2週間前にこんな記事を書いた。
この記事は6月から新しいWi-Fiを使用するにあたり、それまで4年間使っていたものが役目を終えるという内容で、主に4年間の思い出や、最終日の5月31日の話を取り上げた。
しかし、最後の最後で、記事には書けなかった裏話があった。
本来であればその時の話も一緒に書いておくべきだったが、どうしても翌日に記事を投稿したかったため、下書きの大部分がすでに完成していた当初の構成のまま発表することにした。
今日はその話をしたい。
・思いもよらぬ最後の花道
日付が変わるまで残り2時間に迫った31日の22時頃、私は使用できなくなる最後の時まで共にいたいと思い、理由もなくパソコンでネットサーフィンをしていたが、気持ちは落ち着かなかった。
その時、LINEにある人物から着信があった。
それは着信は定期的に連絡を取っているタイ在住の友人からだった。
彼とは5年以上前にInterpalsで知り合い、一時は中断もあったものの、3年前から再び頻繁に連絡を取り合うようになった仲である。
彼はこのブログでも何度か登場したことがある。
その彼が、前の週末に日本料理店へ出かけたということで、その時の写真を送ってきた。
そこからは彼が食べたものやお互いの近況など有り触れた話をする。
いつもであれば、5往復程度でやり取りは終了するが、その時の私は後2時間でWi-Fiとお別れということで、残された時間を誰かと繋がりたいと思っていた。
そのことを伝えると、彼は「日付が変わるまで話に付き合う」と言ってくれた。
そこから2時間近く、彼といろんな話をした。
私たちが初めて出会った時は、私は地元でフリーターをしていて、彼は学生だった。
その時はそれほど多くを話さなかったが、3年後に再会した時は、それぞれ違う生活を送っていた。
私は地元を離れ東京で一人暮らしをしていて、彼は学校を卒業して望んでいた分野で職に就いていた。
そこから3年間はいろいろな話をした。
仕事のこと。
家族のこと。
お互いの国の文化や習慣のこと。
そのことを改めて振り返った。
それから、4年前に、彼と同じタイ出身の友人と横浜観光へ出かけ、その時に今回引退するWi-Fiが活躍した話もした。(その時の記事はこちら)
何気ないやり取りだが、彼と話ができたことで私の気持ちも落ち着いた。
それに、付き合いが長い彼との会話が、引退するWi-Fiにとっても花道になるとは何とも素敵な展開ではないか。
・何かが違うけど…
そうして、私たちは2時間近く話し続けた。
彼にとっては退屈な話だったかもしれないが、それでも最後まで付き合ってくれた。
2022年5月31日、11時59分。
いよいよ、Wi-Fiとの別れの時である。
私は彼にも別れを告げた。
彼もすぐに返事をしてくれて、私たちのやり取りはその日のうちに完結した。
これが以前使用していたWi-Fiの最後の瞬間だった。
彼とのやり取りが終わると同時にWi-Fiの灯も消えた。
…とドラマチックな展開になるものだと思っていたが、実は日を跨いで6月1日に入っても、Wi-Fiは機能していた。
翌朝、起床直後に電源を入れてみたら、まだインターネットに接続できていた。
え!?
なんだか話が違うぞ…
後で知ったことだが、プロバイダーが使用停止の手続きをするのは翌日以降ということで、日付が変わった瞬間に使えなくなるわけではなかったのだ。
さすがにその日、仕事から帰った時は使えなくなっていたが…
というわけで、期待していたような感動的な別れとはならなかった。
しかし、友人との楽しい会話でWi-Fiと別れることができたのだから、私は十分満足である。
こんな素敵なお別れに付き合ってくれた彼の気遣いと友情には心から感謝している。