英語の文法を身に着けるために使った本

英語学習では文法を学ぶことが不可欠であるが「文法はわかるということと、使いこなせるということは全く別のことである」とよく言われている。

この考えは正しいと思う。

たとえ文法の解説書を何冊読んでも、それだけでは決して、英文を読むことも、書くことも、聞くことも、話すこともできない。

かつての私がそうだった。

文法の知識として得たものを使いこなすためには、何度も反復して反射的に出てくるまで体に染み込ませなければならないが、この視点が完全に欠如していた。

おかげで、英語を勉強して1年以上経っても、読めない、書けない、聞けない、話せない状態だった。

・初心者におすすめできる本

そこから脱出するために私が使用して、他の人にもおすすめできるのがこの本である。

多くのブログで紹介されている本なので、多くの読者もご存じかもしれないが、これは中学生が習う単語と文法を使って、英語の文を作っていく本である。

本書の前書きにも書かれている通り「わかっている」を「できる」にすることがこの本の狙いであり、内容も

私も車を2台持っています。 I have two cars.

というような中学生が習うレベルの簡単な問題である。

これを見たら、この本は自分には簡単すぎると思うかもしれない。

では次の問題を答えてほしい。制限時間は3秒。(この時間は収録されているCDによるもの)

あなたはかばんの中に本を何冊持っていますか?

How many books do you have in your bag?

使っている単語も文の型も中学生レベルなのだが、このように疑問文となると単語の並べ方が変わるため、なかなか口からパッと出てこなくなる。

この本を何度か繰り返すと、中学校で習うレベルの文法の形が身に着くと思う。

注意点としては、著者も言及しているが、この本はあくまでトレーニングのために書かれたものであって実用例文集ではない。

だから、ここに書いてある英文を丸暗記しても、実際の会話で使用すると不自然になる文も多い。

この本と同じように短い英文を作ることで、文法を身に着ける本としては

ネイティブの「英会話が口からパッと出る」英作文トレーニング 西東社 ディビッド・セイン(著)

がある。

これは瞬間英作文と同じく、中学生が習う単語と文法を使って、英語の文章を作っていく形式だが、後半はI’d like to~やI’m not sure, but I think~などのネイティブの口語表現があり、ここが瞬間英作文と差別化を図っている点だと思う。

もう一点、違いがあるとしたら、CDの音声で日本語が読み上げられてから英語が読み上げられるまでの空白時間(問題を考えて答える時間)が瞬間英作文はおよそ3秒あるのに対して、こちらは2秒と少し短いこと。

このことを考慮して、使いやすい方を選んでほしい。

と書きたかったが、ネイティブの「英会話が口からパッと出る」英作文トレーニングはすでに品切れになっている。電子版で購入することもできるが、そちらはCDがないため購入するときは注意してほしい。

・瞬間英作文より上のレベルに行きたい人向けの本

森沢氏の瞬間英作文は好評なようで、問題をランダムに並べているシャッフル編や+αの文を追加したコンビネーション編などを加えた続編がいくつか出されている。

しかし、長い文章を作ったり、反射能力を鍛えるという点ではいいのかもしれないが、単語も文法も中学レベルにとどまっている。

そこから上のレベルである高校生が学ぶ文法を扱っている本は出されていない。

そこで、瞬間英作文をやり終えた人におすすめなのがこの本である。

会話できる英文法大特訓 妻鳥千鶴子(著)Jリサーチ出版

この本では高校生が学ぶ、仮定法過去完了や倒置、強調構文なども扱っている。

本の構成は瞬間英作文と同じく左のページに日本語の問題が書かれており、右側のページが英語の解答になっている。

一つのページで過去形、現在完了形などのテーマが区分けされている点も同じだが、amazonのレビューやこの本を紹介しているブログにも書かれている通り、瞬間英作文と比べると内容は少し難しい。

まず1から5までの文型から始まるのだが、これが結構難しく、いきなり

いいですか? Do you mind?

どうだっていいよ。 Who cares?

という問題が出てくるため、瞬間英作文のような感覚で解いていくと高い確率でつまずくと思う。

私も最初は散々だった上に

・どこへ行くのですか?

をWhere are you going to go?と予想したが、Where are you off to?が正解だった時にカッとなって、この本を捨てそうになったことを告白しておく。

基本は瞬間英作文と同じく、見出しに書かれている文法のテーマに沿った問題になっているが、この本はそのまま会話に使えるフレーズを使っているため

比較の最上級に収録されている

口は災いの元 The least said soonest mended.

など、確かに最上級を使っているけど、英文法の本として扱うようなものなのか疑問に思うものもいくつかある。

(そのまま会話で使えるのだから、いい面でもあるが・・・)

そのため、ある程度の暗記だと割り切ってフレーズごと覚える必要がある箇所も存在する。

暗記と言っても、すでに知っている4,5語の単語を組み合わせただけであり、新しい単語を覚えることに比べたら随分と簡単なことで、何度も紙に書いて覚える必要もない。

わからなかった所はチェックマークを入れておいて、勉強が終わった後に何度か読み返してみる。

それでもなかなか記憶できないときは小さなノート(もしくは紙切れ)に書いておき、仕事の合間や電車の待ち時間に何度も目を通すだけでいい。

そうすると2回目以降が楽になる。

単語についてはそこまで難しいものはなく、英検準2級の一次試験にさえ合格できなかった当時の私でも、この本で初めて目にした単語は

edgy:いらいらしている

showy:派手な

philanthropist:慈善家

くらいしかなかった。

・どのように進めて、何回繰り返せばいいのか?

どんどん話すための瞬間英作文トレーニングは記録をとっていなかったため、どのように進めて、何回復習したかは覚えていない。

一方で、会話できる英文法はページの空白部分に日付を書いていたので、その記録をたどってみると、私は10ページごとに進めることを基本にして、進展と復習を交互に行っていた。

これは瞬間英作文と違って、暗記に頼る部分も多いため、復習を怠るとすぐに忘れてしまうからである。

・1日目

Unit 1~10

・2日目

Unit11~20

・3日目

Unit1~20(復習)

・4日目

Unit21~30

・5日目

Unit11~30(復習)

・6日目(仕事は休み)

Unit31~40、Unit1~10(復習)

・7日目(仕事は休み)

Unit1~40(復習)

初めの1週間はこんな感じで、折り返し地点まで到達した。

ここから先は進めるごとに復習に費やす回数も増えるため、先に進むペースを落として、2週間かけてUnit80まで到達した。

後はひたすら復習して、すべてを20回ほど繰り返す。

個人差もあると思うが大体これくらいで、定着できると思う。

会話できる英文法に関しては何度も「暗記」という言葉を使ったが、基本は文法の知識を身に着けることにある。

また、問題のひとつひとつに解説も書いてあるため、何度か繰り返しているとコツがつかめると思う。

最初はつらいかもしれないが、最低でも英検2級、TOEIC600点以上の英語力がなければ手も足も出ないというような本ではないため、あきらめずに続けてほしい。

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(「会話できる英文法大特訓」を使っていた時の状況が書いてある)

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