・元同級生の動向を覗いてみよう第2弾
昨年の9月にFacebookで元同級生の様子を覗いた時の話をした。
今となってはほとんどの人が更新をストップしているが、それでも私が知らなかった彼らの学校卒業後の様子を目にすることができた。
あの記事を書いて以降、Facebookは一切使用していなかったものの、前回の記事で、ゴールデンウィークに帰省して、地元の友人と元同級生の話で盛り上がった様子を書いていると、彼らのことが少し気になり始めた。
幸い(?)今年もゴールデンウィークは特にやることがなかったため、休みを利用してFacebookで彼らのアカウントを探しまくることにした。
先の記事で紹介した通り、学生時代の元同級生のアカウントを探すことは意外と難しい。
今回も最初はなかなか思い通りに進まなかった。
だが、学生時代は特別親しかったわけではないものの、社交的な性格だった人物のアカウントを見つけると、彼の友達リストから大量に元同級生の名前が出てきた。
彼は学校を卒業した後も地元に留まっていて、多くの同級生とやり取りをしていたようである。
そこから、(仲の良し悪しに関係なく)知っている人物のアカウントを片っ端から開いていくと、面白い情報が集まった。
私にとってはどれも価値がある情報だが、この場でそのすべてを紹介しても、読者の人にとっては「何の話?」となると思うので、その中でも、過去にこのブログで登場した人物に関する話を取り上げていきたい。
・①:「噛ませ」として登場した人物は超エリートコースだった!?
以前、既得権をテーマにした記事で、私が中学生の時に経験したエピソードを紹介した。
生徒総会で学校が生徒の自転車通学を許可する「学校から自宅までの距離が2km以上あること」という条件を撤廃する「全生徒の自転車通学解禁案」が審議されたことがある。
その会で私の前の席に座っていたクラスメートのA君(仮名)は、親しい仲間の多くが自転車通学の中、自分一人が徒歩で通学であることに我慢できなったようで、周囲の人物にこの案への賛成を呼びかけていた。
すると、すでに自転車通学が許可されていたゲス君(仮名)は彼の呼びかけを「そんなことになったら、駐輪場が狭くなるから、家から近い奴は歩け!!」と一蹴した。
ゲス君が腹の底まで腐った人間であることを表すエピソードは他にもあるが、前回のFacebook編ではそんな彼の高校卒業後の進路が判明した。
今回は逆に既得権に執着するゲス君の暴論に唖然としたA君の方を紹介したい。
生徒総会のエピソードでは噛ませ犬的な役割に終始したA君であるが、彼はなかなかすごい経歴を歩んでいた。
彼はスポーツが得意だったが、学業にも秀でており、中学卒業後は県内でも有数の進学校に通うことになった。
そのことは中学3年生の時に同じクラスだった私も知っていたが、高校卒業後の彼は、誰もが名前を知っているであろう東京の有名大学に進学していた。
大学で何を学んでいたのかは不明だが、野球部に所属して、東京六大学リーグの公式戦にも出場していたようである。
メンバー表には後のプロ野球選手5名(その中の2人は最大年俸が年俸1億円を超えの大物選手で、メジャーリーグに出場した選手もいる)と共に名を連ねていた。
大学卒業後は大学院に進学したようだが、Facebookの更新はそこで途絶えている。
「学生時代だけでもこんなに華々しい経歴を歩んでいることから、どこかで有名になっているかもしれない」
そう考えた私は、捜索範囲をFacebookの外にも広げた。
すると、某大企業が開発した商品の広告に、彼がモデルとして起用されているページを見つけた。
彼が写っているのはその一枚だけであり、プロのモデルとして活動しているわけではないようだが、その会社に所属していることは確認できた。
今の彼が具体的にどんな仕事をしているのかは不明だが、有名大学を卒業し、誰もが知っている大手企業に勤めているということで、同級生の中で一番の出世を果たした人物なのかもしれない。
そんな彼であるが、実は学生時代に「将来は個人として勝負したい。会社員として組織の歯車になるような生き方は嫌だ!!」と言って、将来の自分の姿を完全否定していたことは、ここだけのナイショ話である。
・②:引き籠りの果てに…
次に紹介するのは「サイトウ」(仮名)という元同級生である。
彼は2年生の時のクラスメートだった。
彼と私は、テストの成績や運動能力が近く、共に行動することが多かったのだが…
正直言って、中学生の時の私は彼のことが嫌いだった。
