私はかれこれ10年以上年賀状を書いていないが、家族や友人にはメールで一言伝えている。
これはネット上で交流がある外国の友人に対しても同じである。
前年に何らかのやり取りがあり、喧嘩別れをしていない人には、とりあえず全員に送ることにしている。
この習慣を何年も続けているが、やることは定型文を送るだけなので、そんなに苦しい作業ではない。(※:サイトによってはコピペメールを大量に送信すると、迷惑行為と判断されることもあるので注意)
普段と同じ何気ないメール送信だが、「あけましておめでとう」のメッセージを海外へ向けて送る時は注意しなければならないことがある。
それは時差である。
日本ではすでに新年の1月1日に突入しても、相手の国はまだ12月31日であることが多い。
というわけで、送る順番は念入りに確認しなければならない。
最初に送ることにしたのは韓国人である。
日本と韓国には時差がないため、彼らには日本人と同じ感覚でメールを送ることができる。
だが、その作業中に予期せぬことが起きた。
これが、2022年最初の驚きである。
・新年一発目の驚き
今年最初の驚き、それは2年間やり取りをしていた韓国人の少女から、突如連絡先を削除されたことである。
たしかに、ここ数ヶ月連絡を取っていなかったが、それはこれまでも珍しいことではなかった。
私としては、新年の挨拶を機に久しぶりに話ができればと思っていたが、それを果たすことはできなかった。
今日はそんな彼女の話をさせてもらいたい。
彼女と知り合ったのは2年以上前の2019年7月で、当時の彼女は高校を卒業したばかりの19歳だった。
韓国と言えば、大学進学率が高いことで有名だが、彼女は大学に通わず、パソコン操作を覚えるための職業学校に通っていた。
彼女は日本のアニメを見て育ったこともあり、日本について興味があった。
そんなこともあり、最初はお互いの国の話をした。
彼女は、普段は英語を使用していたものの、時折日本語でメッセージを送ってくることもあった。
とはいっても、私と彼女は年の差が10歳近くあり、私から見れば、彼女は「まだ子ども」である。
その上、彼女が興味を持つのはあくまでもアニメや漫画の話である。
その手の話が得意ではない私と話が盛り上がるわけもなく、2ヶ月も経つと次第にネタ切れとなった。
・こっちは疲れてんだ!
「彼女との関係も自然に消滅するだろう」
そう思っていたが、意外にも彼女からLINEの交換を提案された。
もっとも、場所が変わったところで、話が盛り上がるわけではないが。
だが、彼女は、私が個人的な連絡先を教えたことで舞い上がったのか、これまで以上に連絡の頻度が増え、内容も「今日は何をした?」というようなプライベートな質問が多くなった。
国や年齢は異なるが、以前も同じような人がいた。
その時は私が突き放したことで、彼女から連絡先を消されたものの、後になって振り返ってみると、「別のやり方もあったのでは…」と若干の後悔や反省もあったため、同じことは繰り返さないようにするつもりだった。
しかし、その時の私は日雇い生活の真っただ中であり、それどころではなかった。
「こんな時に毎日英語のメールなんて書けるか!」
そんな私の思いとは対照的に、彼女からは続々と催促のメールが送られてきた。
それも尋常ではないぐらい。
しかも、私の目に留まるようにしているのか、LINEのアカウント名も「Hi! Tetsu!」へと変更してきた。
「何、このメンヘラ?」
「こっちは疲れているんだ!!」
そうブチギレたくなったが、彼女はまだ子どもである。
ここは正直に私の状況を説明することで、なんとか納得してもらった。
・間が悪過ぎた
その後は私も次の仕事に就いて、生活も安定したことで、一週間に1,2通のペースで連絡を取り、近況報告をしていた。
彼女の方も精神的に落ち着いたのか、LINEのアカウント名も本名と思われるハングル文字へ変更した。
だが、数ヶ月後にはコロナウィルスの影響が世界的に広まり、彼女も外出を自粛していたためか、次第に話題も尽きてきた。
そのため、彼女との連絡も1ヶ月に一度、その後は3ヶ月に一度のペースまで落ちたが、それでも辛うじて繋がりは保っていた。
最後の連絡は数ヶ月前、これまでと同じ定期連絡で、彼女の様子も特に変わりはなかった。
そして、今年の元日にお祝いメールを送るために、彼女のアカウントを探すと、2週間前にアカウントを削除していたことが判明した。
ここ1年のことを振り返ると、いつ愛想を尽かされてもおかしくなかったが、それでも2年間やり取りを継続していた人からバックレられることは少なからずショックだった。
彼女とのやり取りを振り返ると、つくづく間が悪かったと思う。
先の日雇い派遣の時もそうだが、彼女が「構って病」の発症した時に私がトラブルを抱えて相手をできないケースがもう一度起こった。
それが、私のパソコンが壊れて返信ができなかった時である。
また、昨年の終盤に、韓国人とは無理に英語で話をするよりも翻訳ソフトを通してやり取りをする方が賢明だと気付いたため、「これからは彼女とも翻訳ソフトを使って話をしよう」と思ったが、彼女はその直前に姿を消した。
ちなみに、彼女とはHi!Penpal!で知り合ったが、後にInterPalsでも連絡先を交換した。
結果的に無事だったものの、パソコンが壊れた時に、LINEのアカウントが消滅することを恐れて、別のルートを確保したかったからである。
だが、彼女はInterPalsに1年以上ログインしていない。
そのため、私がそこでメッセージを送っても二度と返信してくることはないだろう。
ここ1年は連絡を取っていたとはいえ、彼女の暮らしがどのように変化したのかは一切把握していなかった。
彼女はもう私のことなど必要としていないことは確かである。
彼女には、私のことなど完全に忘れてしまうくらい幸せに生きてもらいたい。
今日は2022年一発目の驚きの話をした。
次回は今年二度目の驚きについて話をしたい。