虐げられた職場に復讐する①:決意

1週間前に書いた記事で元同居人(仮名:C)について少し触れた。

その記事を書いた時は、近いうちに彼についての記事を書くつもりであった。

だが、私たちは数ヶ月間同じ家で暮らして、多少の世間話をしただけであって、特別な間柄になることはなかった。

私が引っ越す際に彼の連絡先を聞くことも無かった。

だから、彼と再会することはないだろうし、彼の生い立ちや考え方のような人物像は掴めそうにない。

というわけで、今日は彼から聞いた面白いエピソードを紹介しよう。

Cは私と年が近く、同じようにいくつもの仕事を転々としてきた。

だが、私が彼の話に共感できた理由は、彼も私と同じく「好きだった職場が派閥政治で一変した」という経験があったからであった。

しかし、彼は私のように黙ってただ職場を去るだけではなかった。

彼は自分を苦しめた者たちへはしっかりと「お礼参り」を果たしたのであった。

・人事異動で職場が地獄になる

これはCが地元に住んでいた時の出来事である。

当時の彼は大型販売店に惣菜販売のテナントを出している会社でアルバイトをしていた。

彼は元々料理が得意で、同僚にも恵まれて楽しく働いていた。

そう。

あの時までは・・・

彼が入社して半年後、彼の会社が別の店をオープンしたため、彼を可愛がっていた店長がその新しい店へ異動となり、本社からやってきた女性社員が新しい店長となった。

この新しい店長は、彼曰く、元々は事務の仕事をやりたくて入社した人物で、きつくて汚れ仕事も多い現場作業に回されて、勤務初日から不機嫌丸出しの(クソ)ババアだったらしい。

彼に倣って、ここでも彼女のことを「ババア」と呼ぼう。

先ほども説明したが、このババアと呼ばれる女性はこの仕事を真面目に務めるつもりはなかったようで、一刻も早く本社に戻ることしか頭になかった。

そのため、基本的に仕事はパートへ丸投げである。

包丁を握ることはめったになく、油を使う危険な料理は絶対にしない。

「仕事はしないが口も出さない」のであれば結構なのだが、このババア、商品の欠品が出たり、作業の流れが遅くなることは許せないようで、その度に彼らに対してきつい言葉を浴びせるのであった。

当初は「彼女は仕事に厳しいのだろう・・・」と思っていた彼だったが、次第に

「バカ!!」

「それくらい言われなくてもやれ!!」

「勝手に判断するな!!」

などと自分の都合で好き勝手に罵倒してくるババアに対して疑問を持つようになった。

当時の彼は職場では最年少であった。

そして、気が弱く、反論できない性格である(らしい)彼に付け込んだババアは次第に「若いから」、「男だから」という理由で、それまで元店長が担っていた雑用まで彼に押し付けるようになった。

雑用くらいならまだマシである。

本来なら店長の仕事であるはずの出先の店との調整や客からの苦情対応も彼に押し付けるようになった。

あんたは何のための店長だよ!?

彼が最も許せないと思ったのは「衛生規定」の完全無視である。

食品関係の仕事は衛生管理が非常に厳しい。

しかし、調理など関心がないババアはこの衛生規定を「時間の無駄!!」と考えて、ことごとく無視していたようだ。

とはいっても、料理が好きな彼はその方針に従えなかった。

その結果、彼の作業は時間がかかり、その様子を見ていたババアがさらに怒るという悪循環である。

・ババアが増殖してさらなる地獄と化す

1ヶ月後、不機嫌モード一辺倒のババアの表情が明るくなった。

だが、それはCにとって全く歓迎できることではなかった。

彼女が明るくなった理由とは、それまでババアの横暴な振舞を静観していた他のパートが次々と「ババアのお友達」と化したからである。

単にババアのご機嫌取りになるのなら喜ぶべきかもしれないが、ババアのお友達とは「一緒になって彼のことをいじめる」グループのことである。

彼はババアだけでなく、他のパートからもスコープゲートの対象となり、職場の不都合はすべて彼のせいにされた。

ババアがしつこく彼のことを糾弾するから、他のパートも「仕事が上手くいかないのは彼のせい」と思うようになったのか、それとも、自分が標的になることを恐れてババアに同調しただけなのかは分からない。

グループが形成されて以降は毎日が地獄だった。

私も同じような経験があるだけに彼の痛みはよく理解できる。

8人いた同僚は半分近くがババアの一派となり、彼が困った時に頼ることができるのは、元公務員で年金だけで十分暮らせるにもかかわらず、なぜかその職場で働いていた長老格のおじいさん一人だけ。

販売の仕事はシフト勤務であるため、彼が出勤でも、その味方のおじいさんが休みの日もある。その日は誰も味方がいない。

毎日、戦場へ行く思いで恐る恐る出勤して、何も起きなかったら「ホッ」として帰路につく。

これは私の想像だが、きっとこのような心境だったことだろう。

グループのメンバーはババアを真似て、彼のことを口汚く罵り、それを見た他のメンバーが笑顔も面白半分に彼のことをいたぶる。

そして、常にイライラが蔓延している職場で、彼をいじめる時だけは、グループは仲間意識と一体感を持つ。(まあ、そのためのグループなのだから当たり前か…)

悲しいかな。これが集団いじめである。

ババアが来て2ヶ月が経過した頃、彼は我慢できずに退職を決意。

しかし、彼はただ辞めるのではなく、ババアはもちろん、パートも含めた自分を苦しめた連中への復讐を決意した。

次回へ続く