これは数日前の出勤時、自宅から最寄駅に向かっている途中で起きた出来事である。
通学中の小学生の男児2人が猛スピードで走りながら、私を追い抜いた。
彼らは一人がもう一人の手を引きながら走っていたのだが、体格と足の速さに差があったためか、途中で手が離れてしまった。
幸いにも、転倒や脱臼などは起きていないようだったが、そこで彼らがこんな会話をしていた。
男子小学生A:「新幹線みたいに走っている途中で離れちゃった」
男子小学生B:「原因が分かるまでは、連結中止だね」
男子小学生A・B:「キャハハハ」
これは3/6に発生した東北新幹線の事故のことを言っているのである。
東北新幹線「はやぶさ」「こまち」連結外れる「こまち」側に原因か 対策完了まで連結運転取りやめへ | NHK | 鉄道
その歳でこんなブラックジョークを言えるとは、彼らの将来が楽しみだ。
しかし、思い返すと、私が子どもの頃も友人間では社会的なニュースをネタにするジョークは存在した。
たとえば、当時は消費税が今の半分の5%だったのだが、それでも子どものお小遣いでゲームや玩具を買う時は払うのが惜しい金額だった。
そこで、同級生の一人が「消費税を払わない方法はないのかな…」と愚痴をこぼした。
それを聞いた彼の友人はこんなことを言った。
○○とは、1998年に発覚したプロ野球脱税事件で、かつての脱税が発覚して、実刑判決や出場停止処分を受けたプロ野球選手の名前だった。
こんな社会を皮肉るジョークは度々聞かれた。
だが、いつの頃からはこんな話は聞かれなくなった。
私自身が子どもから社会人へと変わったからなのか、それとも時代が変わったからなのか…
冒頭の彼らが言ったような新幹線の連結外れネタも、大人がやったら「不謹慎だぁ!!」、「一生懸命やっている人をバカにするな」とバッシングされたかもしれない。
笑いのネタにするどころか、大真面目な批判ですらも、ツイフェミ級のバカが「ギャオーン!!!」と食いつくこともある。
同じく新幹線の事故だが、昨年の7月に東海道新幹線が深夜の保守作業中に車両が激突したことで、名古屋ー浜松間で始発から終日運休、さらに運転再開についてのアナウンスが二転三転して大混乱になったことがあった。
その件で「大いに反省を」と苦言を呈した大村秀章愛知県知事をXで誹謗中傷するバカが現れた。
「あなた何様?」東海道新幹線運転見合わせで愛知・大村知事「大いに反省を」苦言も違和感続出「励ませよ!」 – ライブドアニュース
県知事が不祥事を起こした企業に苦言を呈するのは当たり前である。
それを勝手な解釈で現場への批判へとすり替えて、大村知事に「現場を知らないクセに偉そうに口出しする知事」、「血も涙もない悪代官」のような言いがかりをつけることの方が名誉棄損級の暴言である。
そんなことを真顔で言っていたら、
バカか、お前は?
と呆れられるだろう。
そんな人はきっとこんな状況でも、一切文句を言わずに、むしろ「みんな一生懸命働いているから」とねぎらいの言葉をかけるんでしょうね…
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出社前の通勤で電車がストップして、車内に6時間缶詰にされる。
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仕事の昼食中に訪れた飲食店で食事の提供に1時間以上かかって、午後の始業時間に遅れる。
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購入した食品に異物が混入している。
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結婚式や成人式に予約していた着物が業者の手違いにより届かない。
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自分の子どもが学校でいじめられていることを担任教師に相談しても、多忙を理由に後回にされる(=「放置」)。
そして、「同じような被害に遭った!!」と苦情を入れる人を「偉そうに文句を言うな!」と叱るんでしょうね。
5年以上前にこの記事に書いた通り、
「頑張ったからOKは学生までだ!!」
「社会人は結果がすべてだ!!」
と声高に叫ぶ者がいるが、実は大人の方が「一生懸命頑張った」を免罪符にしている甘ちゃんが多いのだ。