およそ1年前に、ブログの身バレに関する記事を書いた。
その記事を書いて以降、ブログで取り上げたエピソードは日常生活(特に職場)では絶対に口にしないよう心掛けていた。
しかし、数ヶ月前に、思わず口にしてしまい、帰宅後、大慌てでブログの内容を修正する事態に見舞われてしまった。
その上、修正作業も一筋縄にはいかなかった。
今日はその時の話をしたい。
・一か八かの賭けに出るしかない場面
私がブログで紹介したエピソードを口外してしまったのは、ビジネスの場でのことである。
ただし、職場ではない。
数ヶ月前、当月限りで仕事の契約が終了することになっていた私は、次の仕事を探していた。
私が口を割ってしまったのは、その時の面接(派遣の仕事なので、厳密に言えば「職場見学」)の場だった。
その席で、担当者から「これまでに仕事で○○の大切さを実感した経験はありますか?」と聞かれた私は、その答えとして、かつてブログで紹介したエピソードを話した。
念のために言っておくが、私はうっかり口を滑らせたわけではない。
「これはブログに書いたことだから、ここで話すのは…」と分かっていたが、話さざるを得なかった。
なぜなら、面接では基本的に一発勝負となり、ここで話を繋げなければ、その後の挽回するチャンスを失ってしまう。
そのため、危険を承知で一か八かの賭けに出るしかなかった。
もしも、職場で上司や同僚とお喋りをするだけであれば、絶対に口を割ることはなかっただろう。
そもそも、同僚と楽しくお喋りをするキャラではないし、仮にその場を白けさせたとしても、その後の仕事でいくらでも取り返すことができるから。
・閲覧数が少なくても消せない
面接を終え自宅に帰った私は、直ちに該当記事を削除するつもりだった。
身バレのリスクを考慮すると記事ごと削除して葬り去ることが一番である。
幸か不幸か、その記事は検索エンジンからは全く評価されておらず、閲覧数も平均で月に10件もない。
面接で、その記事のエピソードを話したのも、「不人気の記事だから、どうせ後で削除すればいい」という算段があったからである。
人気記事の内容であれば、質問にピタリとハマる体験談でも絶対に口にしなかっただろう。
だが、事はそう上手くは進まなかった。
なぜなら、「詳しい話はこちらの記事で」という形で、その記事のリンクを貼っている別記事が多数存在しており、記事を削除してしまうと、それらの記事にも影響が出てしまうからである。
そんなわけで、安易に削除することはできず、時間をかけて、面接で話したエピソードをぼやかしたり、一部の表現を変更することにした。
ブログを始めておよそ3年が経過した。
それだけブログを続けていると、しがらみが増え、今回のケースのように思わぬところで身動きが取れなくなってしまう。
これまで300本を超える記事を書いてきたが、多くの人の心に残る記事などほんの一握りで、大多数はそもそも読まれないか、一度読んでもすぐに忘れられるかのどちらかである。
人気記事は多く人の目に触れるため、「その記事で書いたことは絶対に口にできない」と自制心が生まれるが、1ヶ月に1件閲覧されるかどうかの記事に書いたエピソードですら、万が一の可能性に備え、口外できないことを考えると、ブログに書くことによるマイナスの影響の方が大きい気がする。
・選択によっては違う世界に進めたかも…
「職場」と「ブログの話」という2つのテーマを考えていると、以前の職場のことを思い出した。
前職は短期の派遣の仕事に就いていた。
その仕事は作業量に波があり、1日の間に2,3時間の待機時間が生まれることが珍しくなかった。
その間は、お菓子を食べたり、スマホを弄ったりと自由に過ごすことが出来て、隣の席の人と談笑することも多かった。
そこで、同じ部署の女性が、隣の席に座っている同僚に自身が書いているブログの話をする様子が聞こえてくることが度々あった。
彼女は某有名アニメキャラクターが大好きで、そのグッズや、映画、テーマパークに遊びに行ったことを中心にブログを書いているという。
決して、訪問者もアクセス数も決して多いブログではないが、読者から送られてくるコメントに返信したり、情報を共有したりして交流を楽しんでいるらしい。
そんな話を楽しそうに語る彼女を見ていると、「このブログも当初の路線を継続していたら、職場での身バレを恐れるどころか、私も彼女のように同僚と楽しくブログの話で盛り上がることができたのかもしれない」と思ってしまう。
もっとも、今の路線に進んだことで、出会えた人たちもいることも事実だから、悔いがあるわけではないけど…
ちなみに、私が口を割った面接の結果であるが…
不採用だった。
リスクを冒してまで必死にプレゼンしたにもかかわらず、落とされたことは残念だったが、正直、ホッとした気持ちもある。
だが、同席していた派遣会社の社員とは、これからも付き合う可能性がある。
ブログを続けている以上、これからも同じようなしがらみに直面する場面が少なからず出てくるだろう。