半年前、ロシアがウクライナ侵攻を開始した頃、このブログでロシア人数名の意見を紹介したことがある。
私とやり取りがあった人たちは皆、ロシアの軍事侵攻を非難し、ウクライナの人々を心配している慈悲深い人たちだった。
その中には登場しなかったが、過去にやり取りをしたロシア人で今でも忘れられない人物がいる。
・あなたにその権利はない
彼とは5年前の2017年にInterPalsで出会った。
当時の彼は25歳、自動車業界で働いていた。
彼とは簡単な身の上話をしただけで、関係も1ヶ月で消滅した。
そんな人は過去に何人もいたが、私が今に至るまで彼のことを忘れられないのは、やり取りを開始した直後のエピソードにある。
やり取りを始めて数日後、彼が私にこんなメッセージを送ってきた。
「何で、すぐに返事をくれないの?」
過去にこの記事で登場したメッセージの催促である。
例によって、彼はそれまでに自分のことを詳しく説明したことなどなかった。
典型的な「構ってちゃん」、もしくは「クレクレ野郎」である。
その時の私はすでに自分のスタンスを確立しており、そのような催促には毅然と対応することを決めていた。
もちろん、彼の要求も突き放した。
「プロフィールに書いている通り、いつメッセージを送るかは私が決める。あなたにそれを決める権利はない」
このような言い方をしたら、大抵の場合で、キレられるか、二度とメッセージを送って来なくなるかのどちらかだが、私はそれで構わないと思っている。
・見事なタイミング
しかし、彼の対応は違った。
彼は日本語でこんなメッセージを送ってきた。
「ごめん。あやまるよ」
え!?
自分の非を認めるの!?
しかも日本語で。
彼が日本語を使えることは全く知らなかった。
プロフィールには日本語の初級レベルにチェックが入っていたが、そんなことは自己申告に過ぎず、ましてや実際に使う人などそう多くない。
余談だが、先の参照記事の最初に登場したアメリカ人(クレクレ野郎)も、「日本語を勉強している」と言っていたが、私に日本語でメッセージを送ってきたことなど一度もなかった。
だが、彼は見事なタイミングで日本語を繰り出してきた。
分かってやっているのなら、相当な腕前である。
そこまで言われたら、こちらも言い過ぎたことを謝るしかない。
その後は1ヶ月でやり取りが終了し、彼は後にInterPalsを退会したため、今は連絡を取ることができない。
前段で述べた通り、催促メールを注意したら、ほとんどの場合は逆ギレされるが、彼だけは全く対応が違った。
そのため、今でも私の記憶に残っている。
30歳になったであろう今の彼はどうしているだろうか?
それは分からないが、私が聞き取りをしたロシア人と同様に、戦争に反対して、ウクライナの人々を心配していることだろう。
そんな確信がある。