ブログを売らないという選択は正解だったのか?

先週、ブログ用のメールボックスを整理していた。

送られてくるメールで一番多いのは、読者からの応援メール…

ではなく、業者からの営業メールである()

しかも、大半は「下手な鉄砲も数うちゃ当たる」の精神で大量送信したと思われるアフィリエイトや相互リンクの勧誘である。

問い合わせフォームには

「アフィリエイト活動は一切しません」

「宛名が入っていないメールには一切返信しません」

と記載しているにもかかわらず、平気でそんなクソみたいなメールを送りつけてくるのである。

そんなメールは即削除したいところだが、短期間に同じ会社から何度も送られてくる場合に備えて、証拠として保管している()

迷惑メールの送信も計画的に行いましょうね♡

このように業者からのメールは99分迷惑な営業メールなのだが、興味を惹かれた数少ないメールもあった。

・まさかの依頼

そのメールは今から5年前の2021に送られてきた。

タイトルを見たら、「M&A」という単語が入っていたので、「どうせまた営業だろ」と思ったが、本文の文頭には、「はやかわブログ様」と書かれていた。

それだけでも「あ~、やっとまともな業者の人が来た」と大いに感動した()

少なくとも、先方は私のブログを実際に見たで連絡してきた可能性が高い。

そんな人からのメールには、たとえ意中の提案でなくとも、本文に目を通そうと思える。

さて、内容であるが…

「貴メディアの買収についてご提案させていただきたい」

という買収の話だった。

え!?

これまた驚きである。

当時は、ブログを始めてから3年ほど経った頃、アクセス数は、ようやく年間で1PVを超えた程度だったが、年々確実に上昇していた

そんな中で「ブログを買いたい」と言われたことは正直嬉しかった。

アフィリエイトを一切やらず、広告収入も1,000円にも満たず、自分でも「このブログに資産価値はない」と思っていたのに、「お金を払って買いたい」と言ってくれる人が現れたのである。

結局その時は、上り調子だったことや、まだやり残していることがあったため、買い取りについては、詳しい話を聞く前に断った。

・後悔していること

これが今から5年前の話である。

その後もしばらくは期待通りにブログのアクセス数は増え続けた。

「やっぱり売らなくて良かった」

そう言いたいところだが、無条件に喜べない点があった。

翌年、ブログの総括をした記事でも触れたが、ブログ全体へのアクセス数は伸びたのに、買い取りオファー断り後の2021年下半期以降の新規投稿記事が全然伸びなかったのである。

その後200300本ほどの記事を書いたが、年間PV数の上位10本に入るような記事は、電車が体調不良者の救護活動で遅延した時の体験くらいで、その他はタイミングによっては季節ネタの需要が増えるくらいである。

つまり、ブログ全体のアクセスを支えていたのは、新しく書いた記事ではなく、以前から存在していた記事だったのである。

ということは、あの時点で買い取りのオファーは出した先方の見る目は間違っていなかったのかも知れない()

私は詳しい条件を聞く前に断ってしまったので、買い取り価格がいくらだったのかは分からない。

ブログの収益もGoogle Adsenseだけで、メールをもらった3か月ほど後に、ようやく累計収益が1,000円を超えたくらいだった。

そのため、高額な買収だったとは思えない。

ただ、一番気になるのは、価格ではなく

「先方は、私のブログのどこを評価して買いたいと思ったのだろう?」

ということである。

アクセス数だけを考えれば、年間1PV程度の個人ブログは、それほど魅力的には見えないだろう。

このブログは、テーマがかなりまちまちだ。

仕事や社会問題について書いたかと思えば、プロ野球について書いたり、日常生活について書いたり、制度やニュースについて考察したりする。

たまたまネット検索で記事を見つけた人が「この人は良いことを書いているな」と感じることはあっても、トップページのURLをブックマークして毎回訪れてくれる人は「一体どこを見てくれているのだろう」と感じることがある

というわけで、2021年の買い取り担当者も、どこを見て買収の話を提案していたのかは今でも謎である

今となっては、それを聞かなかったことが少し惜しい。

もし今後、再び買い取りの話が来ることがあれば、売るかどうかは別として、まず、

「なぜ私のブログを買いたいと思ったのですか?」

「どの記事を見て、どのような点を評価したのですか?」

と聞いてみたいと思う。

もっとも、「ブログで稼げる時代は終わった」と言われて10年近く経過した現在では、もうそんな話が来ることはないかもしれないが(笑)

・それでも売らなくて良かったと思う理由

買い取りオファー後もアクセス数は増加して、2年が経過した2023年は、新規記事こそほとんどウケなかったものの、月間3000PV以上を1年以上キープしていた。

ところが、結局そこがピークだった。

2024年はGoogleの検索エンジンのアップデートの影響を受けたのか、一貫して転がり落ちて、今のアクセス数は買収話があった2021年をも下回る勢いである。

ここまで落ちると、「あの時売っていたら、キレイに卒業出来ていたのかも…」という想いに囚われることもある。

だが、現在から振り返っても、ブログを売らなかったこと自体は良かったと思っている。

理由は売却した後にブログを好きなように変更されるのが嫌だからである。

例えば、売却時点の状態をそのまま維持してくれるのであれば、話に乗っていた可能性もある。

しかし、買収後に過去記事の内容を書き換えられたり、私が書いたような形で全く違う意見の記事を投稿されたりするのは抵抗がある。

私はこれまであまりにも理不尽で無責任だと感じる人を

キモ過ぎる

「そのツラの皮の厚さには恐れ入る」

「発情期のように大騒ぎする人たち」

「~する資格はないと言えるだろう」

など、強い言葉批判することが度々あった

ブログを買った人が、「こんな攻撃的な言葉だと、検索エンジンからの評価が下がるかも」と思って、それらの文言を削除や修正する可能性もある。

また、以前批判していた人たちに媚びるような記事を書き始めることもあるかもしれない

読者からすれば、「この人はなんで急に変ったんだろう?」と思うだろう。

しかも、ブログの所有者が変わったことを知らなければ、そう感じるのは当然である

それに、過去にメールで個別にやり取りした読者もいる。

彼らが私に近況の連絡をしたり、「また話を聞いてほしい」と思ってメールしたのに、返信がなく、その一方でブログだけ更新されていたら、どう思うだろうか?

それは、これまで読んでくれた人たちに対する裏切りのようにも感じてしまう。

そして、彼らは「かつて自分が信じた早川鉄男はもう居ない」と幻滅してしまう。

もちろん、人間なのだから考え方が変わること自体は悪いことではない。

10年前とは違う考え方をするようになることもある。

だが、それは「自分自身が考えを変えた」場合の話である。

自分が売却したブログを、別の人が自分の名前や過去の実績を利用して運営するのとは意味が違う。

私がブログでよく批判してきたものが、「言っていることと、やっていることが一致しない人」である

もしブログを売却して、その後に買収者が私とは全く違う主張の記事を書いていたら、私は知らないうちに、「自分が批判してきたような人間」になっていたかもしれない。

ブログを売ることそのものが悪いわけではない。

しかし、私の場合、ブログは単なる広告収入を生み出すWebサイトではなく、自分が経験したことや、その時々に考えたことを記録してきた場所でもある。

だから、ブログを売るということは、記事やドメインを売るだけではなく、「自分の名前で積み重ねてきたもの」を他人に委ねることでもある。

そう考えると、2021年に売らなかったことは、結果的には良かったのだと思っている。

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