先月、アメリカ人男性からこんなことを言われた。
またか…
過去にこのブログで何度も取り上げたように、「日本人女性と付き合いたい!!」と思っている外国人男性は珍しくない。
彼らは口を揃えて「日本人は優しい」と表現している。
しかし、その言葉には「(母国の女性から見向きもされない自分に対しても)優しい」という劣等感に塗れた本音が隠れている。
彼らの大半は(本人が自覚しているかは別にして)「女は分をわきまえて男を立てるもの」という封建主義的な考えがあり、自国の女性に欠如している「女らしさ」を持っていて、絶対に自分の存在を脅かすことのない日本人女性を好んでいる。
私はそのようなクズ男をこれまで何十人も見てきた。
・日本人のことはよく分からない
彼もそのような類の人間なのだろう。
そう思って、カマをかけてみた。
早川:「あなたは日本人女性のどんなところが好きなのですか?」
アメリカ人男性:「よく分からない」
あれ?
何だか予想していた答えと違うぞ。
早川:「それでは、なぜ日本人と付き合いたいと思ったのですか?」
アメリカ人男性:「あなたが日本人だから」
え!?
あなたが日本人だから?…
もしかして、この人は私のことを女性だと勘違いしているのか?
早川:「意味がよく分からないのですが…」
アメリカ人男性:「OK. 私はアメリカの女と付き合いたくないのです。だから、日本の女性はどんな人たちなのかを知りたいのです」
早川:「ということは、あなたは『どうしても、日本人と付き合い!』と思っているのではなく、『アメリカ以外の国の人と付き合いたい』ということですか?」
アメリカ人男性:「Exactly.(その通り)」
なるほど。
彼はダメな自分にも従順な日本人女性が大好きなのではなく、外国人であれば、中国人でもフランス人でもよかったのである。
そして、私が日本人だから「日本の女性はどんな人なのか?」と聞いていたに過ぎなかった。
その点はこれまでのクズ男たちと違った。
だとしたら、なぜ彼は自国の女性を避けるのだろうか?
私はそれが気になった。
・予期せぬ後遺症
彼はこれまで一度もアメリカ人女性と付き合ったことがない。
恋人どころか、幼馴染を除いて同性の友人もいないようである。
彼はハイスクール(日本でいうところの中学校なのか、高校なのかは不明)の時に不登校となった。
その後、大学は卒業したため、不登校の経験が学歴としてハンデになっているわけではない。
ただし、その傷跡は今でも彼の心に影を落としている。
決して、ひどいいじめにあったとか、不登校が原因で家族との関係が壊れたというような大きな傷を負ったわけではない。
オンライン授業など周囲のサポートも万全だったし、地元の友人と良好な関係を保つこともできた。
彼は学校へ通わなかったことを後悔したこともない。
ただ、その時の経験が思いもしなかった場面で彼にダメージを与えることとなった。
アメリカの学校では日本と同様に運動部に所属し、スポーツに励むことが推奨される。
また、卒業時に行われるプロム・パーティーはどの学校でも一大イベントとして位置づけられている。
日本以上の格差社会であり、多様な価値観が入り乱れているアメリカでは、階層を超えて通じ合える数少ない話題がこのような学生時代の話である。
というわけで、「学生時代はどんな部活をしていたの?」とか「プロム・パーティーの写真を見せてよ!」という質問はどこへ行っても聞かれることになる。(ちなみに通っていた学校名を聞かれることは滅多にないらしい)
学生時代にこれらを経験していない彼はその度に、「いや実は…」と自身の不登校経験をカミングアウトしなければならない。
職場の付き合いでは適当に誤魔化しているが、恋人や親友のような関係では欺き通すことが難しい。
彼はそのことを隠したくて、自国の人と親密な関係を築くことを避けているのである。
一方で、(アメリカ人である彼から見て)海外の人は学生時代の部活やプロム・パーティーの話を聞くことはないし、たとえその経験がないことを告白しても、そのことに対する偏見は大きくない。
それが、海外の人と(のみ)親しくなりたいと思う理由である。
・黒歴史のリセット願望
以前の記事で「MGTOW(ミグタウ)」や「インセル」といったアメリカの非モテ男の女性嫌悪を取り上げたことがある。
彼はそのような「女性嫌悪主義者(ミソジニスト)」とは言えない。
彼らは絶対に自分に楯突かず従順な日本人女性を好むのだが、彼には(少なくとも私とのやり取りにおいては)そのような傲慢さは見受けられない。
自分のトラウマを告白できたことも、そのことを正面から受け止めていることの表れである。
私は、彼は自国の人を「嫌っている」のではなく「怖がっている」のだと思う。
ただ、それが自国の人から逃避し、外国人とのみ付き合う理由となるのかは疑問である。
実際に、私は彼の不登校コンプレックスを聞いた時は「じゃあ、同じ不登校経験の人と付き合えばよくない?」と言いたくなった。
彼のこじらせ具合はライトな方だが、自国での生活が上手くいっておらず、自身の黒歴史をリセットする目的で「(自分のコンプレックスに気が付かないであろう)海外の人と付き合いたい」と考えていることは「日本人大好き男」と根は同じである。
私は「自分の国が嫌い」という目的で、海外へ出たり、海外の人と友達になりたいと思うことは否定しない。
かくいう私も「日本的」と呼ばれる働き方をすることなど「死んでも嫌だ!」と思い、海外へ脱出することを計画していた人間である。
だが、男女としての交際や結婚となれば話が別である。
結婚や恋愛とは一対一の関係であり、どれだけ、綺麗事を並べても、そこには相手の独占や拘束が伴う。(複数の関係を許容するのであればその限りではないが)
それを「自分は同じ国の人から相手にされないから」などというネガティブな感情で行えば、必ず綻びが出てくる。
ちなみに、私のブログがヒットする検索ワードに「外国人と付き合いたい」、「日本人がモテる国」、「日本人女性 人気」といったものが多く含まれていることから分かるように、「外国人と付き合いたい!」と考えている日本人が多くいることは間違いないようである。
そのため、需要と供給の両方は存在していることになる。
もしかしたら、あなたがそうなのかもしれない。
だけど、悪いことは言わないから、そんな相手と付き合うのはお止めさない。
黒歴史を隠す目的で「外国人と付き合いたい」という考えがどれほど愚かなのかは視点を逆にして見ればわかる。
私のように30前後の年齢で非正規の仕事をしている日本人男性が、自分に恋人ができないことに拗ねて、こんな発言をしたとしよう。
「日本の女は俺が正社員じゃないという理由だけで差別するが、海外の女性は非正規労働者への偏見がない!」
「その上、男女共働きが基本だから男の経済力に依存しようなどと考えていない!」
「だから、日本の女よりも海外の人と付き合いたい!」
あなたはこれを聞いたらどう思うだろうか?
そんな人間でも外国人であれば付き合いたいと思うだろうか?
ほとんどの人は「だったら、まずは正社員になればいいじゃないか!!」と一喝したい気分になるだろう。
自国の生活でのコンプレックスから逃れるために、海外の人と付き合いたいと願う人などこのようなものである。
今日の記事では「不登校」という話題が出てきた。
次回は反対に「皆勤賞」についての話をしようと思う。