8月に入ったこともあり、連日猛暑が続いている。
私は東京へ出てから一貫して電車通勤をしているのだが、夏場はこれが本当に苦痛だ。
今の住まいは最寄り駅から徒歩で15分の場所にある。
まだ8時前だというのに、15分も外を歩けば、汗でビッショリになってしまう。
顔の汗は拭取れるだけまだマシな方で、下着の方は汗が染み込んだことによる重さに加え、臭いもするので、凄まじい不快感を発する。
地元に住んでいた時は車通勤をしており、そんなことは一切なかったので、東京に出てからは夏が一段と嫌いになった。
そして、この時期は痛勤時間と並ぶもう一つの天敵がある。
それは・・・
トイレの中の熱気である。
・避難場所が灼熱地獄
冒頭でも触れた通り、私は電車通勤をしており、遅延のリスクを考慮すると、30分前には職場の最寄り駅に到着する。
駅から職場までは、社内に入ってからのエレベーターの上昇などの時間を含めても約10分。
つまり、何の障害もなければ、就業開始20分前には職場に到着することになる。
同僚と仲良く世間話が出来る関係であれば、真っ直ぐ職場に向かえば良いのだろうが、あいにく、そんな関係は築けていない。
というわけで、せめて10分前くらいまではどこかで時間を潰さなければならない。
私がその場所に選んでいるのはトイレである。
トイレの個室であれば、誰とも関わることなく落ち着いた時間を過ごすことが出来て、私自身、お腹が強くないので、これから憂鬱な一日が始まることに備えて、お腹を整えるながら、不安な気持ちを出し切ることができる。
この記事で書いたように、排泄のための場所で、それも勤務時間中に長々とスマホを弄るのであれば問題だろうが、トイレ本来の用途である排便も行うし、勤務時間前の10分くらいだから、許容範囲であると自分では思っている。
これは今の職場に限らず、事務職に就いて、自分の固定席を与えられてからはずっと続けている。
ところが…である。
真夏はこれが(トイレだけに)クソ程しんどい!!
テナント用のビルであれば、トイレ内の空調が整っていることもあるだろうが、就労している会社が、ここ数年はなぜか夏に限って、自社ビルなのである。
従業員用のトイレに、そんな豪華な設備を用意してくれる会社などなく、手洗い後に使用する紙や、エアードライヤーがないのは当たり前で、個室が一つしかない職場もあった。
当然、個室内は蒸し風呂のように熱い。
大量の汗をかいた状態でこんなトイレに入ったら、せっかく汗を拭っても、それを上回るペースで新たな汗が流れ出る。
こんな場所で10分間も過ごすなど、苦痛以外の何ものでもなく、とてもではないが、気分を整えるどころではない。
そういうわけで、最近は少し出社前のパターンを変えている。
それは、会社ではなく、下車駅のトイレで過ごすことである。
念のために言っておくと、こちらのトイレにも空調はない。
だが、冷房が効いた電車を降りた直後にトイレへ入るので、5~10分程度とはいえ、最寄駅から会社まで炎天下を歩いた後に入るのでは、全然違う。
こうして、先月から会社ではなく、最寄り駅のトイレを使い、少しでもマシな環境を手にしたつもりだったが…
・駅のトイレの落とし穴
ところが、駅のトイレも完全無欠というわけではなかった。
先ずは順番待ちすることがあり、その上、待っていたとしても、必ずしも時間内に入れるわけではないということである。
おそらく、「勤務開始時間ギリギリに職場に到着しよう」と考えている者も少なくないのだろう。
まあ、私にそれを批判する資格はないのだろうが…
次に入った後の臭いである。
駅のトイレは、職場とは比べ物にならない程、多くの人が出入りするため、前の住人の残り香が漂っていることもある。
たとえ順番待ちをせずにスムーズに入れたとしても、臭いが残っていることがあるし、順番待ちをして、出て来た人の顔を見た時は、妙にリアリティが増すのだ…
しかも、その駅のトイレは3つの個室が並んでおり、隣、2つ隣の住人の臭いがすることもある。
臭いだけならまだしも、肛門を拭く時にうっかり付着したのか、便座にウ〇コが付いていることもあった。
こういうことは職場のトイレではほぼほぼ起きない。
さらに、駅のトイレで時間を潰すと、会社に到着する頃は、出社時間が迫っているため、エレベーターが行列になっており、たとえやって来ても、定員オーバーになって1度目には乗れないことも多い。
会社の勤務フロアのトイレを使っていた時とは、会社への入室が20分前だったので、こんなことはなかった。
いかにも、途中で道草を食っているツケを払わせられている感がする。
こうなると、暑さがマシな点を除くと、職場のトイレの方が有利に思える。
だが、駅のトイレも負けてはいない。
職場のトイレは個室が2つなので、もしかしたら、隣のトイレは同じ部署の人が入っているかもしれない。
そんな状況では、うっかり独り言もこぼせないし、同じタイミングで部屋を出て、洗面所で顔を合わせたら、「もしかして、排泄やティッシュで拭取る音を聞かれたのでは…」と心配になる。
それに、私だけでなく、もう一人も同時に10分近くトイレを占領し、「そろそろ時間だ…」と思って出たら、順番待ちにイライラしている知り合いに鉢合わせすることだってあるのだ。
駅のトイレは匿名性が高く、このようなことを恐れる必要は全くない。
駅のトイレか、会社のトイレか?
このテーマは、避暑の問題に留まらず、秋以降も続く課題になりそうな気がする。