
今週、仕事から帰る時のことだった。
私はいつもと同じ電車に乗っていた。
本格的なラッシュアワーの前に帰宅するので、必ず座れるというわけではないが、「いつも混雑している」というほどでもない。
ところが、この日は少し様子が違った。
乗車する車両が目に入った瞬間、車両の端がいつにもなく混雑している。
「特に遅れているわけでもないのに何でだろう…」
そう思ったが、私が待っていた所のドア周辺は逆に空いている。
なんでだろう?
そういえば、以前も同じように、なぜか車両の一ヶ所だけモーゼの海割のごとく、人が離れていることがあった。
その時は、床に嘔吐物を急いで拭き取ったような跡があったのだ。
だが、この日はそんなものは見当たらない。
一体何が起きているのだろうか?
私も含めて、その駅から乗車した数名のみが、その空いている所に立っていた。
こうして電車が動き出す。
すると、乗客の一人が慌てて、私たちが立っていたドア付近に走って来た。
そして、彼女の連れと思われる女性も同じように走って来た。
もしかして、降りる駅を過ぎてしまったのだろうか?
しかし、まるで何かから逃げるような様子だった。
ひょっとすると、この記事で登場したような不審者が隣に座っていたのだろうか?
だが、彼女たちは空いているドア付近に移っても、何かに怯えるように周囲を気にしたり、逃げ回っている。
私には彼女たちの方が、「もしかして、クスリでもやっているヤバい人たちなのでは…?」と感じた。
そんな時、彼女たちの頭上に何かが飛んでいるのが見えた。
その正体は蜂である。
彼女たちは蜂から逃げ回っていたのだ。
このような人物は彼女たちだけではなかった。
その他の乗客も、自分の頭上に蜂が飛んで来たら、大慌てで逃げ回っている。
私が乗車した時に、ドア周辺だけ人気がなかったのは、きっとその直前に蜂がその辺りを飛んでいたのだろう。
蜂と聞くと、「毒針で人間を刺す危険な生き物」というイメージがあるが、巣を襲ったり、こちらから攻撃しなければ、人間を刺すことなど滅多にない。
はっきり言って、そのイメージは子ども向けて注意喚起として語られる大げさな物語に過ぎない。
たとえば、「食べた後にゴロゴロすると牛さんになるぞ~」というレベルの例え話である。
蜂は決して、積極的に人を襲う獰猛な生き物ではない。
にもかかわらず、大の大人が、そんな虫に怯えて逃げ回るのは情けない限りである。
当人たちは自覚がないと思うので、はっきり言わせてもらうが…
蜂より、人間の方がよっぽど怖い。
普段の電車の中を思い出してほしい。
混雑の中で、周囲の人に腕や肘が当たるにも関わらず、スマホを操作。
乗り降りの際は、問答無用で周囲の人に体当たりで、もちろん謝罪など一切ない。
車内の人への危険を顧みず駆け込み乗車。
エスカレーターはルール無視で、駆け上がり、駆け下り。
そのようなバカ共については過去にも散々取り上げてきた。
いつもは、こんな危険人物に囲まれているのである。
それは、蜂よりもよっぽど脅威で危害を加えるものではないか?
積極的に人を襲うわけでもない蜂にあそこまで怯えるくらいなら、普段から周囲の人間に対しても、それくらいの危機感を持つべきではないのか?
そう考える今日この頃である。






