Made in Japanのブランドを汚すペテン師たち

先日、食材を保存するためにアルミホイルを出そうとしたら、開封済みの物を使い切ってしまった。

そこで、数日前に購入したばかりの新品の封を切ったのだが…

これが何とも使いづらい。

先ず、コストカットのためか、取り出し口に金属製の刃が付いておらず、紙製の箱に刃の形をした切れ目を入れているだけなので、上手く切り出せない。

そして、中身が箱から外れないためのストッパーは、側面の切込みに沿って、自分で取り付けなければならないのだが、これがまた上手く行かず、非常に扱いづらい。

もっとも、安物だから仕方ないのかもしれないが…

いつも愛用していたものが品切れだったということもあるが、1m当たりの単価を計算した結果、今回購入したものの方が安かったため、購入時は「得をした!!」と思っていた自分が恥ずかしい。

さて、そんなアルミホイルの箱を見渡していると、ある文字が目に入った。

それは・・・

Made in Japanではない

安かろう悪かろうのアルミホイルの外箱を眺めていた私の目に留まったのは

Designed in Japan

とデカデカと書かれた文字だった。

Designed in Japan」とは文字通り、日本で設計やデザインをしている商品ということになる。

「日本で生産した」という意味である「Made in Japan」ではないことに注意して頂きたい。

ちなみに生産地は中国のようで、先ほどの文言の近くに随分と小さい文字で「Made in China」と書いてある。

消費者にとっては、生産地に比べるとそこまで重要だとは思えない設計国を大げさに書くことは意味不明である。

中国産であることを隠したいのか、それとも「製造地は海外だけど日本製です」というヘリクツをこねているのか?

もしくは、「海外からも評価が高い『Made in Japan』を思わせる表記をした方が消費者にウケるだろう」という我々消費者をナメ切った幼稚な考えでも根底にあるのだろうか?

私は以前、食品販売の仕事をしていた経験があるが、2007年のミートホープや船場吉兆の事件以降、表示の偽装には一段と厳しくなり、「少しのミスでも許さない!!」と言わんばかりに取り締まりが強化された。

食品の表示に対してここまで厳しい対応を取るのであれば、工業製品にも同等の規制を設け、厳しく取り締まって欲しいものである。

・国辱にして面汚し

思い返せば、このような如何わしい表記を目にするのは初めてではない。

今から10年ほど前に「Made for Japan」という表記が話題になった。

私の身近の所では100円ショップで購入したノートで、その文言を目にした。

こちらは「海外で生産しているが、あくまでも日本の消費者が満足するよう作られた商品」という意味らしい…

いや、だから何よ!?

Designed in Japan」以上にどうでもいいわ!!

これらの商品ももちろん、別の場所に(意図したものか不明だが、小さく)生産国を記載している。

なんという醜悪さであろうか…

海外企業が「Made in Japan」のイメージに付け込んで、そのような表記をするのであれば、「あんたら自分の国にプライドないんか?」と呆れるか、せいぜい「誤解を招く表記を好ましくない」という消費者保護の問題に過ぎないだろう。

しかし、日本の企業が人件費をケチるため、海外に生産拠点を置きながら、「バカ正直に生産国を書くよりも『Japan』の文字を入れた方が、イメージが良いから」という破廉恥な理由で、生産国の方を目立たないよう小さく表記するのは、「海外への侮蔑的な態度を露にしている」と言わざるを得ず、とんだ国辱ものである。

もっと分かり易く言えば、日本の恥だ

しかも、それでいて私が購入したアルミホイルのように低品質の商品を流通させているのだから開いた口が塞がらない。

商品の出来が悪いのは仕方ないにせよ、努力を放棄した上に消費者を欺くことしか考えていないペテン師共は「Japan」ブランドの面汚しと言えよう。

我が国の製造業の劣化は思った以上に深刻である。

幸い、そんな気持ち悪いフレーズに躍らせれて、「良く分からないけど、『Japan』って書いてあるから安心」と喜びながら購入するバカが(少なくとも私の周りには)一人もいないことは救いである。

これ以上、日本のイメージが悪化しないように、国辱面汚し企業は我々の手で粛清しなければならない。

ちなみに「Made in Japan」についても、「生産地こそ日本であるものの、前線に立って生産しているのは熟練の技を持った日本人ではなく、奴隷労働と批判されている外国人実習生が大半を占めるのでは?」という懐疑的な意見もあるが、今回はそれについては触れないことにする。

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