ありがとうユニバーサル・アナリティクス

2年前の2022年、こちらの記事で、同年は上京当初に購入した身の回りの品々が続々と寿命を迎えそうだと予言した。

記事を書いたのは、まだ年明け間もない1月だったが、実際に年内に多くの仲間が引退した。

その中には、記事を投稿した時は予期しなかった物もあった。

5月にはブログ用に使っていたパソコンが、そして6月には一人暮らしを始めると同時に使い始めたポケットWi-Fiが役目を終えた。

特にWi-Fiはパソコンやスマホのように、一線から退いてもサブで使い道があるわけではなく、契約終了となったら、即座に使い道がなくなるため、最終日は一段と感傷的になった。

その時の心情はこちらの記事に詳しく書いている。

つい最近のように感じるが、あれから2年も経っていることには驚かされる。

そして、先日もまた同じような別れが…

・ブログ開設直後からの付き合い

先月6月限りでまた古い付き合いの仲間が去った。

その仲間とは「ユニバーサル・アナリティクス」である。

ユニバーサル・アナリティクス(以下、「UA」)とは、Googleアナリティクスのプロパティのことで、早い話がサイトのアクセス状況を分析する解析ツールである。

このブログでも、開設間もない2019年の2月から使い始めた。

専門用語が多く、他のサイトを参照しても使い方をイマイチ把握できず、おそらく全機能の10%も使いこなせていなかったと思うが、PV数と呼ばれるページの閲覧数やユーザーの所在地、サイトが検索エンジンに表示される際に、検索ワードで使用された語句、ページの表示順位に目を通していた。

  • 2019年の9月に、初めてサイトの月間閲覧数が1,000を超えた時

  • 多くの記事に目を通した読者が地元からのアクセスだった時

  • 「仕事 早く辞めたい」のように自分と同じ気持ちのキーワードで多くの検索があった時

こんな時は本当に嬉しくて、毎日ワクワクしながら覗いていた。

アクセス数は今とは比べ物にならない程低く、胸を張れたものではなかったが、ブログを始めてからは、あの頃が一番楽しかった。

2020年の10月に後継となるGA4がリリースされたが、当初は不具合が多く、データの保存期間も長くなかったことから、その後もUAを使い続けた。

だが、2023年の9月限りでUAの計測は終了となり、私もGA4を使うことになった。

GA4も当初に比べたらだいぶ改善されていたが、それでも慣れ親しんだUAのことを思い出すと寂しさを感じてしまい、今は1ヶ月に2,3回程しかアナリティクスを確認しなくなった。

そして、ついに20246月、つまり先月限りで過去のレポートも一切の閲覧が出来なくなる完全引退となった。

・バックアップ中に思い出したもの

さて、5年以上前のブログ開設当初から使い始めたUAと別れることは寂しい。

それだけでもつらいが、UAで計測したデータはGA4に一切引き継がれない。

つまり、あの慣れ親しんだレイアウトを見ることが出来ないだけでなく、これまでの記録もすべて抹消されることになるのだ。

もちろん、あらかじめPDFEXCELに出力することは可能なので、先月中に月ごとのアクセス数や、検索クエリ(キーワード)、その他のデータを数多く取り出していた。

作業自体は単調だが、数が膨大であり、漏れがないよう念を入れたかったので、休日に時間をかけてゆっくりと行った。

「もう会えない」ということに加え、月を重ねるごとにアクセス数が増えてきたり、今はほとんど見ない流行りの検索ワードが目に入ると、当時の思い出が蘇り、やはり平常心ではいられなくなった。

データはこうしてバックアップできるけど、もうUAにアクセスして、あの時のような感動を味わうことは出来ない。

本当にお別れという気持ちになった。

1ヶ月前に映画ドラえもんの別れのシーンについての話をしたことがある。

ほとんどの作品は、たとえ別れたとしても、また会いに行くことは出来るのだが、中には二度と会えない別れとなることもある。

特に印象的なのは「宇宙開拓史」で、戦いが終わってドラえもん一行が元の世界に帰るまさにその時、のび太の部屋の床下とコーヤコーヤ星を結んでいた時空の歪みが解消されることになり、家路を急ぐ一方で、現地の人々とは永遠の別れになってしまう。

現地の人々が「さようなら」と言って手を振る中、彼らはタケコプターで超空間を通り抜けてのび太の家へ向かうのだが、その際、それまでコーヤコーヤ星で過ごした日々が走馬灯のように映し出され、岩渕まことが唄う「心をゆらして」が流れ、より一層、別れの感情を引き立てる。

UAのデータの保存作業をしていた時は、ずっとそのシーンのことが頭を過り、頭の中で「心をゆらして」が再生されていた。

・円満な卒業ではなかったけど…

このブログも開設から6年目を迎え、初年度と比較すると大きく様変わりした。

もちろん、多くの良い面があったことも事実である。

たくさんの方に読んで頂いたし、彼らとはメールを通して直に交流したこともあり、それらの出会いはかけがえのない財産となった。

だが、いつからか初心を忘れつつあった。

思い返せば、このブログは共に運営するはずだった相棒に逃げられたことで、すでに契約してしまったサーバーとドメインを有効活用する目的で始めたものである。

当初は少しでも、元々の計画とのかかわりを持たせるために、ペンパルサイトで知り合った外国人の話をしていたが、近年は話の取っ掛かりとして冒頭に触れるケースを除くと、彼らが登場する記事は年に5本も書けていない。

最近は読者と交流する機会もほとんどなくなり、単に私が日頃感じている不満を述べるだけの愚痴り場となってしまっている感も否めない。

記事の質も、アクセス数も上り調子の時に別れるのであれば「卒業」と言えるが、こんなタイミングでお別れとなることはとても残念だし、申し訳ない気持ちである。

しかし、これも「UAが自らの身と引き替えに、私に再考する機会を与えてくれた」ものだと思って、前に進んで行こうと思う。

ユニバーサル・アナリティクス。

さよなら。

そして、今までありがとう。

スポンサーリンク