彼も私が自分と近いから存在と認識していたからこそなのか、事あるごとにマウンティングしてきたから。
私はそんな彼と一緒にいる時間が苦痛だった。
しかし、彼の境遇には同情する面があったため、そのことを強く言えなかった。
以前、未成年者のゲームやネット利用の時間制限を取り上げた記事でこんなことを書いた。
・小学生の時の私は外で遊ぶことが大好きだったが、中学生になったら、「勉強」や「部活」といった枠に押し込められて、外で遊ぶことが許されなくなった。
・それは「迫害」に近く、私は居場所がないと感じていた。
・もしも、テレビゲームが存在しなければ、自分と同じ境遇の同級生と手を組み、「社会への復讐」と称して、自分たちの居場所を奪った人物の家のガラスを割ったり、車のタイヤをパンクさせたりしていたかもしれない。
その中で登場した「自分と同じ境遇の同級生」というのがサイトウのことである。
私は彼のことが嫌いだったが、彼の仲間とはウマが合い話をすることも多かった。
そこで、小学生の時の彼らは、休日に私と同じようなことをして遊んでいたことを知った。
彼らの多くは、中学生になると運動部に所属していたが、サイトウは違った。
そんな彼はもしかしたら私と同じで、居場所がないことに苦しんでいるのかもしれない。
そう思うと、彼には「近づかないで」と言って、拒絶する気にはなれなかった。
彼とは別の高校へ進んだが、高校卒業後に一度に、別の同級生の家でたまたま遭遇したことがある。
その時の彼は進路未定で、いわゆるニートだった。
彼は特に目的もなく、毎日のように友人の家に入り浸るだけの生活を送っていた。
本人は、「将来のことは分からないけど、なんとかなるさ」と言っていたが、その姿は中学生の時の傲慢さから想像できないくらい自信を失っているように見えた。
完全に引き籠りの現実逃避的発想である。
もしかしたら、彼は中学生の時に楽しみや生きがいを奪われて、ずっと悩んで生きていたのかもしれない。
そう考えてしまうほど、彼の姿はボロボロに見えた。
私の実家の近くには、フリーパスで入れる(と言われている)「Fランク大学」があり、夢や目標が無くても、とりあえずその大学に通っている元同級生が少なくなかった。
この記事でも書いた通り、私はそんな彼らのことを軽蔑しており、ポロっと「勉強したいことがあるわけではないのに、親に高い学費を払わせたくない」と発言した。
その瞬間、それまで進路の話をしている時は顔をそらしていた彼が、こちらを見ながら大きく頷いた。
彼も自分なりに家族のことは想っていたのだろう。
そんな彼のFacebookアカウントも発見できた。
彼は高校を卒業して3年ほど経った頃から、音楽に熱中している様子を投稿していた。
ライブやコンサートの鑑賞を行うだけでなく、自分で楽器を弾いていたり、ミュージシャンを気取った服装もしていた。
学生時代の彼は音楽などまるで興味がなかったため、最初は同姓同名の別人かと思った。
リアルで会ったら「あんた誰?」と言いたくなる程の変わり様だった。
彼が音楽にハマったのは意外だったが、方向性はどうであれ、元気が戻ったと知って安心した。
・③:気付かぬ間に再会していた!?
次は「ナカタ」(仮名)という元同級生を紹介したい。
彼は中学1年生の時のクラスメートである。
勤務先こそ非公開だったものの、彼は工業系の学校を卒業した後に地元の企業に就職しているようだった。
Facebookに登録されている居住地だけでなく、投稿されている写真の車のナンバーからも、彼が地元で暮らしていることは間違いないようである。
多くの人物がすでに使用を停止している中でも、彼は最新の投稿が2021年であることから、最近もFacebookを使っていることが伺える。
ちなみに、最新の投稿ネタは子どもの七五三である。
学生時代は地味で目立たないタイプだったが、20代前半の履歴を掘り起こすと、彼女とイチャイチャしている様子をいくつも投稿していた。
結婚したこともFacebookで報告していた。
子どもが産まれた後は、子どもの成長の様子や、家族旅行の投稿が主である。
さて、そんな彼とのブログ上での絡みであるが…
先の二人と違い、学生時代は登場ナシ。
学生時代の彼は、仲が良かったわけではないものの、ゲス君のような因縁がある大嫌いな人物でもなかった。
はっきり言って、私にとっては、どうでもいい存在だったのである。
それではなぜ、ここで彼のことを取り上げたのか?
