なのであり、果敢に飛び込むイノシシと比べるのも失礼なのだが…
ドヤ顔で突っ込んで来るくせに、すぐに逃げ出す情けない姿は「ゴリ押しチキンくん」と呼んで蔑んでやろう。
他にも「当て逃げ番長」、「押し逃げくん」などの候補もある。
…というか、会社でこんなことをやったら即上司から指導が入ることだろうから、ストレートに「社会不適合者」と呼んだ方が良いかもしれない。
・③:吊革プー太郎
この記事にも書いたことだが、車内で立っている時に、電車が揺れるにもかかわらず、頑なに吊革を握ることを拒否するバカがいる。
当時はすでに衰退していたとはいえ、まだコロナの影響が健在だったため、「感染のリスクを避けるため」という大義名分もあったが、そうした恐れがほとんどなくなった2025年も未だにこの不埒者を目にする機会が多い。
「電車が揺れても、吊革に頼らない俺はカッコいい!!」という思春期特有のイタい動機があるのかもしれないが、そこまで頑なに吊革を掴まらずに「何をやっているのか?」というと、単に「スマホを触わっている」だけである場合が圧倒的に多い。
もちろん、吊革に掴まらなかったことにより、周囲の人と接触しても、謝ることなど一切ない。
プラプラと漂って、周囲に迷惑をかけている姿は「マナー的に無職な状態」であり、まさしく「プー太郎」である。
その他にも、スマホに集中するあまり、肝心の自分がブレブレなことに気付かない浅ましさから「ブレブレスマホくん」という名も良いだろう。
・④:ぶっ飛びスマホ地雷
電車に乗る時は、降車が済むまで待つことが常識である。
そのルールを守らないのがシャケである。
ところが、シャケにも言い分があって、他の客が降り終えて、ホームから続々と乗り込んでくるタイミングで慌てて飛び出すバカも少なくないのである。
車内の奥の方に居たため、人混みで身動きが取れず、降車に時間がかかるのであれば仕方ないのかもしれないが、この手のバカも大概手にスマホを持っており、スマホに夢中で降車駅に到着したことに気付かなかったのである。
降車が遅いだけでも迷惑なのだが、このバカも例に漏れず自分のことしか考えていないので、降りる時は周囲の危険など考えず、「俺の前にいるのが悪い!!」と言わんばかりに、勢いよく飛び出して体当たりをする。
その様子はまるで、予期せぬタイミングで突然爆発する地雷である。
周りの人も防ぎようがなく、飛び出した時は恐怖を感じる。
常識的に考えて、目的地の前駅を出発したタイミングでスマホから手を離せばいいのだが、吊革プー太郎と同じく、頭は悪いクセに時間を惜しむ貧乏性に抗えない。
これがスマホ脳なのだろうか。
・ルール違反をするクズがマナーを主張する謎
冒頭の記事の通り、新年度に電車内でマナー違反を見かけると、すぐに「新入社員や新入生のせいだ!!」と金切声を上げる人がいる。
だが、当の本人がマナー違反を犯している可能性だって十分にある。
電車内の出来事ではないが、私が常々不思議に感じているのは、「駅でエスカレーターを駆け下り、駆け上がりしている社会不適合者たちは、自分たちがルール違反を犯しているにもかかわらず、立ち止まっている人に対して、なぜあんなに偉そうに舌打ちしたり、罵声を浴びせたり、突き飛ばしたり出来るのか?」ということである。
あれだけ駅のポスターや放送で「エスカレーターでは歩かずに立ち止まってください」と言われているにもかかわらず、「急ぐ人のために右側(一部の地域では左側)を空けるのがマナーだろうが!!」と逆ギレするのだから、「自己中心的」という言葉を遥かに超えたモンスターである。
電車内のマナー違反を新入社員のせいにしている人間も、これと同じなのかもしれない。
新生活をスタートさせるフレッシュな方たちは、こんな薄汚い大人にならないことを祈っている。