前回の記事の冒頭で少し触れた通り、私は今月から新しい職場で働いている。
まだ働いて一週間だが、この記事で取り上げた職場のように、口では「ウチの仕事を覚えるのは数年かかる」と言いながら、勤務開始数日であれもこれも押し付けようとする質が悪い会社ではないため、滑り出しはまずまずと言ったところである。
だが、早くも「これから先もこの日常が続くのか…」とウンザリした気持ちにもなった。
それは帰宅時の電車の中でのことである。
定時であれば、私はいつも始発駅から乗車しているため、多少の椅子取りゲームは必要だが、座ることができる。
いつも利用している電車は車端部を除くと、ドアとドアの間の座席は7人掛けになっている。
ある日、私が座っている席の列が、中央の1つを残した6人が座っている状態で出発した。
最初の停車駅は私から見ると、正面の側のドアが開いた。
ドアが開いた瞬間、左右両側から、それなりの年齢だと思われる男女が、ドスドスドスと地響きがする程の勢いでダッシュしてきた。
彼らは私が座っている列の1つだけ空いている座席を奪い合っていたのである。
二人はほぼ同着だったため、まともな道徳心を持っている人間なら、お互いに譲り合うはずだが、彼らは一歩も引かず押しのけ合い、壮絶なバトルの末、男が女を弾き飛ばして、争奪戦を制した。
飛ばされた女は倒れ込み、ちょっとした交通事故のような衝撃だったが、男は知らん顔でスマホを弄りだした。
いい歳した大人が周囲の危険を顧みず電車の中で走ったり、人を蹴落としてでも、座席を奪おうとする浅ましい光景には頭がクラクラする。
そもそも、「日本は世界一マナーが素晴らしい国」などと自画自賛する人がいるが、一体どこを見て言っているのだろうか?
それとも、私が住んでいる東京は日本ではないのだろうか?
大都会東京で生き抜くためには、これからもこんな民度が低い蛮族と共に生きていかないといけないのか…
そう思うと、たとえ職場に問題がなくとも、働く気持ちを削ぎ落されて、お先真っ暗になりそうである。