大人になっても、夏休みの宿題を最終日までやらない人たちはたくさんいる

先週はお盆休み真っ只中だったが、台風の影響で予定が大幅に狂わされた人も少なくなかったことだろう。

私は東京在住であり、台風の直撃も避けられた上に、そもそも休暇中の予定は全くなかったため、影響など皆無だった。

しかし、「全く不安がなかった」わけではない。

むしろ、にわか雨が降る度にあることが不安だった。

・修理の依頼は面倒

私の不安とは自宅アパートの雨漏りである。

今の住まいは、もうすぐで築40年を迎えようとしているボロアパートである。

当然、至る所が経年劣化を起こしており、その度に管理会社へ連絡して修理してもらっている。

そのことについては、かつてブログでも取り上げたことがある。

たとえば、こちらの記事で登場した4年前の台風上陸による浸水もその一つである。

今年に入ってからも…

  • ポストのつまみが壊れて郵便を取り出すことが出来なくなる。

  • 隣の部屋の排水管が破損して、玄関前が水浸しになる。

  • 6月の大雨で(1階のはずなのに)天井から水が漏れる。

  • 上の階の給湯器が水漏れを起こし、頭上から水が降ってくる。

といったように、何度も修理の対応を依頼することになった。(そもそも、管理会社は定期的にメンテナンスをしているのだろうか?)

こんなボロボロのアパートに住んでいるため、今回の台風接近により、「また部屋の中に水が入り込んでくるのではないか」と心配していた。

ちなみに、去年はここまで頻度が高くなかったものの、立て続けに修理を依頼することがあり、その苦労話を同僚にしたことがある。

すると、彼女からこんなことを言われた。

「だけど、問題が起こったら、すぐに連絡するのは偉いね」

「私だったら、面倒なことはつい後回しにしてしまって、後々大変なことになりそう」

たしかに、管理会社に修理の依頼をすることは面倒で手間がかかる。

トラブルが起きた際の初期対応は、いつもメールで依頼している。

「○○号室の早川ですけど、部屋が水漏れしているので、修理をお願いします」と電話一本で済ませることが出来たら楽だが、現状確認のために写真を送る必要があるので、必ずメールになる。

これが厄介なのだ。

先ず、状況を伝えるために写真を撮影しなければならないが、ポストの破損のような事故はともかく、水漏れとなると、その瞬間をタイミング良く撮影するのが簡単ではない。

苦労して写真を撮った後は、メールに添付して送信するのだが、状況を伝えるために文章を書くことも、なかなか大変である。

電話であれば、一発で上手く伝わらなくても、話を重ねながらすぐに修正することも出来るが、メールの場合だとそれが難しい。

また、報告事項が不足していた際の、対応にも時間がかかるため、「一度で上手く伝えなきゃ」というプレッシャーもある。

さらに、文字だけでやり取りするため、誤字脱字が気になるし、あらぬ誤解を生まないよう気を使ってしまう。

・脈々と受け継がれる伝統

このように、管理会社への連絡は他人がやっている様子を見ることと、自分が実際にやることの間には大きな隔たりがあり、同僚が言ったように、「面倒だから、つい…」と後回しにしてしまう気持ちもよく分かる。

私は面倒くさいと感じるものの、何度も経験があるのですぐに対応するが、慣れていなければ、行動へ移すハードルはかなり高かっただろう。

たとえば、前段で紹介した今年に入ってからの修理依頼の内の2つは、本来であれば他の部屋の住人が連絡すべき事なのだが、彼らがそうしなかったため、私が連絡をすることになった。

上段の給湯器に至っては一週間近く前から、それらしい兆候があったのだが、彼(彼女)から管理会社への連絡はなかったという。

このことからも分かるように、目の前に危機が迫っていなければ、面倒なことを後回しにする人は決して珍しくない。

その結果、より状況は悪化したり、大幅な修理が必要になったとしても。

もちろん、そのような傾向は住まいの修理に限ったことではない。

役所での手続きや、期限が少し先の請求書の支払いなどは「まだ余裕があるから…」と先延ばしにして、手続き期限がギリギリのタイミングで、または期限切れになって、大騒ぎすることは日常的に見られる。

これは何かに似ていないだろうか?

そう。

今の時期に多くの子どもたちを悩ませているであろう夏休みの宿題である。

夏休み当初こそ「今年は早く終わらせよう!!」と意気込み、ハイペースで飛ばしていくが…

  • 7月末には「今まで頑張ったから、今日は完全OFFでのんびりするか…」と休む。

  • 翌日も「昨日の遊びを続けたいから、もう1日くらいなら…」とサボる。

  • 気付いた頃に「宿題なんか後でどうにでもなるさ」と怠け癖が付く。

  • 夏休みも一週間に迫った頃に家族に泣きついて手伝ってもらう。

これが小学生の子どもがいる家族にとっては夏の風物詩である。

子どもはペース配分が得意ではないため、1ヶ月以上先のゴールを見据えて、毎日コツコツと計画的に課題を進めていくことが苦手らしい。

というわけで、宿題サボりの常習犯だけでなく、教師から見れば「え、まさかこの子が!?」と思うような真面目な児童でも、夏休みの宿題を焦げ付かせることが少なくない。

そのような能力(自律)は大人になると身に付くはずだが、面倒なことを後回しにする大人が少なくないことを考えると、夏休みの宿題を最後の方まで持ち越してしまう習慣は大人になってもなかなか治らないように思える。

小学生の子どもを持つ親は、休みボケしている子どもに対して、

「遊ぶ前に夏休みの宿題はちゃんとやったのか!?」

「なんでいつも面倒なことを先送りするの!?」

と激怒するかもしれない。

だが、そんな親も、子どもに説教する傍らで

「健康が不安だからこそ、健康診断は受けたくない!!」

「財政状況が不安だからこそ、クレジットカードの請求明細を見たくない!!」

と言って、都合が悪いことからは目を逸らして、問題の解決を先送りしていたりする。

子どもが「夏休みの宿題が終わらない!!」と泣き付いたら、叱ったり説教をするのではなく、かつての自分の姿をしっかりと継承し、何より今の自分と変わらない子どもの姿を微笑ましいと思うことが、人生を豊かにするコツではないかと私は思う。

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