仕事の面接前に感じたひと時の安らぎ

私は今月限りで失業してしまうため、先週は次の職場の面接へ向かうことになった。

場所は山手線の某駅から徒歩5分の距離にあるオフィスビル。

今回訪れたビルは初めての場所だが、駅周辺については馴染みがある。

私はかつて短期であるが、その駅が最寄り駅となる会社で働いたことがあり、半年前もその駅の近くの会社で職場見学を行った。

私はこれまで多くの会社で職場見学を行ったが、半年前の面談のことは今でもはっきりと憶えている程、特別な時間だった。

今日はその時の話をしたい。

・満員電車並みの民度の低さ

昨年の10月初旬。

私は前月の9月限りで、この記事で触れた職場を退職したため、職探しをしていた。(ちょうど、このブログで「無職ネタ強化月間」と銘打ったキャンペーンを展開して散々開き直っていた頃)

その際に、派遣会社から紹介されて訪れたのが、先の駅の近くの職場だった。

その会社は商業ビルの10階にオフィスを構え、ビルの12階はレストラン街になっていた。

面談が開始される時間は17時だったが、私は2時間以上前の14時半にはそのビルに到着した。

私は元々(無職期間など)時間がある時には待ち合わせ時間のかなり前に近くまで到着するようにしているが、そのビルは多くの飲食店が営業していることもあり、一段と早めに現地入りして、そこで昼食を取ることにしたのだ。

私が食べることにしたのは、この記事で少し触れた、子どもの頃から大好物だったマクドナルドである。

この日もいつも通りのメニューを注文し、カウンターの前で並んでいたのだが、そこであることに気付いた。

店内に座席らしきものが見当たらない!?

注文を待っている間に、先に商品を受け取った客がどこへ行くかを眺めることにしたのだが、彼らは飲食店街の中心地にある他の店と共有のフリースペースで食べていた。

「なるほどなぁ…」と納得したのもつかの間、次の問題が発生した。

そのフリースペースは腰を掛けることができるベンチの数こそ多いものの、食事ができるテーブル付きの座席が少ない。

しかも、すでに食事が済んでいるにもかかわらずダラダラとスマホで遊んでいる不届き者や、先に荷物だけを置いて席を確保して注文の列に並ぶツラの皮が厚い人間も少なくない。

電車に乗る時もよく感じるが、東京の飲食店におけるマナーの悪さや他人への配慮のなさはしょっちゅう目にし、この店に限ったことではない。

私はベンチに座ったままチャンスを伺っていると、およそ十分後に席が空いて、そこに滑り込んだ。

モラルの低い連中のせいで待ち時間が生まれ、せっかくの食事が冷めてしまったが、元々持ち帰って食べることも多かったため、それは気にせず美味しくいただいた。

食べ終わった後は、トイレで手を洗い、フリースペースに戻りスマホを見ながら時間を潰すことにした。(もちろん、民度の低いバカ共と違って、食事をする人の邪魔にならないようベンチに座りました)

・二度寝したようないスッキリした気分

面談開始時刻まで残り1時間30分。

この時間をどう消化するかを考えていたが、最初は少し気分が悪かった。

原因は、食事をする際に席が空かずに迷惑を掛けられ、人間の汚い一面も見せられて不愉快になったことだけではない。

普段は面談前にそこまで緊張しないが、その仕事は私が就きたかった職種でもあるため、「今日の結果次第で、今後の人生に関わるかもしれない」と思うとプレッシャーを感じたのだ。

その上、今は別フロアにいるとはいえ、すでに面談が行われる建物に入っているため、敵の本拠地に足を踏み入れてしまっているような緊張感があった。

私は平常心を心掛けようと、スマホで仕事とは関係ない自分が好きなことを検索することにした。

そこで思い付いたのが、小学生の頃に熱中していたゲームのことである。

きっかけはフリースペースからも目に入るマクドナルドを見たことで、そのゲームの高校生だった主人公が学校の帰りに同級生とハンバーガーを食べるシーンを思い出したからである。

そこから、Wikipediaを模したサイトでそのゲームのストーリーについての解説を閲覧した。

私が重点的に遊んでいたのはもう20年以上前のことだが、その時のことをまるで昨日のように思い出していた。

中には私がプレーした経験がないシリーズもあったため、懐かしいだけでなく、新鮮な気持ちもあった。

そのゲームについて調べたことで、当時の気持ちを記憶が蘇り、同時期に観ていたアニメについても、同様の解説サイトを読み込んだ。

そんなことに興じていると、あっという間に硬さが取れた。

その上、何だか二度寝でもしたかのようなスッキリした気分になった。

なんでだろう…

当時は失業していたから、時間に余裕があり、家でダラダラとネットサーフィンをすることも少なくなかったのだが、やっていることは同じでも、時間の充実度が全然違うのだ。

こうして、緊張どころか、スッキリした気持ちで、面談に向かうことになった。

なお、結果は…

それはどうあれ、あの時感じた一瞬の安らぎは今でも忘れることが出来ない。

先週の面談は仕事を途中で切り上げての参加だったため、同じようなのんびりした時間を過ごすことは出来なかったが、駅の改札を出て、半年前と同じ道を歩いた時は、わずかながら、その時と同じ気持ちになった。

なお、今回の結果は…

それはまだ届いていない。

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