今日は5月1日。
カレンダーでは平日に当たるため、仕事をしている人も多いだろうが、ゴールデンウィークの間ということで、有給を取って10連休にしている人も少なくないと思われる。
有給休暇は勤続半年以上の被雇用者であれば、誰にでも与えられる権利である。
だが、有給の権利を保持していて、法律上認められることは分かっていても、気兼ねなく行使できないという人もいる。
「ウチには有給なんてねえんだよ!!」
「お前、自分の立場分かってんの!?」
「そんなことは会社に貢献してから主張しろや!!」
というようなブラック企業丸出しの会社に勤めているわけでも、繁忙期でもないが、周囲の目が気になって休暇を取りづらい雰囲気がある。
定時退社は屁と思っていない私でも、「有給は持っているけど、行使できる雰囲気ではない」と感じたことはある。
その一方で、安心して休める会社もあった。
今日はその会社についての話をさせてもらいたい。
なお、今回はすべてシフト制ではなく出勤日が平日5日の仕事となる。
・こんな会社では休みが取れない
私がこれまでに勤めた会社で、休みづらいと感じた会社は2社ある。
なお、両社とも、冒頭で触れたようなブラック企業ではなく、労働者が権利を行使すれば、ほぼほぼ認められる最低限のモラルは持っている会社であることは断っておく。
①:毎日当番業務が割り当てられる
先ずは、この記事でも紹介した外資系の会社。
この職場では請求関係の仕事をしていたのだが、数人のメンバーでローテーションをして担当業務を分担していた。
全員が毎週どれかの業務に割り当てられており、「今週は当番がない」という状況は発生しない。
当然、会社が稼働している日に休暇を取得すれば、自分に割り当てられた業務は、他のメンバーが行うことになる。
実際は時間の都合で、手が空いているメンバーが当番外の業務を手伝うことも少なくなかったのだが、休みを取る時は事前に「この日は休暇を取るので、代わりにこの当番を…」と頼み込まないといけない。
休暇を連続で取得する時は、「当番を代わってくれたお礼に…」とばかりに菓子折りを配るなどの配慮をしなければならない。
そうしたやり取りが重苦しくてしょうがない。
ひょっとして、会社は極力休暇を使わせないために、わざと当番制を採用しているのだろうか?
もっとも、幸いだったのは、他の人が休むことが多く、その分をカバーすることで「もし、自分が休んでも…」と思えたことである。
誰かが休暇して当番を代わった時は、面倒くさいと思うどころか、借りを作れてホッとした。
その職場には半年程在籍していたが、私が休暇を取得したのは、次の職場の面接を受けるための半日だけだったのだが、あの時の重圧は今でも忘れない。
②:自分にしかメールが届かない
続いては、物流業務の手配をしていた職場での話。
こちらの会社では、主に全国にある工場から出荷依頼があった際に、専門の運送会社に配送の依頼をしていたのだが、出荷元や依頼する運送業者が同じであっても、担当者は製品や出荷先ごとに異なっていた。
最初は前任者兼教育担当者から仕事を教わっていたので、一連の業務においてメール連絡を行う際は彼のアドレスもCCに入っていたのだが、業務開始から1ヶ月が過ぎた頃から、私に一本化され彼のアドレスを外すことになった。
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彼に送られてくるメールが多すぎてこのままでは重要なメールを見落とす危険があること。
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1ヶ月間の私の勤務態度を見て、「安心して仕事を任せられる」と判断したこと。
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席が隣同士のため、不明点があれば直接聞けること。
これらが理由らしいのだが…
私が通勤中に交通事故に遭って出勤不能になった場合などは想定していないのか?
なお、彼曰く、私が休暇を取得したり、早退したい時は、事前に工場の担当者へ周知メールを送ったり、私が急遽出勤不能になった場合は「代わりに自分が送るから」と言ったのだが、内々はそれで良くても、取引先の運送業者のことは考えないのだろうか?
