留学していたフランス人の友人が帰国した

先月末、知り合いのフランス人が帰国した。

そのフランス人とは過去にこのブログで何度も登場したロビン(仮名)である。

・彼への思い

ロビンは2018年の6月から2年近く、大阪の語学学校で日本語を学んでいた。

今の(20205月)日本は緊急事態宣言が発令されており、彼が通っていた語学学校も閉鎖されているが、彼の帰国はコロナウィルスが原因ではなく、元々、この時期までの滞在予定だったらしい。

彼は日本を離れる前日、LINEでこんなメッセージを送ってきた。

2年前に来日して以降、いろいろなことがあった。今はそのことを思い出して、泣きそうな気分だ」

初めての滞在ではないとはいえ、ろくに言葉も通じない国で長期間暮らしていた彼には思うことがたくさんあったのだろう。

彼のことを考えていると、なぜか私も感傷的になって、彼との思い出が頭に浮かんだ。

彼とは今から3年前の20178月にInterPalsで知り合った。

知り合った当初は他のユーザーと同じようにお互いの暮らしや旅行へ行った国の話をしていた。

そして、その年の10月に彼が短期留学で来日するため、私たちは実際に会うことができた。

しかし、お互いにネットで知り合った相手と直に会うことは初めてであったため、何をしていいのかわからず、結局ネット上と同じような会話をしながら、彼の住まいの最寄り駅まで街を歩くことになった。

その気まずさもあり、その後は数ヶ月の間、連絡を控えていたが、再び連絡を取り始めた2018年の5月に彼が再び日本へやって来ることになった。

だが、今回の滞在ではこれまでのようにバイトや友達探しが上手くいかず、私に弱音を打ち明けることも多かった。

そんな様子を見ていた私は、申し訳ないが、彼が先月まで日本に滞在を続けることができるとは思っていなかった。

彼が日本へ留学したきっかけは日本人と結婚して日本に滞在し続けることである。

「日本が大好きでこれからも日本に住みたい」と言っているが、彼が私に日本語のメッセージを送ってくることは一度もなかった。

私が日本の働き方や社会問題の話をしても一切応じなかった。

そして、語学学校のクラスメートや寮のルームメイトとは一切交流をしない。

また、滞在費はバイトで稼ぐことが前提であったものの、半年以上、仕事を見つけることができず、昨年の6月頃には帰国の危機に瀕するという迷走ぶりだった。

彼が日本へやって来た理由は、はっきり言って、母国での生活が上手くいっていないから、日本で人生をリセットしようと考えているようにしか思えなかったが、それでも彼には自分の短所を改めようという姿勢が見られなかった。

そんな彼が任期を全うしたのだから、本来の目的だった花嫁探しは果たせなかったが、本当によく頑張ったと思う。

・お互いの心残り

私はこのブログで、ロビンの行動に疑問を呈することがあった。

彼から「日本で暮らしたい!! 日本人と結婚したい!!」と聞く度に

「そんな夢みたいなことを考えていないで、国に帰って真面目に働いたらどうだ?」

と言いたくなったことは何度もあったが、私も同じような言葉をしつこく浴びせ続けられている身として、彼の気持ちは分かっているつもりだった。

だから、彼にはどうしても自分の夢を掴んでほしいと思い、陰ながら応援していた。

そして、たとえ言葉が通じなくても、憧れの国で生きていこうとする彼の行動力と果敢さが羨ましかった。

私の心残りは、今回の彼の日本滞在中に直接会うことができなかったことである。

実は3年前に会った時は1枚も写真を撮っていなかったため、今度会う時はどうしても一緒に記念の写真を撮りたいと思っていた。

彼が再び日本へやって来るのかはまだ分からない。

ちなみに、彼にも心残りはあるという。

それは今回の滞在で日本語検定などの資格を一切取得できなかったことである。

卒業前にN2(日本語検定2級)の試験を受けたらしいが、合格点90のところ、81点で不合格だったらしい。

いや、いきなり2級の受験なんて無謀なことをしないで、最初に3,4級から受けなさいよ。

何とも彼らしい最後だった。

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