・日本人なんだから、あれもできるでしょう?
先週、InterPalsでインド人女性からメッセージが送られてきた。
内容は「Hello, nice to meet you」というようなごく普通のものだったが、彼女のプロフィールを見たら、溜息をついてしまった。
翌々日、今度はHi Penpal!でオーストラリア人の女性からメッセージが送られてきた。
メッセージを確認すると、それは2日前に先のインド人女性がプロフィールに書いていることとほとんど同じ内容だった。
私は彼女たちへの返信で、ひと先ずお礼を言ったものの、すぐさま、この事実を伝えた。
「だけど、私は日本人だから、韓国語は全く話せません」
そう。
彼女たちは韓国の文化に興味があり、韓国語の勉強も兼ねた相手を探していたのである。
そして、「日本人も韓国語を話せるだろう」と思い込んで、私にメールを送ってきたのだ。
実はこのようなメールが送られてくることは初めてではない。
今回のように立て続けに送られてきたケースは多くないが、多分、これまでに10回以上はあった。
しかも、北欧や、南米のように、極東から遠く離れた国だけでなく、タイ、インドネシア、フィリピンといった同じアジア圏の国の人からも、送られてくる。
ひどいケースだと、いきなりハングル文字でメッセージが送られてくることも。(余談だが、何年も付き合いがあり、かなり親日的なタイ人でさえ、私に韓国語が書かれた画像を送ってきて、「何て書いてあるか教えて?」と言ってきたことがある)
彼らが「日本人だから韓国語を話せる」と思っている理由は不明である。
悪気は一切なく、ただ「そういうものだろう」という位の認識だろうが…
よくテレビや、ネットでは「日本人は海外からこんな風に思われている」というような番組や記事を目にする。
彼らは自分たちが、世界からどう思われているのか気になってしょうがないようだが、私の経験から言わせてもらうと、海外の人が日本人に抱いているイメージで最も多いものは、この「日本人だから韓国語を話せる(はず)」である。
清々しい程の誤解だけど…
というか、彼らは日本と韓国の区別が付いているのかも怪しい。
いっそのこと、プロフィールに「私は韓国人じゃないから、韓国語で話しかけないで!」と書こうと思ったが、さすがにそれは韓国の人に失礼だと思うので自粛している。
・むしろ、こちらの方が近いのでは?
他方、オフラインでは全く別の傾向が見られる。
私は海外旅行へ出かけた時に中国人と間違われたことが何度かあった。
たとえば、マレーシアに出かけた時は、空港で来客を迎えに来たと思われる現地の男性から「你 是不是 中国人?(あなたは中国人ですか?)」と声を掛けられたことがあり、フィリピンの語学学校に通っていた時は、近所のスーパーの入口で手荷物検査を行っていた警備員からいつも「谢谢(ありがとう)」と言われていた。
だが、オンライン上でのやり取りでは、中国人と間違われたことも、「日本人だから中国語を話せる」と思われたことは一度もない。
中国語は漢字を使っており、韓国語よりも、日本語に似ているから、そっちの方が混同しそうな気がするが…
それどころか、日本語と中国語は全く別物と思われていることが多い。(当たり前の話だけど)
たとえば、今でも付き合いがあるアメリカ人は、中国語を勉強しており、出会って間もない頃、「僕は中国語ならできるけど、日本語は全く分からない」と言ってきたのが印象的だった。
同じように、プロフィールの語学の項目に、中国語のチェックが入っていても、日本人の私に中国語でメッセージを送ってくる人は一人もいない。
ネット上では、日本と韓国の区別が付かない人が多いが、日本と中国を混同している人に全く出会わない。
全く不思議な話である。