中学3年生の時に英語の成績が「1」だった私が、独学で英語の勉強を始めたのは10年前である。
最初の3年間は、会話はおろか、中学校の授業で習うレベルの読み書きも全くできず、勉強にそれなりの時間を費やしているものの、人前で「僕は英語の勉強をしています!!」などとは恥ずかしくて言えなかった。
・3年目にコツをつかむ前
開始して4ヶ月後に、多くの小学生に混じって、受けた英検4級には辛うじて合格したものの、簡単な単語の穴埋め問題すら理解できたとは言い難く、ハッキリ言って「運よく」、もっと言えば「奇跡」で合格できたようなものである。
その後も停滞が続き、3年目になっても3級にすら不合格。
本気でそう悩んでいた。
そんな状態から脱出したのは、この記事で紹介した通り、英会話フレーズを口で言えるよう訓練したからである。
そのことによって、複数の単語をひとつの塊として捉えたり、文法の知識を体に染み込ませることができ、会話やリスニング、そして速読もできるようになった。
当時の心境はこの記事に書いている通り、「今の自分は成長している」という喜びよりも、「何でそれに気付くまで、3年もかかったんだろう…」という後悔だった。
だが、よくよく思い返すと、「フレーズを覚える」という勉強法の効果を実感したことは、以前もあった。
・試験対策のつもりではなかったが…
それが先ほども少し紹介した英検4級の試験を受けた時である。
試験前の私は単語や文法のような基礎を学ぶ傍ら、英検4級の受験に備えて、参考書や解説書も読んでいた。
しかし、それらの本が試験に役立ったとは言えなかった。
というのも、それらの本は学校の教科書のように、出題範囲の文法の知識を解説したり、「学んだことを基に、日本語の文章を英語に訳してみよう!」という内容であり、実際の試験問題とは大きく形式が違った。
そのため、試験当日、いきなり日本語が全くない英文の穴埋め問題を見た時は
「え!? こんな問題が出るの!!」
と驚いた。
そんな中、「これは確実に分かった!」と思う問題もあった。
だが、それは決して、試験対策の成果ではなかった。
当時の私は短期の販売職に就くために親元を離れ、都会で暮らす親戚宅に居候していた。
そこは私の出身地域ではけっこうな都会で、買い物客には外国人も少なくなかった。
機会があったら、彼らと英語を話したい。
そう思っていた私は試験勉強とは別に接客フレーズの暗記をしていた。
そこで覚えた
「What are you looking for?」
「Anything else?」
などのフレーズをリスニング問題で耳にして、
「お、これは買い物のシーンだな!」
とすぐに理解することができた。
私はこの時点で、チマチマと単語を一つずつ記憶したり、ダラダラと文法の解説に目を通すことよりも、まとまったフレーズを口から出せるように覚えることの方が、はるかに役立つことを分かっていたのだ。
それなのに、何で、その勉強法を取り入れるまでに、2年以上かかったんだろう…
当時は、「まずは完璧に読み書きができること、会話は二の次」という考えから、「英会話の勉強など邪道」と思い込んでいた。
しかし、結果的にそちらの方が、読み書きの能力も引き上げることができたのだ。
10年間という期間で見れば、そのうちの2,3年は大した遅れではないのかもしれないが、「もっと早く…」という気持ちは今でもある。