外国人の同僚と一緒に働いて驚いたこと2022

・外国人の同僚たち

今年も派遣の仕事を転々とする生活を送っていたが、勤務先には外資系の会社もあり、同僚には多くの外国人がいた。

同じ部署で働いていたのは主に東アジアの出身者だが、他の部署にはインドやドイツ、オランダなど様々な国の出身者がいた。

よくよく思い返すと外国人が同僚となるのはこの記事以来3年ぶりとなる。

今日はそんな外国出身の同僚と共に働いて気付いたことを3つ紹介したい。

・①:中国人と日本語で会話をする中国人

私が就業していた部署には比較的大所帯の派遣社員がおり、その中の2人が中国出身の女性だった。

私は彼女たちから仕事を教わることも多かったのだが、2人とも私が「外国人と会話をしている」ということを全く意識しない程、日本語がペラペラだった。

そのため、仕事を教わる時は何不自由することはなかったものの、その職場はこの記事で触れた通り、人によって進め方が全く違うことが多かった。

私は後々問題になることが嫌なので、他の人とは違う教え方をされた時は「○○さんからこう教わりましたが、そのやり方では何か問題ありますか?」というようにその場ですぐに確認することにしている。

大半は「別にそのやり方でも問題ないので、やり易い方で大丈夫です」と言われるのだが、たまに「え!? そのやり方では…」ということも起こる。

そのような場合は当事者同士に直接議論してもらうのだが、その対象者が先ほどの2人の中国人女性になることがあった。

彼女たちは日本人の私に対しては日本語で話をしているが、中国人同士だから母国語である中国語で会話をするのだろう。

私もかつて中国語を勉強していたことがあるとはいえ、それは到底職場での会話を聞き取れるレベルではない。

2人が中国語で会話をしている間、私はどんな顔をして待っていればいいんだろう?

そう思っていたが…

彼女たちは日本語で議論をしていた。

日本の職場とはいえ、中国人同士が日本語で会話をするという不思議な光景が見られた。

私は外国で働いた経験などないが、仮に同じ状況で日本人と会話することになったら、間違いなく日本語を選択するだろう。

外国で働くということは、そのような局面でも、「母国語に甘えることなく現地の言葉で会話をする」という覚悟がないとできないことなのだろうか…

その意志の強さには感服する。

もっとも、中国は国土が広く、地域によって言葉も大きく異なるため、彼女たちの母国語が異なっていたから日本語で会話をしていた可能性もある。

もしくは、中国語が分からない私でも話を理解できるよう配慮したとか。

以前働いていた職場のアメリカ人スタッフはろくに日本語を話せないことが珍しくなく、同郷同士であれば間違いなく英語で話をしていた。

彼女たちが休憩中に雑談する様子は一度も目にしなかったため、真相は不明であるが、あの時、私の前で繰り広げられた不思議な光景は今でも忘れられない。

・②:日本語でメモを取る香港人

続いても先ほど紹介した職場での出来事。

私がその職場を退職する際の、後任者への引継ぎ期間はわずか一週間だった。

そのため、かなり雑な引継ぎになってしまうことが予想されたのだが、私は仕事を教えてくれたスーパー派遣社員のヤスダ(仮名)の手法を少しでも取り入れ、本人が仕事を覚えることに専念できるよう、仕事を教えながら注意点を手書きでメモしていた。

これで、後任者である彼女も仕事を覚え易いはず。

と思っていたのだが、その最中に重大なことに気付いた。

今私が仕事を教えているのは香港の出身者である。

しかも、聞き取りは問題なく出来ているようだが、先ほどの2人の中国人と違い、話し方はかなり拙い。

勤務初日の自己紹介の際の上司の反応を見ると、面談の時にも日本語の能力を不安視するやり取りがあったことが伺えた。

そんな人に私が書いた日本語のメモなど役に立つのだろうか?

だったら、彼女自身が広東語なのかな、母国語でメモを取る時間を確保しながら進めるべきではないのか?

