ついにテレビを買いました

今年の6月にこんな記事を書いた。

私は上京して以降、5年ほどテレビがない生活を送っている。

テレビを見なくても特に困ったことはないが、かつてつらい思いをした際にテレビに救われた時のことや、何も考えずにテレビを流すだけでも十分リラックスできたことをたまに思い出す。

そんなことを思ってか、最近は「やっぱりテレビが必要かも…」と考えるようになった。

そして、ついに…

テレビを購入した。

・今年こそは!!

「テレビが欲しいなあ~」という漠然とした憧れから、「購入しよう!!」という決意へ変わったのは、先の記事でも触れた「日本シリーズを見たい!!」と思ったからである。

野球に興味がない人向けに簡単に説明しよう。

日本のプロ野球は2リーグに分かれ、およそ半年の間、6チーム同士で優勝を争う。

すべての日程が終了した後、両リーグの上位3チームで「クライマックスシリーズ」というトーナメント戦を行い、そこを勝ち抜いた両リーグの代表チームが対決し、日本一を決める。

この最終決戦が「日本シリーズ」である。

クライマックスシリーズまではリーグ戦なので年間契約しているネット配信で視聴できるが、日本シリーズは配信の対象外である。

すべての試合は何らかのチャンネルで配信されているが、どのチャンネルがカバーするのかは一戦ごとに異なるため、どこか一つのチャンネルと契約しても、全7試合を見ることはできない。

一方で、テレビであれば(過去にわずかながら例外もあったが)全試合が地上波で放送される。

上京後数年は毎年同じチームが一方的に勝ち続けるシリーズが続いたため、あまり熱を入れて、「どうしても試合が見たい!!」とは思わなかったが、昨年は久々に登場するチーム同士の顔合わせに加え、近年稀に見る接戦だったため、ネットの一球速報で試合展開を確認し、試合後にYouTubeでダイジェストや解説動画を見ていた。

かろうじて、情報は入って来たものの、その時はリアルタイムで試合を見ることができない歯がゆさを感じて、上京後初めて「テレビがあれば…」と思った。

あれから1年。

今年も日本シリーズの季節がやって来た。

対戦カードは昨年と同じ「東京ヤクルトスワローズ vs オリックスバファローズ」となり、「去年のようなことはゴメンなので、これはもうテレビを買って観戦するしかない!!」と思い立った。

・数年ぶりに見るアニメ

日本シリーズ進出チーム決定後、私は大手家電量販店のネットの通販でテレビを探すことにした。

今さら昔のようにテレビがガッツリと生活の一部になることは考え難く、またテレビを置けるスペースなどなく、ノートパソコンよりも小さいサイズのポータブル式を購入することにした。

お値段はおよそ15千円。

サイトのレビューや個人ブログを読む限り機能面は値段相応であるようだが、今回の目的はあくまでも日本シリーズを観戦することであるため、そこまで高望みはしない。

リビングでリラックスしながら見ることはできなくても、職場の休憩所に従業員の時間潰しのために置いてある程度のスペックでも構わない。

注文後の取り寄せとなったため、試合開始日までに間に合うかが心配だったが、何とか第1戦が始まる1022日の正午頃に届いた。

新規購入したテレビの設定はこれまでに経験があるため、そこまで扱いが難しいわけではなかったが、ポータブル式は初めてなので、扱いには少し戸惑った。

チャンネルの初期設定を行った後は、どの放送局がどのチャンネルに割り当てられているかの確認を行うことにした。

東京でテレビを見ることは初めてで、地元に住んでいた時とはチャンネルが大きく異なるため、最初は違和感があった。

試合が始まるまではそんな思いで、適当にチャンネルを動かしていると偶然にも有名テレビアニメが放送されていた。

子どもの頃は毎週見ていた番組で、実家に住んでいた時も暇があればたまに見ていた。

そんなお馴染みのアニメすら、およそ5年ぶりの視聴となる。

ちなみに、以前は放送時間が違ったため、まさかこんな時間に放送されているとは全く想像していなかった。

それから、主要キャラの声優が変わっていた。

ネットでは聞いていたが、実際に番組を見ることがなかったため、すっかり忘れていた。

慣れ親しんだ番組でも、数年間見なかったらこんなにも新鮮に感じるのか…

自分が長い間、テレビに触れていなかったことを実感した。

・昔と同じではないけれど

テレビを購入した目的であった日本シリーズは、今年も昨年同様に接戦が続き、第7戦まで縺れた結果、昨年は敗れたオリックスが勝利した。

平日は試合開始までに帰宅できなかったため、途中参加になった試合もあったが、ほぼほぼ目を通すことができて大変満足した。

それだけでも、今回購入したテレビは使命を果たしてくれたことになる。

その後の話であるが、残念ながら、現状では私の生活でテレビが上京前と同じくらい大きなウエイトを占めるまでにはいたっていない。

番組表のチェックが一局ずつしかできなかったり、前段で説明した通り録画に向いていないため、「面白そうな番組はないか?」と探す動機が起きず、「今日はテレビを見るぞ!!」と感じるのは、週2回お気に入りの番組を見る程度にとどまっている。

それに騒音の問題もある。

今までテレビの音が存在しないことが当たり前だった暮らしの中で、突然、私の部屋から毎日テレビの音量が聞こえてきたら、隣の部屋の住民はどう思うだろうか?

それを考えると、「毎日テレビをつけてリラックスしよう」という気にはなれない。

それでも、今ではテレビが生活の一部になっていることは事実である。

たとえば、出勤前は毎朝、準備をしたり、朝食を取りながら情報番組を見ている。

ニュースそのものに関心があるわけではないが、そのおかげで毎日ネットで天気をチェックする必要はなくなり(今の勤務地は住まいから少し離れているため、ネットでは自宅と職場の両方を確認していた)、電車の遅延も確認できるようになった。

また、前日もしくは出勤前に見たテレビの内容を同僚が話している様子を聞いていると、「自分も誰かと繋がれている」という安心感のようなものを持つことができる。

これはネット動画を見ていた時には感じることがなかった気持ちで、ちょっとした心の安らぎすら感じている。

上京して以来先月まで、情報の9割以上はパソコンから取り入れていた。

そのことでパソコンにかなりの負担を強いてしまい、前回使用していた物よりも劣化が2年ほど早い気がする。

遅からず、買い替えになることは間違いないだろうが、今後はテレビを多く取り入れることで、パソコンを休ませながら、少しでも寿命を延ばせたらと思っている。

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