ペンパルサイトで知り合った人と実際に会うとどうなるのか?③(日本に詳しいタイ人編)

前回前々回と私がペンパルサイトで知り合った人と実際に会った時の話をした。

最初の時は何も考えずに「まあ何とかなるだろう」と思って行ったものの、お互いに何をしたらいいのか分からずに完全に行き詰ってしまった。

そして、次に会った時は個人的に楽しめたものの、よくよく考えるとかなり危険なことをしていた。

というわけで、三度目は前回までの反省を踏まえてから会うことにした。

・相手はどんな人

・居住地:タイ

・名前:クン

・性別:男性

・職業:自動車販売

・年齢:(当時)34

・留学も現地の語学学校に通っていた経験もない完全な独学者だが、日本語のレベルはかなり高い。リスニングについてはほぼ完璧。

私が彼と出会ったのは今から3年以上前だった。

知り合ったサイトは前回までの二人と同様にInterPalsだが、知り合って数ヶ月で実際に会うことになった彼らと違い、実際に会うまで2年以上やり取りをしていた。

当時から彼は日本語の読み書きができており、メッセージのやりとりはすべて日本語で行っていた。

よく「タイ人は日本に興味を持っている人が多い」と言われている。

彼もそんな人の一人なのだろう。

頻繁に日系の会社のイベントに参加した写真を送ってきた。

彼はここ数年、年に2回以上は日本に来ていた。

そして、私が東京に引っ越した後に、彼が初めて東京へ旅行に来た2018年の10月に実際に会うことになった。

・前回までの反省を踏まえて計画を練ることにしたが…

前回は初対面の相手と地元で会ったら、彼女が私の家に上がり込んでしまい、前々回は何の計画も立てずに会ったら、お互い何をしたらいいのか分からずに気まずい雰囲気になってしまった。

というわけで、今回は「やることを決めて、観光地へ行くこと」にした。

クンと会う1ヶ月前、私の職場の勤務表が完成したので、彼と日程の調整をした。

彼は5日間日本に滞在する予定になっていたが、その中で私が休みだったのは1日だけだったので、会う日は自動的に決まった。

私は彼に自分の休みの日を伝えた。

すると彼は「その日は横浜へ行くことになっています。あなたも一緒に行きましょう」と答えた。

え!? もう行く場所は決まっているの!?

私は「横浜で行きたい場所はありますか?」と尋ねて、自分もいくつかの観光地を調べる予定だったが、

「まず高島屋へ行って、それから中華街とみなとみらいの赤レンガ倉庫、もし時間があれば鎌倉にも行きたい」

と彼は言った。

思わず、

「何で日本人の私よりも、そんなにたくさんの場所を知っているんですか?」

と聞きたくなった。

結局、横浜で何をするのかはすべて彼が決めた。

・彼は旅慣れている

当日、私たちはクンが泊まっているホテルの最寄駅である上野で待ち合わせることになった。

私は5分前に待ち合わせ場所に着いたが、彼はすでに到着していた。

私たちは日本語で簡単な自己紹介をした。

彼は日本語が上手いだけでなく、丁寧なお辞儀をして、腰の低いしゃべり方をしていた。

彼の振る舞いは現地でもこのような感じなのか、それとも日本式のスタイルに合わせているのかは分からないが、彼も前回の人たちと同様にネットの中と同じ印象だった。

それから、手荷物がとても少なかったから「旅慣れているんだろうなあ」とも感じた。

実際に、私が上野から東海道線の電車で横浜まで行って、そこから京浜東北線へ乗り換えて桜木町に行くことを提案したのだが、彼は「京浜東北線はここからでも乗れますけど、何でわざわざ別の電車に乗るんですか?」と疑問を口にした。

おそらく彼は東京の鉄道網もある程度は熟知しているのだろう。

ただ、彼は横浜駅で東海道線の電車から降りて、京浜東北線のホームへ向かう際、階段に人が殺到している様子には圧倒されていた。

彼は苦笑いしながら「タイでは電車の駅にこんなに人が集まることはありません」と言っていた。

これは日曜日の昼前の出来事だったが、平日の通勤時間帯はもっと恐ろしいことになるのは言うまでもない。

・私の方が観光案内される

みなとみらいに着いた私たちは、クンのお目当ての一つだった赤レンガ倉庫とその周辺の写真を撮って、寿司屋で昼食を取ることにした。

印象に残っているのは、会計前にお皿の枚数を数え終わった係の人が、私ではなく彼に会計用紙を渡したことだった。

彼はそれだけ、自然な日本語を話していた。

その後は歩いて中華街に向かう。

途中で山下公園に保存されてある氷川丸(日本郵政が所有していた貨客船)に興味を持った彼が見学したいと言ったので、一緒に船内を見て回った。

私が観光で横浜へ行ったのは今回が初めてだったが、もし一人で行ったのなら、展示されてある船を見学したいと思うことは決してなかっただろう。

そういった意味では、彼のおかげで新しい世界を知ることができたと言える。

見学を終えた私たちは中華街へ行ったが、残念だったのはその日が日曜日のため混雑しており、ゆっくりと店を回ることができなかったこと。

中華街でやったことは、何だかよく分からない肉まんを買って、一緒に食べたことくらい。

その後は、彼が地元の友人へ贈るためのお土産を買って、彼の泊まるホテルのある上野に戻った。

ちょうど、夕食の時間だったので、彼がもともと一人で行く予定だった居酒屋へ行き、お互いに普段はどんな生活をしているのかを話しながら夕食を取った。

別れ際に彼は私に「今日は私をいろいろな所へ連れて行ってくれてありがとうございました。今度、あなたがタイに来たら、私があなたを案内します」と言ってくれた。

これで、彼との観光は終了。。。。

って、「連れて行ってくれてありがとう」と言われても、ほとんどのことは彼が自分で決めたことなんだが・・・

「私が彼をいろいろな場所へ連れて行ったのではなく、彼が私を横浜観光に連れて行ってくれた」と表現する方が正しい。

実際、彼の方が「これは、こういうものなんですよ」と説明してくれて、私が「そうなんですか。それは勉強になりました」と答える場面もあった。

「どっちが現地の人で、どっちが外国人観光客だよ」と言いたくなったのはあなただけではないと思う。

私から彼に提案できたことは「横浜でJRからみなとみらい線に乗り換えるのではなく、京浜東北線に乗り換えて桜木町まで行った方が交通費が安くなることを教えた」くらい・・・

・結論

たしか「世界まる見え」だったかな、スタッフが手を尽くしてネットで仲良くなった相手の住所を見つけ出して、実際に会ってみると全く違う人間のなりすましだったという番組が何度も放送されている。

このような番組の影響もあるのか、「ネット上の人間関係はすべて虚構だから、相手のことは絶対に信じてはいけない」という人もいる。

しかし、私が実際に会った人を見てみるとネットの中とほとんど(というよりも「全く」)同じ人たちだった。

だから、「実際に会ってみたら全然違う人だったので驚いた」という経験は全くない。

よくよく考えてみたら、私もネットで知り合った人に自分の性別(これは当たり前だが)、年齢、職歴、学歴を偽ったことはない。

そもそも、私には半匿名の相手に見栄を張ってウソをつこうとする理由が分からない。

かなり前の記事で「現実の人間関係できないことはネットでもできない」というようなことを書いたが、それはこの経験が基になっている。

というわけで、正しい準備をして安全を確保すれば、ネットで知り合った人と実際に会うことを恐れる必要はないと思う。

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