就業前から3ヶ月以上の定期券を購入することは危険

今の職場で働き始めて1ヶ月が経過した。

仕事そのものについては特に嫌なことはないのだが、勤務開始一週間で「やってしまった…」と後悔したことがあった。

それは通勤のことである。

これまでもこのブログでは通勤(痛勤)については度々取り上げてきた。

しかし、今回の件は一味違った。

・どの路線に乗ろうかな?

自宅と今回働くことになった職場の最寄り駅は別の鉄道会社になる。

そのこと自体はこれまでも何度かあったのだが、今回は乗換駅や利用する路線の組み合わせが数パターンあった。

ちなみに、値段はどのルートを1ヶ月の定期代で1000円以内の差額しか出ない。

時間も10分以内の差である。

私はその中から、あるルートを決めて、就業前に定期券を購入することにした。

そのルートを選んだ理由は、途中に有数の路線が乗り入れる都内でも屈指のターミナル駅があるため、私用でそこへ行く時も定期券が使えると思ったからである。

偶然にも勤務開始前の929日と30日に私用でその駅に立ち寄ることになった。

さらに、その駅では多くの乗客が下車するため、乗車駅で座れなくても、その駅以降は座ることが出来るのではないかと思った。

こうした理由から、もはやこのルートしか考えられなかった。

こうして、929日から有効の定期券を3ヶ月分購入することになった。

長期間契約で購入した方が多少料金も安くなるし、3ヶ月分だと次の更新(継続)のタイミングはちょうど年末休暇になり、キリもいいだろう。

だが、これが大きな間違いだった。

勤務初日、私は定期券で購入したルートで職場へ通った。

途中駅では別のルートを通る電車が停車しており、そちらはそこが始発駅ということもありガラガラだった。

一方でこちらは席に座れる余裕などない。

「羨ましいな」と思うことはあったが、今乗っている電車も途中までは前職へ通う時も利用していたため、そこまで苦行には感じない。

乗り換え駅まで座れることはなかったが、乗り換え後は都心から郊外へ向けて走る路線になるため比較的空いており、座れることもできた。

行きはこうして、平穏な道のりだった。

・予想を上回る混雑

帰りの電車は職場の最寄り駅から乗換駅までは行きと同様に空いていた。

ここまでは順調そのもの。

乗換駅からは自宅へ向かう電車に乗ることになる。

しかし、ホームに入った時点で、多くの行列が出来ており、到着した電車の中も人が入れる余裕などないくらいパンパンだった。

列の先頭の人たちはともかく、後ろの方に並んでいた私が入れる余裕などない。

私は一旦引いて次の電車に乗ることにした。

いくら電車に乗りたいとはいえ、目の前の人を押し退けてでも入る神経(並びにツラの皮の厚さ)は私にはない。

それでも、「モラル」という概念がない人物で溢れているカオスの世界・東京では、多くの人が逞しく(そして、図々しく)乗り込んでいたが…

次にやって来た電車もパンパンだったが、列の先頭だったこともあり、何とか乗ることが出来た。

満員でかなりしんどいが、ターミナル駅に着いたら、多くの乗客が降りるだろうから、その隙に座ることが出来るだろう。

だが、この目論見は外れた。

たしかに下車する乗客はいるのだが、そのような人たちはすでにドア付近に立っており、座席から立ち上がる者はほとんどいなかった。

そして、すぐにそこから乗車する人物で溢れ返った。

今度は先程までよりも混雑している。

自宅の最寄り駅に着いたが、中々身動きが取れず、降りるのにも一苦労だった。

行きは問題なかったが、帰りは初日から大変な目に遭い、翌日以降は乗車位置を変えることにした。

しかし、それでも混雑具合は変わらなかった。

数日、試行錯誤した結果ようやく何とか混雑を避ける方法を見つけたのだが、それは乗換駅から一度自宅の最寄り駅よりも前が終点となる電車に乗って、そこで「別の路線」からやって来る電車に乗り換えるパターンであり、余計な時間と乗り換えが生じる。

ちなみに、その「別の路線」というのは、初日の朝に見かけたガラガラだった電車が走り、通勤ルートの候補にもあった路線である。

そこで私はようやく気付いた。

「このルートを選んだのは間違いだった」

私用でターミナル駅へ出かける時は自腹になるものの、別のルートを選んだ方が快適に通勤出来たのである。

・払い戻しも一筋縄にはいかない

定期券を3ヶ月契約で購入したが、今からでも解約して払い戻し出来ないものだろうか?

これまでそのような経験はなかったため、ネットでいろいろ調べることにした。

すると、3ヶ月や半年分として購入した定期券は1ヶ月単位で払い戻すことになり、たとえ一週間しか使っていなくても、2ヶ月分の料金しか返ってこない。(加えて220円の手数料がかかる)

ちなみに、1ヶ月分を購入して、7日以内の払い戻しであれば、日単位の払い戻しも可能とのこと。

きっぷの払いもどし 使用開始後│きっぷのルール:JRおでかけネット (jr-odekake.net)

定期券の期間途中で払いもどしはできますか。 | FAQ | JRおでかけネット (jr-odekake.net)

つまり、ルートだけでなく、3ヶ月という期間を選択したことも誤りだった。

もっとも、今回は929日より購入したため、払い戻し期限内に誤りに気づくことが出来たのかは疑問だが…

かくして、この1ヶ月は自分の選択を後悔しながら通勤することになった。

そして、先週の金曜日(1027日)、定期券の購入から丸1ヶ月を迎えるまであと1日残っているが、翌日は休日で出かける予定もないので、この日限りで解約することにした。

なお、払い戻しをするためにはみどりの窓口へ出向かないといけないが、自宅の最寄り駅はすでに閉鎖されてしまったため、帰宅途中で下車して手続きを行うことになった。

しかも、手続きを行った時点で定期券は失効するため、そこから最寄り駅までは普通運賃を支払わなければならない。

少しでも料金を安くするために長期で購入したというのに、本末転倒である。

1ヶ月分で購入していれば、こんな面倒なことにならなかった。

幸いにも窓口は空いており、すぐに手続きを開始することが出来た。

のだが、定期のデータを確認した担当者からこんなことを言われた。

駅員:「こちらはクレジットカードで購入されているため、返金手続きには購入時に使用されたカードが必要になりますが、お持ちでしょうか?」

え!?

そういえば、1ヶ月前に購入した時は、いつも使っているカードが頻繁に支払い障害が起きていたことから、普段は携帯していない別のカードを使っており、この日も持ち合わせていなかった。

こうして、その日は払い戻しを行うことが出来ず、翌日改めて出向くことになり、無事に解約出来た。

その日が購入日からちょうど1ヶ月が経過する日だったので、何とか最終日に間に合う形だったのだが、もし前日が最終日であり、その日中に手続きが出来なければ、翌月分も請求されるところだった。

危機一髪である。

初めての経験ということもあるが、最後の最後まで疲れることになった。

そして、今週からは別のルートで通勤している。

今回は1ヶ月分の定期券を購入し、購入前に下見として乗車して、前回のルートよりも快適であることは確認していた。

私用でターミナル駅へ出かける時は定期券が使えなくなったが、そこまで多額の出費というわけでもなく、日頃の通勤の苦痛から解放されることに比べたら、間違いなく安い出費と言える。

職場までのルートが複数あるケースはそう多くないだろうが、もし今後もそのような機会があったら、目の前の小銭に目を眩ませることなく、日々の通勤のことをきちんと考えた上で後悔がない選択をしなければならない。

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