仕事中に私用のスマホを扱う人は本当にサボっているのか?

およそ4年前の201912月、こんな記事を書いた。

主要なポイントをざっと振り返ると…

  • 同僚が勤務時間中にたばこ休憩を取ることに不公平感を持つ人もいるが、私はそのような感情は一切持っていない。

  • 理由はいろいろあるのだが、一番は当時の職場にたばこ休憩など屁でもない程迷惑は息抜きを行っている人物がいたから。

  • その迷惑行為とはトイレ(大の方)に籠ってスマホを扱うこと。

  • 当時の私が働いていた職場は複数の企業がオフィスを構えるビルで、トイレの個室は4ヶ所あったが、常に45人の列があった。

  • そのため、自分の順番が回ってくるまで10分以上待つこともザラだった。

  • 中から出てくる時にスマホを手に持っている者も少なくなく、トイレで私用のスマホを使っていたことが伺える。(業務用であれば、トイレで用を足した後に、手も洗わず使うとは考え難い)

  • これは大変な迷惑行為であり、それに比べたら、一人で抜け駆けしてたばこを吸うサボりの方が遥かにマシである。

この記事はコロナ渦前に書いたものであり、当時に比べるとオフィスの混雑具合は多少緩和される等、変化もあったが、私のスタンスは今も変わっていない。

ただ、一点だけ気になる表現があった。

それはこちら。

「百歩譲って、仕事中であっても事務所や作業場で堂々と扱うことは容認できる」

これも決して、思ってもいないことを書いたわけではないのだが、少し補足が必要だと思った。

それはあくまで「トイレで隠れてコソコソ遊ぶことに比べると…」という相対的な意見である。

堂々と扱った結果、怒られたり、クビになることがあっても、それは自己責任で済むから、「トイレを占拠して他人に迷惑を掛けることに比べたら遥かにマシ」というだけで、勤務時間内に個人のスマホを覗くこと自体には批判的だった。

だが、今では少し考えが変わり、「まあ、それも仕方ないか…」と思えるようになった。

・これが事務職の実態

先ず断っておくが、私は以前から「職場とは真剣に働く公の場であり、いかなる理由があろうとも、個人のスマホを開いてはいけない!!」とまでは思っていなかった。

家族の事情ですぐにでも連絡を取る必要があったり、天災で自宅が被災した場合の対応などは仕事中でも、自席にスマホを置いて、着信があればすぐに取ってもいいと思っていた。

しかし、実際は「それ、仕事中の今じゃなきゃダメ!?」と言いたくなるような下らない理由で扱っている同僚が大半だった。

たとえば、ネット通販の宅配状況や、世間話でディズニーランドの話題となり、盛り上がっていたものの二人の認識のズレから「どっちが正しいのか?」について議論が起こり、決着をつけるために調べたりと、おおよそ仕事とは関係なければ、緊急事態でもないものがほとんどだった。

トイレに籠ってコソコソと扱い、他人の利用を妨げる人間は筋金入りのクズだが、彼らも大概である。

少なくとも、たばこ休憩を取る人間を非難する資格はないだろう。

また、会社のコンセントで堂々と充電するバカもいた。

もちろん、上司に許可を得たりはしていない。

どんな権利意識があるのか、清々しい程のツラの皮の厚さである。

というか、それは電気代の横領ではないのか?

私は5年程前まで、販売や工場といった職に就いており、それらの仕事では業務上必要となる筆記用具、メモ帳、工具のみポケットに入れて、その他の私物はロッカーに入れていた。

役職もない身としては、仕事中に電話をすることもないので、スマホ(当時は携帯だった)をポケットに入れるなど有り得なかった。

ところが、直近はもっぱら事務仕事に就いており、それらの仕事では、たとえロッカーを貸与されても、私物を鞄ごと足元や机の引き出しに置くことが当たり前となり、仕事中であってもスマホを取り出すことが容易になった。

人間とは弱い生き物で、そんな環境ではスマホの誘惑に勝てず、仕事中であっても平然と扱ったり、机の上に置き、着信があれば、メールを返信したり、廊下に出て通話することが当たり前と化している。

現場で立ち仕事や汚れ仕事をしている人が聞いたら唖然とするかもしれないが、事務職ではこんな公私混同が横行している。

そんな連中が冷暖房完備の部屋から偉そうな顔で現場に指示を出していることを知ったら、額に汗水流して肉体労働することなどバカらしくなり、誰もが事務職をやりたがるだろう。

・どんだけ人のことを信用していないんだ!?

仕事には給料と職務記述書に記載された職務以上の責任感など全く持っていない私であるが、さすがに仕事中に私用のスマホを扱うことは自重していたし、そんなことを平気でやる人間には嫌悪感を持っていた。

しかし、最近は、一概にそうとは言えない気もしてきた。

その理由は、職場のパソコンがあまりにも不自由だからである。

決して、パソコンが旧型であるとか、低性能というわけではない。

不自由さの原因は、フィルタリングによって、必要以上にネットの閲覧制限が掛けられていることである。

たとえば、Excelの数式や基本操作で上手く行かない時は、ネットで調べるのだが、企業のオフィシャルサイトではなく、個人のブログだからという理由で数えきれない程ブロックされた。

全く持って意味不明である。

これらは仕事で必要な情報が載っている可能性があるから閲覧したいのであって、遊んでいるわけではない。

しかも、Yahoogoo等のQ&Aサイトは、「なんか恨みでもあるのか?」と感じるくらい問答無用でブロックされた。

この記事に書いたように、何でもかんでもネットで検索して解決することは好ましいとは言えない。

だが、会社が用意したフォーマットがヘッポコなのだから、個人のブログだろうが、Q&Aサイトの回答だろうが、ネットの情報に頼らなくてはいけないのである。

それらの情報が如何わしいと思うなら、「そんな情報を必要としない完璧なものを自分たちが作れ!!」と言いたい。

ちなみに、業務上、どうしても閲覧が必要な時は解除することもできるが、その度に従業員IDを入力して、どんなサイトをどんな目的で閲覧したのかを事細かに報告しなければならない。

あんたら、どんだけ従業員のことを信用していないんだよ!?

本当に不愉快だ。

また、隣の部署の人は、出張のために交通機関の時刻表を調べようとした際もブロックされたという。

一応、専用のアプリがインストールされている社用のスマホを使うことで、何とか対応できているようだが、その人は私と同じスマホよりパソコン派で、「以前は、パソコンで楽に調べることが出来たのに!!」とかなりご立腹だった。

その気持ち、よく分かります。

この会社は、照明を間抜きしたり、冷暖房の使用も極限までケチる会社だったのだが、「よくもまあ、こういうことに関しては時間もお金も惜しみなくかけているな」と感心した。

こんな会社で働いていると、目の前で同僚がスマホを取り出しても、「あ、もしかして、調べたい情報があるけど、ブロックされたのかな?」と同情的な目で見るようになってしまった。

たとえ、大半が仕事とは関係がない目的で使っている場合であっても。

少なくとも、パスコンのネット検索にフィルタリングを設定している会社には、私用のスマホを扱うことを禁止する資格などない。

これはあくまで一クソ企業の話であり、極論かもしれないが、職場で私用のスマホの使用を禁止するのであれば「調べ事があるなら、使用のスマホではなく、会社のパソコンで自由に調べてください」という姿勢は見せるべきである。

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