10年前の元日は無職でも希望に溢れていた

上京して以来、年末年始は映画ドラえもんのビデオを見て夜を明かし、初出社までは有り余る時間をダラダラとネットサーフィンに勤しむことが定番となっていたが、今年は一味違った。

その理由は何と言っても昨年の秋にテレビを購入したからである。

去年まではテレビがない生活を送っていたため、年末年始の雰囲気など微塵も感じることはなかったが、今年は特番も何本か視聴した。

10年前の元日

そんなテレビ番組の一つが、テレビ朝日で放送されたドラマ相棒である。

上京する前の私は毎年元日といえばこの番組の元旦スペシャルを見ることが恒例であり、今回改めて数えてみたら11年連続でその習慣を継続していた。

その番組も実に5年ぶりの視聴になった。

昨秋からレギュラーシリーズを見ているため徐々に馴染んではいるが、最初は登場人物が大幅に変更されていたり、悪役同然だった人物の人格が豹変して正義漢溢れるキャラになっていたりと驚くことがいくつもあって、5年のブランクを感じた。

今回の元日スペシャルは番組の中盤に大物政治家の自宅床下に金塊が隠されているシーンがあった。

今から10年前の2013年に放送された元日スペシャル(あの頃は水谷豊の相棒が成宮寛貴だった)でも、終盤に秘密の地下室に旧華族の財宝が隠されているシーンがあり、「地下室」と「秘密のお宝」いうキーワードでその時の話を思い出した。

そして、「今日はあの話が放送された日からちょうど10年か…」と感慨深くなった。

当時の私はこの記事で紹介したバックレ給料回収事件からおよそ1ヶ月経った頃で、まだ無職だった。

失業生活3ヶ月目に突入するということで若干の不安を抱えてはいたが、私は「マレーシアに留学する」という目標があったため、日々、前向きな気持ちで語学学習に精を出していた。

メインは英語だが、サブとしてマレー語と中国語も勉強しており、無職ということもあって、毎日3時間以上は費やしていた。

当然、相棒の元日スペシャルを見ていた201311日も例外ではなかった。

5年ぶりの視聴に加え、そんな過去を思い出すシーンもあり、仕事もお金もないが、目標に向かって突き進んでいたあの日のことを思い出した。

・不安はあるが期待もある

若かりし頃の記憶を思い出し、微笑ましくなったものの、同時に不安な気持ちも生まれた。

必死に目指していた留学は幻に終わったものの、10年経った今では、後に英語を使う仕事に就いたり、英語力も海外の友人とも何不自由なく意思疎通ができる程度に成長した。

だが、同時にどことなく寂しい気もしている。

昨年2月、私が英語を独学で学ぶと決意して丸10年を迎えたこともあり、当時の現状をお伝えする記事を書いた。

ここ数年は目標を失い、ほとんど英語学習ができていない。

一年経った今でもそれは変わらない。

一応、机に座り、本を開くことはあるが、「もうこの歳だし、今更こんなことをしてもなあ…」という気持ちに襲われ全く集中出来ず、すぐに他の事をやってしまう。

今の私が10年前のようなハツラツした気持ちで英語に打ち込むことはない。

はっきり言って、ここ数年は完全にオヤジ化している。

ただ、10年前だってすでに学校は卒業した歳だったため、学生時代は英語の成績が「1」だった私が留学どころか、独学で英語を勉強するなど無謀だと言われていた。

「そんな夢みたいなことを言ってないで、早くどこでもいいから正社員として就職しろ!!」としつこく圧力をかけられた。

それでも諦めなかった結果、そういう連中を少し見返すことはできたかなと思っている。

今でも、正しい目標を持ってスイッチが入れば、年齢に関係なく取り組めそうな気がするが、その気が起きない。

今から20年ほど前に韓流ブームが起きた時、いい歳をしたオバサンが「ヨン様と話した~い♪」とか言って必死に韓国語を勉強している様子をテレビで見たことがある。

当時の私は彼女たちを軽蔑していたが、今では「あの人たちは今の私にない情熱を持っていて、とても一途でひたむきな人たちだったんだなあ…」と考えが変わった。

私自身に話を戻すが、今年一年の目標など全くない。

それは語学学習だけでなく、仕事においても同じである。

しかし、10年前の2013年は留学こそ叶わなかったものの、懸命に資金稼ぎ等の準備に取り組んだ結果、別の形で満足な年にすることができた。

今年も同じように必死に生きれば、思わぬ形の幸せが舞い込んでくることもあるかもしれない。

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