もしも、私が英語圏の国で働くとして、日本語でメモを取る時間を与えられずに「必要なことは俺が英語で書いてやっているから、先に行くぞ!!」と言われたら間違いなく「何なんだこいつは!?」と拗ねるだろう。

そんな心配をしていたが、私は彼女が独自に書いたメモを見て驚いた。

彼女は自分に必要な情報を外国語である日本語でメモしていた。

私が同じ立場であれば、これまた間違いなく日本語でメモを取るだろう。

彼女は見た目や喋り方の幼さとは対照的に「日本で働く!!」という強い意志を持っている女性だった。

ちなみに、私は彼女と一週間しか働かなかったが、それでもかなり優秀な人だった。(その一端はこの記事でも登場)

彼女に仕事を教えている時に、業務内容の説明はしたものの、普段は英語で送られてくる文書ファイルがその時はたまたま中国語だったため、「ちょっとこれだけでは内容が確認できないですね…」という局面に出くわしたことがある。

すると、彼女から「だけど、ここに~って書いてあるから、さっき説明された通りで良いと思います」と言われ、度肝を抜かされた。

ちなみに、その文章は簡体字の中国語で書かれていたため、香港の公用語である繁体字とは異なる。

彼女は中国語(北京語)も出来るのだろうか?

香港出身ということで広東語がネイティブで、英語も話せるだろうから、そこに日本語も加えると使用可能言語は4ヶ国語になる。

3ヶ国語を話せる人のことを「Trilingual(トライリンガル) 」というが、彼女はさらに上の4ヶ国語である。

今まで知らなかったが、そのような人は「Quadrilingual(クァドリンガル)」と呼ぶらしい。

「4カ国語」「5カ国語」は英語でなんて言う? | KOTANGLISH | 日本ワーキングホリデー協会

それ程までに優秀な彼女にとって、私の心配など大きなお世話だったのかもしれない。

・③:中国人から見た日本の家族とは?

最後は私が直接関わったわけではないが、外国の人の視点を垣間見た出来事。

私の隣の席の女性(日本人、正社員)が転職活動をしていたのだが、彼女は就学前の子どもがおり、時短勤務可能な仕事を探していた。

だが、正社員の転職活動では時短勤務の職場がなかなか見つからない。

時短勤務が難しいようであれば、延長保育が可能な保育所に子どもを預けることも検討しているが、子どもの年齢を考えると、まだ出来るだけ長い時間一緒に居てあげたい。

休憩中にそんな話をしていた相手が前々段で登場した中国人女性の一人だった。

彼女は転職活動に苦戦している同僚に同情しつつも、自分の考えを述べた。

「私が日本の人を見て感じるのは、お母さんたちは皆頑張り過ぎ」

「中国だったら、子どもの面倒はお爺さんやお婆さんとか親戚の人が見る」

「だから、お母さんも安心してお父さんと同じくらい外で働いている」

「『保育所が足りない』っていう話も、両親を頼ることができないからことが原因だと思う」

それを聞いた私は思った。

その視点って、それはこのブログでも取り上げた「大企業型」と「地元型」の違いそのものじゃねえ?(詳しくはこちら

地方出身で「大企業型」の秩序も倫理も人生観も持っていない私も彼女の意見に同感で、「両親なり、親戚を頼ればいいんじゃないの?」と思ってしまう。

自分たちで行動を制約しておきながら、「しんどい!! つらい!! 大変だ!!」と言われてもねえ…

まあ、当事者が「親(特に義理の)と同居なんて死んでも嫌だ!!」という排他的な家族にこだわるのならどうしようもないが…

もっとも、彼女の視点では「日本=東京」であり、日本人である私が自分と近しい価値観を有しているとは思っていないのかもしれないけど。

ちなみに、彼女は上海の出身である。

私はマレーシアへ行く際にトランジットで一度訪れたことがあるだけが、かなりの都市部だった。

そんな大都市であっても、彼女は日本の大企業型の家族ではなく、地元型の家族で育ったのだろうか?

それが気になったが、聞くことはなかった。

今の私は典型的な日本企業で働いており、スーツ着用必須や朝のラジオ体操への参加こそないものの、同僚に外国人はいない。

平和であるが、毎日の刺激もない。

もう一度、英語を活かす機会などなくても、外国出身者と一緒に働いて、「彼らの視点から何らかの発見ができたらいいな」と密かに思っている。

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