それは、別の場面で登場していた可能性があるからである。
先ほども触れた通り、若い時の彼は学生時代の地味な姿からは想像できない程、彼女とイチャイチャした様子をいくつも投稿していた。
その中のひとつに、仕事帰りに彼女から車で迎えに来てもらったと思われる写真があった。
何気ない写真であったが、私はその場所に見覚えがあった。
そして、仕事帰りの彼が来ていた制服も…
この2つから、彼が働いている職場の見当がついた。
そこはおそらく、かつて私が派遣社員として働いていた工場である。
しかも、その写真が投稿された時期は、私が働いていたタイミングと重なる。
まさか、あの時は昔の同級生だった彼が間近にいたのか!?
その職場について詳しく取り上げた記事では「同僚の中には同世代と思われる人もいたが、多くは怖いおっさん」と書いたが、その「同世代と思われる人」が彼である可能性が高い。
ちなみに、彼がFacebookで結婚したことを報告したのは2015年4月だった。
この記事に書いた通り、私がその職場を退職したのが2015年の3月31日である。
つまり、私が派遣社員として辛酸をなめていた時期は、彼にとっては結婚する直前であり、明るい未来に満ち溢れていた頃だったということになる。
かつてのクラスメートと同じ職場で働きながら、対照的な思いをしていたとは何とも複雑である。
いや、別にどうでもいい相手だから、比較も嫉妬もしないけど…
・大人になって出会った人物の意外な過去
かつてこのブログで登場した元同級生で、今回動向を深堀できたのはこの3人である。
今回取り上げた人物は特に深い付き合いがあるわけではなかったが、かつて同じ場所で過ごした人たちということで、学卒後の動向を目にすると、それなりに思うことがあった。
ちなみに、元同級生に限らず、かつてこのブログに登場した人物まで捜索対象を広げてみると、その他にもいろいろな事実が判明した。
たとえば、この記事では、かつて短期の派遣の仕事で働いていた時に、汚れ仕事を押し付けられた私が先にクビを切られて、その仕事を拒否していた同じ班の女性が契約を延長されるという理不尽な体験を紹介した。
その女性の席は私の隣で、彼女はいつもパソコンにフルネームが書かれている名札をかけていたため、私は今でも彼女の名前を憶えている。
試しに彼女の名前をFacebookで検索してみたら、本人と思われるアカウントを見つけた。
その彼女と思われる人物はかつてフランスに留学しており、綺麗な花や街並みの写真を何枚も投稿して、それらのことを詳しく説明していた。
もっとも、一緒に働いていた時の彼女からはそんな上品さや知性など微塵も感じなかったけど…
その他にも、私が上京して初めて働いた職場の契約社員で、このブログにも度々登場する「社員B」(仮名)という人物のアカウントも発見した。(初登場の記事はこちら)
一緒に働いていた時は知らなかったが、学生時代の彼は野球をしており、同級生と思われる人物との絡みから、高校生の時に某プロ球団の本拠地でプレーした経験があることなどが判明した。
私が同僚として接した時の彼は、ネチネチした性格で、「高校球児」という爽やかなイメージとは全く無縁だったけど…
学生時代の同級生が、当時から想像できない未来を歩んでいることと同様に、「大人になって出会った人も、意外な過去を持っているものだな…」としみじみ感じた。
・ついに見つけた宝の地図
前回同様に、今回のFacebookを使った調査(「調査」といえば聞こえはいいが、所詮「覗き」である)もなかなか有意義な時間だった。
一緒にいた時には分からなかった人物の過去や、想像もしていなかった未来を知ることができたから。
まるで、バーチャルの同窓会に参加した気分である。
しかし、個人的に最も大きな収穫は別の所にあった。
それは、長年探していた人物のアカウントを発見したことである。
その人物はこのブログでも度々登場した、私にとっても大切な相手であり、今でもずっとその人に会って、話をしたいと思っている。
その人の連絡先を見つけたのだから、まるで、長年探していた宝の地図を見つけたような気分である。
現段階でもそれなりの情報が掴めたものの、中途半端に紹介するのではなく、きちんと本人と話をした上で記事にしたいと思っている。
もっとも、連絡先が見つかっただけであって、相手が私の呼びかけに応答してくれるかどうかはまだ分からないし、私のことをよく思っていない可能性もある。
気付かないだけならともかく、そこで拒絶されたら、今度こそ二度と見つけることができなくなるだろう。
絶対に失敗も後悔したくないため、「どのようなアプローチを取るか?」を毎日考えているが、正直言って、成功する自信は全くない。
だが、一筋の希望が見つかっただけでも、退屈だった今年のゴールデンウィークは、いい思い出として、今後も記憶に残りそうな気がする。