3年前にメールをくれた読者と再会する

今月の初旬、ブログのお問い合わせフォームからメールが送られてきた。

件名には「ご無沙汰しています」とあったため、かつてやり取りをした相手なのだろうか?

期待に胸を膨らませながら、メールを開けてみると・・・

・タカシ君、カムバック

今回メールを送ってくれたのは、かつてこのブログでも登場したタカシ(仮名)という青年だった。

この社会や働き方に対する私の主張に心から共感した彼は、「弟子になりたい!!」と申し出たのである。(その時の話はこちら

私は弟子を取るような人間ではないし、弟子が来たところで教えることも、手伝ってもらうこともないため、その時は彼の身の上話を聞いて、今後の進路の話をした。

つい最近のことだと思っていたが、2020年の年明けのことだったので、もう3年も前のことになる。

その後は何度か近況報告をしてくれたことがあり、初対面の時の工場の派遣の仕事を期間満了で退職し、親戚が経営している小売りの仕事を手伝っているということは聞いていた。

それでも最後の連絡は同年の秋だったため、2年半ぶりの再会となった。

彼は私との連絡を絶った後も、ずっとブログを見てくれていたという。

最後の連絡から2年以上経った今、彼がメールを送ってくれたきっかけは、今年の年明けに書いたこの記事を読んだことである。

彼のように、読者の方とメールのやり取りを通して、人生観の話をすることはこれまでに何度もあったが、昨年は一度もなかった。

私はそのことに少し寂しさを感じた。

弟子入りを断ったことも含めて、彼は自分が疎まれていると思って連絡を控えていたようだが、「そうじゃないのかも」と思い、メールを送ることにしたらしい。

初対面の時に21歳だった彼は、今や24歳である。

私にとっては3年前など昨日今日の世界であっても(実際に最近は「2020年と2021年」、「2021年と2022年」の区別が付かなくなってきている)、彼はこの3年の間に多くのことを経験したに違いない。

今回の再会を機に、そんな話を聞くことが楽しみだった。

・先が見通せないからこそ

タカシは今も同じ仕事を続け、留学(ワーキングホリデー)へ向けて英語を勉強している。

手前味噌で恐縮だが、海外挑戦という道を発案したのは私である。

3年前、私のブログを手伝いたいと言ったに彼に、私はこんなことを言った。

「今の生活が不満なら、英語を勉強して海外で生活するというのも一つの手だ」

「そこで充実した生活を送り、その様子をブログで発信すれば、私などより遥かに多くの人に勇気を与えることが出来るのではないか?」

当時はまだコロナが蔓延する前だったので、彼も前向きに捉えてくれた。

だが、その発言から1ヶ月も経たないうちに各国が外国人の入国規制を設け、いつ解除されるかも不透明になった。

彼が昔の私と同じく独学で英語を勉強を始めたことは聞いていたものの、そんな状況では海外へ行くというモチベーションを保つことも難しいだろうと思っていた。

しかし、彼は全く逆に、そのような状況だからこそ、数年先を見据えてじっくりと取り組めると考えていた。

自粛ムードで「リア充」と呼ばれる人が活動を控えたことも、自分を彼らと比較して、焦ったり、嫉妬せずに済んだらしい。

そして、3年目を迎えた昨年秋、英検2級を取得。(これまた手前味噌だが、英語の勉強や参考書選びについても、このブログの記事を参考にしていたとのこと)

資金もほぼほぼ貯め終えたため、機会を見て、最初の目標だったオーストラリアへ向かう予定だという。

・心からの祝福

タカシの現状を聞いた時は嬉しかった。

3年前、憎しみに満ちて、生きる目標もなく彷徨っていた彼が、私との出会いをきっかけに、未来へ羽ばたこうとしている。

だが、同時にこうも思った。

「もう、彼は私を超えているんじゃないか…」

私は英検2級を取得したのは5年目である。

3年目といえば、3級と準2級の試験に落ちた2年ぶり二度目)頃だし、終盤にようやく、本来であれば学習開始直後に身に着けるべき文法やリスニングのレベルに辿り着いたばかりだった。

語学力だけではない。

彼の「海外へ行くんだ!!」という意気込みも、若い頃の私よりはるかに強い。

オーストラリアにせよマレーシアにせよ、断念したのには病気や急激な円安、語学力といった理由があったわけだが、常に「今年、もしくは翌年どうするか?」という目先のことしか頭になく、彼のように強い意志も、3年先を見据えてコツコツと努力することもなかった。

彼の出発の日は未定だが、きっと現地でも成功するに違いない。

連絡が途絶えてからも彼のことは気にかけていたが、成長した今の話を聞いて安心した。

彼はブログこそ始めていないものの、あらゆる面で私を超えているのだから、私から彼に教えることなど何もない。

もう私に対して「弟子入りしたい!!」なんて思うこともないだろう。

決して、疎ましいからでも、ケンカ別れをするわけでもなく、私は彼の旅立ちを心から祝福している。

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