先日、スーパーで買い物をしていた時のこと。
私は飲料水のコーナーへ向かった。
目的はペットボトルに入ったお茶を買うことである。
この日購入する飲料水はこのお茶のみ。
目的の品を手にした私はすぐにこの場を立ち去ろうとしたが、ある物が目に入った。
・今まで全く気にしなかった値段
それはペットボトルに入った飲料水(ミネラルウォーター)の値段である。
値段は500mlで90円(税込み)だった。
ちなみに、この商品は大手飲料メーカーのもので、ローカルな銘柄だともう少し安い品も売られていた。
90円/500mlという値段は安くも高くもなく、ごく一般的だ。
しかし、私の頭はそこから思いもよらぬところへ向かっていった。
500mlで90円ということは1Lで180円になる。
ここまでは特段変わったことはない。
だが、この値段はよくよく考えると…
ガソリンよりも高いのではないか?
こちらのサイトで(この記事を作成している時点での)ガソリンの全国平均価格を調べてみると、1Lで167.3円だった。
やはり、ガソリンよりも飲料水の方が高い。
今は一時期に比べて落ち着いた感があるものの、ガソリンの値上げが生活に与える影響は大きく、物価高の象徴として、ニュースで取り上げられることも多い。
しかし、そんなガソリン価格よりも、人間が生きるために必要であるはずの「水」の方が、高額なのである。
私が知る限りだが、「飲料水が高過ぎるから生活が苦しい!!」と訴えている人は見たことがない。
ということは、ほとんどの人が、その事実にほとんど疑問を抱かないか、そもそも「この値段で当たり前」と割り切っているかのどちらかである。
…とまあ、回りくどく書いたものの、私は飲料水がガソリンより高くても、生活に困ると感じたことはない。
なぜなら、自宅の水道水を飲めば、遥かに安い金額で入手できるからである。
・水道水はまずくて飲めない?
私の実家は地下水を使っていた。
地下水はカルキ臭がなく、ミネラル分が豊富である。
そして、何といってもおいしい。
一方で、都心部で使われることが多い水道水は、カルキ臭や金属臭によって、妙な臭いや味がする。
水道水は品質管理が徹底され、塩素による殺菌や濾過設備によって、いつでも安全で衛生的な水が供給されている。
それは紛れもない事実であっても、地下水に慣れて育った人間にとっては、とてもではないが、飲める水ではない。
…と言われることが多いのだが、実を言うと、私はこの両者の違いが全く分からず、共に「蛇口を回したら出て来る水」としか思えない。
もちろん、都心部の水道水であっても、濾過装置なども使用せずに、そのままコップに入れて飲んでいる。
たまの帰省時に、同じ地元で育った親族や元同級生にその話をすると驚かれることが少なくない。
彼らも、今では多くが都会へ出て暮らしているが、「都会の水道水は飲めるものではなく、沸かしたり、混ぜたりしない限りは、水道水を飲まない」と言う人も少なくない。
地元で暮らしていた時は、お店で水を買ったことはなく、「誰がこんな物を買うんだ?」と不思議だったが、今では冒頭で紹介した500mlで100円近くするペットボトルの飲料水を購入しないと生きていけないようだ。
改めて、彼らの話を思い出すと…
飲み水にそこまでお金をかけて、家計が破綻したりしないのだろうか?
余計なお世話だが、率直にそんなことが気になる。
一部の人にとっては、文字通り「命に関わる物」であるペットボトルに入って売られている飲料水だが、「ガソリンよりも高い」ということを意識すると、私のような違いが判らない人間にとっては、今日からスーパーに並んでいる姿を見る度に、とてつもない高級品のように思えてくる(笑)