成人式の日の戦い

明日19日は成人の日。

というわけで、今日は私の成人式の話でもしようと思う。

・意外と参加する人が多くて驚いた

私が成人式に招待されたのは今からもう10年以上前である。

妙な言い回しに違和感があった人もいるかもしれないが、私は式に招待こそされたものの参加したわけではない。

理由はこの記事にも書いた通り、中学生の時の同級生に卒業後も顔を合わせたくない嫌いな人物が複数いるためである。

ちょうどその頃は、高校卒業によく一緒に遊んでいたマサルとカンダ(共に仮名)という2人友人と疎遠になって3ヶ月経っており、彼らとの再会を目的に参加することも考えたが、当時は「きっとまたすぐに会えるだろう…」という楽観的な思いから見送ることにした。

このように、私にとっては成人式など同窓会に毛が生えた程度の認識でしかない。

むしろ、他の人が成人式のことを「一生に一度の晴れ舞台!!」みたい神聖化していることの方が不思議だった。

たしかに、成人式は結婚式とは違い、主役になれるのは一生に一度と決まっているが…

式には参加しなかったものの、小学4年生の時に「成人式の日に…」と約束していたタイムカプセルを回収するために、元担任教師のS氏(仮名)を訪問したのだが、その際に彼女から、式に不参加だったのは私を含めて3人だったと言われた。(その時の話はこちらの記事でも登場)

その際には他の2人の名前も教えてもらった。

正確には思い出せないが、たしかクラスメートは28人だったから、そこから3人を除いた25人も参加していたと知った時は少々驚いた。

その中には同級生とほとんど口を利かない陰キャもいれば、後に不登校になったり、高校を中退した人もいたのである。

そんな人たちでも「成人式に参加したい!!」と思っていたのか…

私がその立場なら、嫌でしょうがないと思うが…

・最悪な形での遭遇

当時の私は販売の仕事に就いており、式の日もシフトを入れていた。

だが、「通常通り仕事に取り組んでいた」わけではなかった。

式の数ヶ月前、式を終えた後に二次会として、小学校6年生の時のクラスで同窓会を行うとの情報を得ていた。

その頃はまだ頻繁に会っていたマサル宛に、当時クラスの中心的存在だった人物からメールが送られてきて、そこで同窓会の話と、会を計画している彼女が私の連絡先を探していることを知った。

小学校の同級生であれば、中学の時のような嫌な奴(たとえばゲス君とか)はいないし、「そのような同窓会であれば参加してもいいかな」と一瞬思った。

しかし、すぐに我に戻った。

6年生の時のクラスといえば、担任教師がこの記事で紹介した今でも会いたくない人物の一人(通称:「バカ殿」)である。

そんな人間と顔を合わせることなど死んでも御免蒙るため、小学校の同窓会への参加も拒否することにした。

マサルとはその後すぐに連絡が途絶えたため、式の後の同窓会がいつ・どこで行われるのかは全く知らなかった。

だが、式の一週間程前から、急に同窓会のことがどうしても気になった。

というのも、小学生の時にバカ殿が打ち上げなどで好んで利用していた店が、私が働いていた店のすぐ近くであり、そこで同窓会を行われる姿が頭に浮かんだから。

式は昼頃に終わる予定だから、同窓会も私が店にいる時間帯である昼間から夕方にかけて行われるだろう。

その行き帰りにバッタリと職場で出くわしたら…

自分が働いている店で打ち上げをやるわけではないとはいえ、仕事中の私が、友人とつるんだ彼らと鉢合わせをしたら気まずくてしょうがない。

しかも、バカ殿は不登校の児童を引き出すために、近所に住む同級生を(手駒として)自宅に送り込むなどしていた過去もある。(あんたの度が過ぎたしつこさが不登校の原因じゃないんか!?)

