「行」から「様」への無意味な書き換えはいつまで続けるの?

私は毎年確定申告をしているのだが、今年はいろいろと事情があって、初めて税務署の収受箱に投函するという方法を選んだ。

郵送と同じく、この方法ではある問題が生じる。

これまでは、税務署に持ち込み対面で渡したり、電子申請が主だったため、その場で受付印を得ることが出来た。

しかし、税務署収受箱への投函や郵送ではそれができないため、受領印が欲しければ、自身で返信用の封筒を用意しなければならない。

というわけで、私は書式一式に返信用封筒を加えて投函した。

先日、その封筒に受領印が押された控え用紙が入って自宅に戻ってきた。

私は早速中身を確認しようとしたのだが、その前にあることに気付いた。

それは自分への宛名が少しアンバランスだったこと。

横書きになってしまうが、こんな具合に。

「早川鉄男

「様」という文字が太い理由だが、これは元々私が自身の宛名を書く際に「早川鉄男行」と書いていたものを、向こうが返信の際にスタンプで「様」へ書き換えたからである。

実はこのような経験は初めてではない。

数年前、失業中に失業保険の給付を受けていたことがある。

通常であれば、毎月ハローワークに出向いて就職活動の報告をしなければならないが、その時はコロナの影響で来所ではなく、郵送で書類のやり取りを行うことになった。

その時も今回同様に返信用封筒を作ることになり、同じように宛先を「早川鉄男行」と書いたら、手書きで「行」を「様」に書き換えられて、返送された。

お役所仕事が杓子定規であることは仕方ないかもしれないが、毎回「正直、それ必要か?」と思っていた。

こうなると、私の方で「行から様への書き換えは不要です」とでも書いておけばいいのかもしれないが、それを書いたとしても彼らが素直に従ってくれるかどうかは疑問だった。

その前年、私は短期の派遣で郵便や宅配物を仕分けや在庫管理を行う仕事に就いていた経験がある。

そこで、取引先への郵便に同封する自社宛の返信用封筒を扱っており、それには先ほどのように「行から様への書き換えは不要です」と印刷されていた。

それを見るまで、そのようなビジネスマナーを知らなかった私は「わざわざこんなことを書かなければ、『様』へ書き換えなければならないのか…」と思った。

だが、返信されてきた郵便物を仕分けしていた時に、結局はすべての郵便が様へ書き換えられていることに気づいた。

こちらは自分宛の名前に「様」と付けることを避け、「様への書き換え不要」と書き、相手はそれを受け入れることなく、あえて書き換える。

「それって、どんなママゴトですか?」と聞きたくもなる。

華麗なる譲り合いというか、無駄な労力の消費というか、お互いに相手の厚意に甘えたらいいのに…

この風習は一体いつまで続くのだろうか?

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