今月最初の記事のテーマは学校における水泳の授業だった。
2020年から2021年の間はコロナのおかげで、全国の小中学校で水泳の授業が撲滅されていたが、昨年から悪夢が蘇るかの如く再開され始めた。
私は学生時代に水泳が大嫌いだったため、小学校卒業からおよそ20年が経過した今でも、水泳の授業に怯える子どもたちに同情せずにはいられない。
今はコロナ渦に比べると状況が悪化しているとはいえ、コロナ前よりは、僅かながらだが希望はある。
だから、決して、未来に絶望しないで欲しい。
先の記事はそんな想いから書いたものだった。
その記事の投稿から4日が経過した昨日、素晴らしいニュースを目にした。
函館市 公立小学校のプール授業を今年度中止|NHK 北海道のニュース
函館市 4年ぶりに再開する予定だった小学校のプール授業全て中止に バスの運転手不足で(HTB北海道ニュース) – Yahoo!ニュース
函館市は市内の公立小学校で、今年度の水泳の授業をすべて中止すると発表した。
記事によると、函館市の公立小学校39校のうち20校にプールがなく、授業の際はプールがある学校にバスで移動して授業を受けていたという。
昨年までの3年間は例によってコロナの影響で中止していたが、今年度から再開の方法を模索していた。(本当に余計な事を!!)
ところが、コロナ禍ですっかりバスの需要が低下し、ドライバーが不足していた中で、観光需要が回復したため、瞬く間にドライバーが不足。
観光業では数少ないドライバーの取り合いになっているため、水泳の送迎を行うバスの運転手が確保出来なくなってしまった。
さらに、プールがある学校だけで授業を実施してしまうと、実施できない学校との間に教育格差が生まれることから、結局、市内のすべての小学校で中止になった。
棚ボタとはいえ、なんと感動的なニュースなのだろうか…
このブログではタイムリーな時次ネタはほとんど扱わず、早くても話題になった半月後に取り上げるが、このニュースを知った時は興奮を抑えられずに、発表翌日という異例のスピード投稿を行う運びとなった。
・救われたのは市内の小学生だけではない
コロナが収束に向かうにつれ、日に日に通勤時の混雑が激しくなっているため、在宅勤務を中止した反社会組織に加え、混雑の原因の一つにもなっているであろう旅行者のことは毛嫌いしていた。
今でも通勤中の満員電車で大きなキャリーケースを持ち、周囲への配慮など微塵も見せずにスマホを弄っている人間を見ていると腹が立つ。
しかし、このような素晴らしい成果をもたらすのであれば、観光客の急増も悪くないと思い直した。
一日も早く、水泳の授業が消滅して、全国の少年少女に平和な夏が訪れることを心から祈っている私も、水泳中止に微力ながら協力するために、今夏は旅行に出かけようと思う。
もちろん、在宅勤務が出来ずに出勤せざるを得ない人の邪魔にならない範囲で。
今回の件でもう一つ感じたのは「人手不足は確実に社会を変えることが出来る」ということ。
労働環境もこのようにしてどんどん改善してもらいところである。
さて、水泳授業完全中止という函館市の対応は、全国の少年少女に2つの大切なものを与えてくれたことは大いに評価したい。
ひとつ目は函館市の小学生は水泳を行っていないのだから、「自分もやらなくて何が悪い!!」という自信。
そして、もうひとつは、「希望を捨てずに生き続ければ必ず味方は現れる」という勇気。
函館市の英断は、函館市以外の小学生も救ったのだ。
世の中が再び、絶望の世界に回帰しつつある気がしてならない今日(こんにち)において、本当に心温まるニュースだった。
もっとも、NHK版の記事では、最後に”これについて函館市教育委員会は「改善策を検討して来年度は実施できるように早めに対応していきたい」とコメントしています。”という不吉な文言が並んでいる点は気になるが…