こんな管理体制では、後にトラブルになることは必然であり、怖くて休暇なんて取れない。
そんなことを考えるのだから、「私も成長したもんだ」と実感したが、この会社がヤバいことは間違いない。
その他にも、某カルト集団みたく、毎朝、社長の理念(自慢話)を聞かされたり、離職者が多いためか、下請け業者の態度が有り得ない程デカかったりと、危険な臭いがプンプンしたので、ここも半年で退職した。
私がその間に休暇を取得したことは、次の仕事の面接を受ける際に早退した一度だけだった。
先の会社も同じだが、そういった状況で一発で次の仕事が見つかったことは非常に恵まれていた。
・気軽に休暇を取得できる職場
ここまでは休暇を取りづらい会社について紹介してきたが、一方で気兼ねなく取得できる会社も存在する。
①:大量募集のデータ入力
これは紙で送られてきたデータをパソコンに手入力で転記する短期派遣の仕事だった。
私が所属していた班は全員で5人。
1ヶ月に1回程度の頻度でイレギュラーな仕事が入ることもあったが、基本は毎日同じことの繰り返しで、書類が入れられたボックスから必要な分を取り出して、自席に持ち込み、黙々とパソコンに入力する業務である。
一人休んでしまえば、残りの4人にしわ寄せが来るように思われるが、「これは今日中(または今週中)に終わらせなければならない」というような処理期限は特にないため、他人の休みは気にされない。
実際に、同時に3人が休暇を取得したため、私ともう1人の2人だけで仕事をしていたこともあったが、仕事に追われることも、「何であいつ等は休んでいるんだ!!」と怒りを感じることも全くなかった。
班のメンバーは5人だが、派遣社員は合計で30人近くいて、派遣先の職員も前もって全員の休暇情報を把握できないためか、休暇を取得する際は、特に許可や申請をすることなく、共有ファイルのExcelに入力するだけであり、そういった点もプレッシャーを感じずに休むことができた。
②:事務系の部内サポート
先程は「大勢で一つの仕事を行うため、自分が休んでも誰かがやってくれる」という仕事だったが、全く逆に「これは自分の仕事」と決まっているからこそ、休暇を取りやすいこともある。
こちらは、外資系の製造業で部内サポートの仕事である。
私の仕事は社員から依頼があったデータの抽出や、周知物の回覧、荷物の発送だった。
他に同じ仕事をやっている人はいなかったため、私が休めば仕事がストップするが、当日中に対応が必要なことは滅多になく、前もって上長に申請すれば、連休の谷間に有給を取って長期休暇とすることもできた。
自分だけが担当している仕事だからこそ、休んだこと仕事が溜まっても、休み明けに自分で対応できることから、特に気を遣うことなく休暇を申請できたのである。
③:工場の検品業務
ここまでは、休暇を取りづらい職場、取りやすい職場すべて、東京での事務仕事だったが、最後は地元で働いていた時の話になる。
これは、この記事で紹介した工場での製品検査の仕事である。
私がやることは製品の耐久テストのために部品を取り付けたり、取り外す作業であり、検査をすべて隣で同じ仕事をしている社員が担当していた。
この職場は年末年始に全員で一週間以上の長期休暇を取るためか、年明けから3月までは土曜日も稼働することになった。
当時は(というよりも、今はもっと)それがしんどくて、1ヶ月に2回は通院や確定申告などで土曜か月曜に休んで、息抜きのための連休を取っていた。
その際は、私が組み立てと分解を担当している製品は検査がストップするのだが、その分は翌日に回すか、手が空いているようであれば社員が自分でやってくれていた。
1ヶ月のような短期の仕事を除くと、この時が土日祝休みという初めての職場だったため、他の人全員が仕事をしている中で自分だけが休むことは気が引けたが、そうでもなかった。
・まとめ
以上が、これまでに経験した休暇が取りづらい仕事と取りやすい仕事である。
こうして並べて見ると分かりやすいが、取りづらいのは「どうしても当日じゃなければダメ」という業務をしている職場である。
それがあると、自分が休むことで同僚にしわ寄せが来るため、ブラック企業でなくても躊躇してしまう。
この問題に当たらなければ、大勢で同じ仕事をやっていても、自分一人で仕事をやっていても、周囲を気にすることなく、休暇を満喫することが出来るだろう。