「何がおばさんぽいか?」をおばさんに訊ねる謎

数日前、こんな記事を読んだ。

「語尾がいまだに……」200人に聞いて分かった、「おばさんぽい」と感じるLINEの3つの傾向とは – All About ニュース

該当記事の編集部が2024930日に「『おばさん』に関する意識調査」なるものを実施して、調査の結果、LINEの文面に「おばさんぽい」と感じる3つの傾向が見つかったという。

:絵文字を乱用している

:かつて流行していた言葉を使う

:一度に送る文章が長い

上記が調査結果なのだが…

結論から言うと、私は「どんな文面がおばさん臭いのか?」といったテーマには全く関心がない。

にもかかわらず、こうして記事を書いているのは、他にどうしても言いたいことがあるからである。

それは…

記事に挙げられている回答者が全員30代以上の女性ということ。

30代はまだ若い!!」と反論する人もいるかもしれないが、同じ30代の私は「おじさん」と自覚しており、そう認識されることにも、呼ばれることにも、一切の不満はないので、ここでは30代もおばさんということで…

つまり、「どんなことに『おばさんぽい』と感じるか?」という質問をおばさんに聞いているのである。

それを訊ねるのなら、10代や20代、還暦を迎えて「おばさん」を卒業した女性、もしく男性を対象にすべきではないのか?

おそろしく的外れなことをやっているように見えるのだが、もしかして、勘違いしたおばさんの痛い姿を晒して楽しんでいるのか?

一応、「自分はもう若くない」と自虐的かつ冷静な女性もいる。

「『~じゃん』を『~ぢゃん』と変えているとき。自分が若いころにはやった文面なので、使われていると『おばさんぽい』と感じます」(30代女性/埼玉県)

「めいっこからLINEの返信が長い人はおばさんと言われた。確かに私たちはメール世代なので、短い返信やスタンプのみの返信になれていないと思いました」(50代女性/静岡県)

しかし、大半は「自分はおばさん」という自覚がなく、他人を時代遅れのボケ老人と罵って嘲笑う哀れな、そして、ある意味では期待を裏切らない姿を見せてくれている。

率直に言うと…

「何でおばさんがおばさんを責めているんですか?」

と聞きたくなる。

・おばさんだっていいじゃない

断っておくが、私は決しておばさんをバカにしているわけではない。

むしろ逆である。

おばさんであることの一体何が悪いと言うのか?

テレビやネットで街を歩く女性にインタビューする映像を見ていると、年配の女性が話を聞かれるのは、物価や教育費の高騰のような日常の暗いニュースの話題ばかりで、恋愛やファッションのようなキラキラしたテーマでは必ずと言っていい程、10代、20代の若い女性しか登場しない。

これではまるで、「女性が人生を謳歌できるのは20代まで」というメッセージを流布しているようなものである。

加齢によって肉体が衰え、おばさんになることよりも、そうした「おばさん=惨めで哀れむべき存在」という一方的な価値観を垂れ流すことによって、心を痛めることの方がよっぽど問題ではないのか?

しかも、当事者が自分のことを棚に上げて批判するというアホらしさ。

別に、おばさんになってもいいじゃない。

先の記事だって、最下部の締めに

とはいえ、「これだと『おばさん』と思われてしまうかな……?」と考え過ぎても疲れてしまうもの。頭の片隅に置くぐらいにして、健やかにLINEを使っていけるとよいですね。

と書いているではないか。

もっとも、おばさんをコケにしている彼らに、そんなことを言える資格があるのか疑問だが…

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