あなたはいつも定時で退社できているだろうか?
仕事が残っているから残業せざるを得ないことは仕方ないかもしれないが、「上司や同僚が残っている中で、自分だけが先に帰ることは気まずい」という理由で理由もなく会社に残っている人もいるのではないだろうか?
・社会人は準備が命
今の私はオフィスで働いているが、始業と終了の時刻にはまるで学校や工場のようにチャイムが鳴る。
あなたも学生時代に教師から何度も言われたかもしれないが、始業時刻のチャイムは授業が始まる時間を知らせるものであり、準備はその前に済ませておかなくてはならない。
私は今もこの教えを守り、チャイムと同時に業務を開始できるように準備しているのだが、同じくらい大切にしていることがある。
それは、帰りも同様に、5分ほど前から退社の準備をして、1分前からカウントダウンを始め、チャイムが鳴ると同時にパソコンをシャットダウンして、「お先に失礼します!!」と言って、即座に退社することである。
社会人たるもの時間厳守とそのための準備の徹底は当然ですな。
とはいうものの、勤務時間が私と同じ時刻の人でも、ここまで退社時間を守っているのは私だけのようである。
聞いた話では、残業をしない人でも、定時から5分ほど経ってから退社しているようである。
まあ、そんなこと私には関係のない話だが…
・定時退社はスタートダッシュが肝心
昨年4月に、「定時退社したい」と思っているけれどもそれができない人へ向けた記事を書いた。
周囲が残業している中でも定時で帰るというのは気が引けるかもしれないが、多くの人は「誰はいつも定時で帰りやがる!!」などと気にしていない。
しかし、たとえ、「定時で帰っていい」と言われたとしても、それができない人がいるようである。
もしかしたら、あなたがそうなのかもしれない。
ここで、私流の定時退社のコツをお教えしよう。
それは働き始めた時にこそ定時退社を断行することである。
就業開始直後は指導係や同じ部署の人が気を利かせて、十中八九
と言ってくる。
この時に、「そう言われても、仕事を覚えて一人前と認められるまでは…」と躊躇してはいけない。
人間は慣れるもので、一度でも「この人は残業をする人だ」と思われたら、それが当たり前になり、そこから改めて定時退社が標準とみなされるためには、子どもの世話や親の介護など本人の努力ではどうにもならない力に頼り、「それなら仕方ないなあ」と思われる以外の方法がなくなってしまう。
・変化のきっかけ
さて、今でこそ、定時ピッタリで席を立ち、周りが仕事をしていようがどこ吹く風で「お先に失礼します!!」と一言声かけてさっさと退社する私だが、実のところ、かつては「定時で帰れる雰囲気ではない…」と悩んでいた。
誰かと一緒であれば自分も堂々と定時で退社できたが、他の人が仕事を続けていたら、
と心の中で叫びながら、仕事を続けているフリをして、最低でも退社時刻から5分が経過してから、申し訳なさそうな顔で恐る恐る退社していた。
そんな自分と決別するきっかけは上京前に働いていた職場で起きた。
その仕事は販売の仕事で、以前も経験がある職種だったため、仕事に慣れるのに時間はかからなかった。
店長(この記事で登場するノムラ(仮名))も良い人だったため、滑り出しは最高だった。
…のだが、勤務開始から2週間でその生活は終止符を打つことになった。
店長が休みで、私一人で勤務することとなったため、近隣の店舗(仮名:A店)の店長が開店前と退社時間前に応援に来ることになった。
その日は特に問題なく過ごしたが、翌日店長からこんなことを言われた。
A店は半年前に開店したばかりで、従業員は合計で5人ほどいたのだが、ほとんどが未経験者だったため、経験者の私が引き抜かれる形となった。
自分が評価してもらえたことはうれしいが、有無を言わせぬ転勤とは私も良い気がしない。
異動初日、家からの距離は異動前とあまり変わらず、出発時間はこれまでと同じでよかった。
…はずだったが、そうはいかなかった。
A店は大きな駐車場があるにもかかわらず、従業員用の駐車場は300mmほど離れた場所にあり、5分ほど歩く必要があった。
これにはさすがに腹立ったわ。
無理やり連れて来られてこの仕打ち。
マジふざけんなよ!!
というわけで、少しでも無駄な時間を減らすため、定時になったら一刻も早く退社しようと決めた。
そのために、作業終了後の掃除は退勤5分前から行い、30分前からそのための段取りを組み、時間までに終えることが可能な仕事しか行わないようにした。
もしも、「早川君、もしかして、時間ピッタリになるように調整してない? 終了時間までが作業の時間で、片付けはその後だよ」と言われたら、「無理やり連れてこられたのだから、定時ピッタリに帰って何が悪い!?」と言い返してやろうと思っていた。
有無を言わさず転勤させられたのだから、私にはこれぐらいのことを口にする権利はあると思っていた。
幸い、その職場では店長以外の面々は私よりも先に退社していたため、私が退社する時刻は店長一人しか残っておらず、他の人が仕事をしている中で自分一人が真っ先に退社することはなかった。
そして、店長からも、定時ピッタリに退社することを咎められることはなかった。
私の定時ピッタリ退社の習慣はこうして始まったのである。
・その後の職場について
その職場の後に働いたのが、この記事で紹介した東京に出てきて最初の職場だった。
その時は退社時刻が誰かと同じになることはなかった。
そのため、「あの人が帰らないから自分も帰れない」ということはなかったが、その分タイミングは自分で判断しなくてはならなくなった。
私はそこでも、定時ピッタリに終えることにした。
その職場ではタイムカードの打刻はなく、タイムシートに15分単位の勤務時刻を手書きで書き込むため、17時00分でも、17時10分でも「17時」となることも好都合だった。
その次は、「やや気が重い」というか、他の人も定時は私と同じなのだが、多くの人が勤務時間後も残業をすることが当たり前となっている職場だった。
そうはいっても、上司は「時間になったら帰っていいよ」と言ってくれた。
以前の私であれば、場の空気に逆らえず、仕事が終わっても席を立つことができなかっただろう。
しかし、周りに関係なく「自分の仕事が終わったら帰る」ことが習慣となった私は遠慮なく定時で帰ることができるようになっていた。
もしかしたら、私が帰った後で陰口を叩かれていたかもしれないが、そんなことは全く気にしなかった。
なぜなら、たとえ残業をしたとしても、言われる時は言われるし、クビになる時はクビになると割り切っているからである。
これからも私はこうして定時退社を続けるだろう。