
本日8月11日は「山の日」である。
30代の私にとって、「海の日」は子どもの頃から存在していた馴染み深い祝日だが、「山の日」は2016年から施行されたため、どうも「なんで、こんなところに祝日が?」という感覚になる。
祝日の趣旨は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」というものらしい。
日本は山の多い国であり、山は森林、水源、農業、観光などを通じて私たちの生活を支えている。
もっともらしく聞こえるけど、「それは後付けで、祝日を増やしたいから、『海の日があるから、とりあえず山の日でも作るか』くらいが本音なのでは?」と感じる。
だが、それ以上に私が山の日に疑問を持つのは、「なぜ、その日が8月11日なのか?」ということである。
・8月13日の方が嬉しい人も多いのでは?

8月11日に、山に関する特別な歴史的出来事があったわけではない。
内閣府の説明では、8月11日は「多くの国民がお盆休み、夏休みでもあるこの期間に、大人も子どもも、こぞって山に親しみ、山を考える日になる」となっている。
つまり、8月11日そのものに特別な意味があるというより、夏休みやお盆に近い時期だから選ばれたのである。
ここでよく聞くのが、「8月12日は避けた」という話だ。
1985年8月12日には日本航空123便墜落事故が発生している。
多くの犠牲者を出した重大事故であり、8月12日は現在でも慰霊・追悼の日という性格が強い。
そのため、「さすがに8月12日を祝日にするのは避けたのだろう」という説明には納得できる部分がある。
しかし、そうだとしても次の疑問が残る。
「だったら、8月13日ではダメだったのか?」
ということである。
8月13日なら、お盆の始まりと重なる。
お盆休みのない会社で働く人にとっては、「お盆の時期に少なくとも一日は休める」というメリットがある。
ところが、8月11日だと、お盆の直前である。
私自身、山の日が始まって以降、「カレンダー通りの勤務でお盆休みなし」という職場で働いた経験はあるが、「山の日」については
「なんでわざわざこんな時期に祝日があるの?」
「だったら、もう少し後にあって、1日だけでもお盆休み気分を味わいたい」
というしらけた印象でしかなかった…
また、お盆休みに長期の休暇がある会社にとっても、せっかくお盆休みがあるのに、その直前に祝日があることに何のメリットがあるのだろうか?
よく言われるのが、「8/11が祝日だから、前後の8/10と8//12に有給を取って、土日やお盆と繋げたら最大で〇連休!!」という大型連休歓迎論である。
なるほど。
一見もっともらしい理屈のように聞こえる。
だが、「前後に有給を使える余裕があるなら、8/11も有給で休め!!」と言いたくなる。
当然、会社全体で長期間の連休に入ると、連休前後はその対応に追われることになる。
連休中に特にやることがない人にとっては、連休の有難さよりも、その対応の方が嫌であることも多いだろう。
・なぜ「山の日」はハッピーマンデーではないのか?

8/11という日付について気になることがもうひとつある。
それは山の日がハッピーマンデーの対象外であることだ。
成人の日、海の日、敬老の日、スポーツの日などは曜日によって日付が変わる。
一方、山の日は東京オリンピック関連の例外措置が取られた2020,2021年を除くと、毎年8月11日に固定されている。
これも一見すると不思議である。
例えば8月の第2月曜日などにすれば、土日と合わせて三連休になる。
祝日としての使い勝手だけを考えれば、その方が便利だ。
しかし、そうしない理由は何なのだろうか?
冒頭でも触れたが、山の日は「お盆・夏休みの時期に山に親しむ」という目的で制定された。
はっきり言って、「その目的を明確化するために、どうしても8月11日じゃないとダメ!!」という理由は見当たらない。
むしろ、先ほどの内閣府のサイトには、海の日についてこんな記載がある。
明治9年7月20日、明治天皇が東北巡幸の帰途中、灯台巡視船「明治丸」に乗船され、海路により無事、横浜港に到着されたことに由来し、昭和16年から、毎年7月20日が「海の記念日」とされていた。
だったら、海の日の方が、日付にこだわる必要があるのではないか…?
・ただでさえ書き入れ時で忙しいのに…

さらに、販売業から見ると、困ることもある。
「夏休みやお盆の時期だから、多くの人が山に行ける」というのは、観光やレジャーの側から見れば確かに合理的である。
ところが、世の中にはその時期が一年で最も忙しい仕事もある。
前回の記事で少し話題になった販売の仕事が、まさにそうだった。
お盆期間中は繁忙期なので、普段以上に大量の商品を仕入れなければならない。
しかし、その直前に祝日があると、市場が休みになる日が増える。
私は売り上げのことなど全く気にしなかったが、繁忙期の直前である8/11に市場が休みになると、その日の入荷分は翌日以降に少しずつ補充する必要がある。
ただでさえ品出しや客対応に追われるお盆期間中に、さらなる荷下ろしや在庫整理が増えてしまう。
お盆期間中はそれまでも「悪魔襲来期」とでも言うべき、鬱陶しい季節以外の何ものでもなかったが、さらに苦しみの種が増えた。
おそらく、山の日を作った人たちはそんなこと全く想定していなかったのだろう。
祝日という制度は、単に「国民が休める日を増やせばみんな嬉しい」というものではない。
今年もそんな不満と釈然としない気持ちに包まれながら、退屈な山の日を過ごしている。