式に参加しなかった私の居場所を特定したら、同級生を引き連れて店を訪れる可能性も決して被害妄想とは言えない。

当時の私は親のコネで働いていた身であり、そんな姿を同級生に見られるなど恥ずかしくてしょうがない。

今思い返すと、前もって私もその日を休みにしておくべきだったが、気付いた時にはすでにシフト表が作成されており、同僚にも自身の子どもが式に参加するために休みを取っていた人がいたため、今さら「変更して欲しい」とは言えなかった。

・当日の様子

成人式当日、私は同級生と最悪な形で再会することに怯えながら働くことになった。

式が行われているであろう午前中は安心して仕事に取り組むことができた。

問題は午後である。

午後の勤務時間を少しでも減らすため、私は意図的に休憩に入る時間を遅らせた。

休憩から戻ったのは午後130分。

ここから仕事終わりの午後5時までの3時間半、何としても彼らに出くわさないようやり過ごさなければいけない。

不幸中の幸いだったのは、私の業務は販売職であっても、バックヤードで加工業務を行うことが多く、そこは店内から完全に視界が遮断されていたこと。

そこでの作業に多くの時間を費やせば、少しでも店内で彼らに遭遇する機会へ減らすことができる。

普段はつらい真冬の寒い日に手を水槽に突っ込むという業務もその日は自分から申し出た。

午後の業務が始まってすぐの時間は、式の帰り道に立ち寄ることを想定して、袴や振袖のような成人式と結びつく格好の人物を警戒していた。

このような服装をしているのであれば、こちらも判別しやすくて助かる。

厄介なのは夕方の時間帯に、着替えて普段着になった彼らと遭遇すること。

そんな格好をされたら、袴や振袖と違い、遠くから判別ができないため、相手から気付かれる前に、バックヤードに撤収することが難しくなる。

ちなみに、私が住んでいた町は隣町と合併して以降、成人式は地元と隣町で交互に隔年ごと行われていた。

もし、隣町で行われていたら、少し気が楽だったかもしれないが、その年は残念ながら私の地元の方だった。

隣町との綱引きに勝ったことをこんなに呪ったことなど、もちろんこの時だけである。

勤務時間も残り1時間となった午後4時過ぎ。

ここまで同級生と思われる人物は確認できなかったことに安心したが、同時に少しだけ同窓会のことも気になった。

会はもう始まったのだろうか?

そもそも、本当に私が警戒していた店の近所で行われていたのだろうか?

そして、彼らは式も会も欠席した私の事を話題にしているのだろうか?

あれだけ「会いたくない!!」と思っていたのに、気付いたら会のことが気になってしょうがなくなっていた。

午後5時。

私の退勤の時間となった。

数日前から怯えていた、職場での元同級生との再会は無事に避けることができた。

・天気以外も当てた天気予報

仕事から帰った後、私は元同級生のマサルに電話をかけた。

4年生の時のタイムカプセルのことはもちろんのこと、同窓会のことも知りたかったから。

彼は同窓会には参加しなかったようだが、場所は聞かされていた。

その結果、会は私が想像していた職場の近くとは全然違う場所で行われていたようである。

通りで彼らが職場に来なかったわけだ。

この数日の怯えは完全に私の取り越し苦労だった。

何はともあれ、平和な日常を乱されずに済んでよかった。

ちなみに、「学生時代の同窓会には参加するつもりはない」と宣言している私であるが、この時以降、同窓会の招待状など一切送られてきていない。(厳密に言えば、この時も招待はされていなかったが…)

これが私にとっての成人式の日のエピソードである。

式に参加しなかったものの、思い出はちゃんと残っている。

式の前日は、バックレた職場に給料を回収に向かう前日ほどではないものの、少し緊張して気が立っていた。

そんな時、一瞬だけ緊張が解けて、思わず笑ってしまう出来事があった。

テレビで翌日の天気予報を見ていると、アナウンサーがこんなことを言った。

天気予報:「東北から関東にかけては晴れ間が広がりそうですが、西日本や九州では広い範囲で荒れ模様の成人式になりそうです」

当時、西日本の地元に住んでいた私はこの言い方に思わず笑ってしまった。

「荒れ模様の成人式」というのは天気ではなく、別のことを予測しているように聞こえたから。

案の定、地元のニュースでは式で暴れる新成人の様子が報道された。

その天気予報は見事に的中した。

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