「子ども・子育て支援金制度は独身税だ!」と文句を言う人を黙らせる簡単な方法

近頃メディアやSNS「独身税」という言葉が話題になっている。

独身税とは、文字通り「独身者に追加で課税する制度」のことだが、現在の日本で独身であることを直接の理由として税金を上乗せしている制度は存在しない。

しかし、20264月から導入される予定の子ども・子育て支援金制度」は「実質的な独身税と言えるのでは?」との声が出ている。

・制度の趣旨と反対意見

子ども・子育て支援金制度」とは年々深刻化する少子化や人口減少を食い止めるラストチャンス(もう何度目の「ラストチャンス」か知らないけど…)と言われている2030年代に少子化傾向を反転させることを目的として、主に下記の現金を給付する制度である。

  • 児童手当の拡充(高校生まで対象、所得制限撤廃、第3子以降増額など)

  • 妊娠・出産時の支援給付

  • 保育サービス拡充(こども誰でも通園制度など)

  • 出生後休業支援給付

  • 育児時短就業給付

子ども・子育て支援金制度について|こども家庭庁

子ども・子育て支援金制度について 厚生労働省

随分と気前良くバラ撒いているが、気になる財源は…

月々の社会保険料に上乗せして徴収される

もちろん、その保険料は子育てを行っている人も支払う必要があるため、独身者のみの負担となるわけではないため、これを「独身税」と言うことは出来ない。

しかし、給付対象子育て世帯に限定され、独身者、既婚者だが子どもがいない世帯、既に子どもを育て終えた世帯には全く恩恵が及ばないため、「これは実質的に独身税(正確には子なし税)では?」と言われても、おかしい話ではない。

かれこれ20年程、少子化対策については以下のようなスローガンが登場する。

「子育て世帯の負担軽減」

「子どもは社会全体で育てる」

「支援を持続可能にするために、世代を超えて社会全体で負担する」

少子化が進むと、労働人口が減り、社会保障制度(年金・医療・介護)が維持できなくなる。

そのため、今の子育て世帯を支援して出生率を少しでも押し上げたい

制度にもそうした理念があるのだろう。

とはいえ、現実には、制度への反発も根強い。

理由は大きく分けて以下の通りである。

  • 子育て世帯だけが恩恵を受ける不公平さ。

  • そもそも少子化対策自体効果が疑わしい。

  • ただでさえ毎年、医療保険料の上昇している中で、さらなる上乗せ額を払わせられる金銭的負担。

  • 現代の日本では結婚も出産も金銭的に余裕がある人しか出来ず、そうした機会がない人が、経済的に恵まれている家庭に金を吸い上げられ格差が再生産される理不尽さ。

「少子化で将来は大変になる!!」と言われても、やはりこうした負担が生じると多くの人が反対に回るのだろう。

・反対派を納得させ、制度の理念も完璧に両立できる

私自身、独身で子どももおらず、負担だけ負わされる側の人間であるし、

「学校なんて当てにならないから塾に行かせたい!!」

「子どもがやりたいスポーツは何でもやらせたい!!」

「私立の中学に行かせたい!!」

Fランクと言われようとも大学へ行かせたい!!」

というように「教育費」と称した娯楽費を湯水のごとく垂れ流しながら、「子育てのお金が足りない!!」と嘆いている甘ったれたバカ親のには一円足りとも支払うべきではないという立場からこの制度には批判的である。

しかし、この話題については、こんなことを考えた。

「子どもを社会で育てる」という理念を本気で採用するなら

「お金だけでなく、口も出させてほしい」

昔のドラマやアニメを見ていると、公共の場で子どもが悪いことをしたら、たとえ他所の家の子ども叱る頑固おやじが登場して大声でりつける「シーンを度々見かける。

それを合法化して欲しい。

現代だと、街中で歩きスマホしているクソガキに「バカもーん!!」と説教、そこで、ガキが「大人だってやっているじゃないか!?」と口答えすると、「お前の子育て費用を毎月の給与から天引きされている大人に向かって、なんだその口の聞き方は!!」とさらに一喝する。

こんな感じである。

それだったら、給付を受けられない人でも「金は出すが、口も出せる」状態となり、一定の権利を与えられることで不満も軽減することだろう。

もちろん、追加の財源など一切不要である。

子どもが公共の場で迷惑行為をした際の抑止力になるのはもちろん、親にとっては、子育て費用を恵んでくれるだけに留まらず、子どもを叱って自分が悪役も社会に担ってもらえるだから、相当な負担軽減となる。

これぞまさに「子育て世帯の負担軽減策」ではないのか?

また、これは「社会で育てる」という理念と完璧にマッチしている。

悪いことをしたら、きちんと叱ることも教育。

当たり前のことだが、その大切さを今こそ社会全体で見直すべきだ。

もちろん、この意見に大反対する親も多いだろう。

「他人に子育てを口出しされたくない」

「自分の子に何を言われるかわからない」

「だけど、お金は欲しい(あ、心の奥の本音が漏れた)」

しかし、子育て支援のために独身者も負担しろと言うなら、その代わりに独身者にも子育てへの参加権を与えるのが筋だろう。

「どこの誰とも分からない人が子どもの躾けに介入するくらいなら、支援金なんか要らない」と筋を通す者もいるだろうが、この提案はお金は欲しいが、そんなことは絶対に許さん!!」という自己中心的なバカ親を炙り出すことに一役買う。

すごく単純化した例えだが、成人しているが、職に就かず親の脛をかじるだけのバカ息子・娘が親に叱責されて

「そんなにゴチャゴチャ口出しするのなら、こんな家は出て行く!!」

「だけど、あんたは親なんだから、僕(私)が住む家の家賃を全額払うのが当然でしょう!?」

と幼稚な理屈でわがままを言っているようなものだ。

子ども部屋おじさん・おばさんだって、こんな逆ギレする奴はそういないだろう。

だが、「金は寄こせ!! だけど、口は出すな!!」とはまさにこの理屈である。

そんな人間に子どもを育てることなど出来るのか甚だ疑問である。

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