・子どもだけの流行語ではない
2023年も残り2ヶ月半になった。
1年を振り返るには少し早いが、気温も徐々に下がり、年末の雰囲気も漂ってきた。
年末といえば、新語・流行語大賞。
といっても、最近は「何それ? 誰が使っているの?」と感じるものも少なくない。
ちなみに、昨年の大賞やトップテン入りしているものは、「たしかに」と思えるものは…(以下、自粛)
新語・流行語大賞(2022)年間大賞は “村神様” | NHK
だが、一方で、「進研ゼミ小学講座」が調査した「小学生の流行語ランキング2022」については、大いに見覚え(聞き覚え)があった。
「それってあなたの感想ですよね」小学生の流行語1位に ひろゆき本人もコメント – ITmedia NEWS
昨年の小学生流行語第一位は「それってあなたの感想ですよね」だそうである。
この言葉は今から8年前の2015年に「ビートたけしのTVタックル」で「ネットに規制は必要か?」が議論になり、規制賛成派の古谷経衡氏が「インターネットの生放送や動画によってユーザーを巻き込む形で投稿者が快感を得ている」と主張した際に「明らかに」という言葉を使ったことに対して、ひろゆき氏が反論したものである。
彼がこの言葉を使ったのはこの時限りだそうだが、放送以来、その発言が瞬く間にネットで話題となり、8年が経過した今でもYouTubeのコメント欄には未だに多く見られる。
おそらく小学生だけではなく、大人でも使っているのではないだろうか?
この前は職場でも「事実のように言っているけど」と前置きして、使っている人を見かけた。
その姿、痛々しいのなんのって、この時以来、久々に「キモい」という言葉が頭を過った。
この発言をする者は、自分をひろゆき氏と同一化し、論破王にでもなった気でいるのかもしれないが、その様子を傍目で見ている人はどんな気持ちになるのだろうか?
「さすが!! この人は頭が良い!!」
なんて感心する人がいると思って、使っているのであればお笑いである。
あのフレーズは、ひろゆき氏が使うから面白いのであって、別人が口にしたところで、それは狩野英孝氏以外の人物が人前で堂々と「僕、イケメン!」と豪語しているような赤面ものなのである。
それに、彼らはそれを言われた側の気持ちを考えたことが一度でもあるのだろうか?
データの裏付けがない主観を述べることは誰にでもある。
自分が承服できない意見に対してはバカの一つ覚えのように、その言葉を連呼しているのだから、自分も同じく根拠が乏しい主張をした際は同じ言葉を突き付けられることが筋だが、その覚悟はあるのだろうか?
実は、ひろゆき氏のTVタックルでの発言以前に、そのような局面に遭遇したことがある。
・それは君の主観だよね?
このブログでは度々10年程前に働いたコンビニのブラックバイトの話をしている。
その職場はオーナーも、副店長も大概だが、夜勤のシフトで相棒だった軍曹(仮名)も一癖のある人物だった。
彼は私の5歳年上の男性。
自衛隊出身で、常にハキハキとした大きな声で受け答えし、オーナーに絶対的なまでに忠実(な犬)だった。
私も含めた同僚が仕事や職場に不満を言うと、口癖のように
「他所は他所、ウチはウチ」
「ここで通用しないなら、どこに行っても通用しないよ」
という社畜の常套句(実はこの2つは矛盾しているが…)が出てくる。
こんな人でも大学は法学部を出ているらしい。
そんな彼のもうひとつの口癖が、「それは君の主観だよね?」だった。
具体的な使用例を見てみよう。
【Case1】
軍曹:「最近、A(仮名。同僚のアルバイト)の仕事ぶりが悪いってオーナーが嘆いている」
早川:「え、そうなんですか? Aさんは『とても仕事が出来る人』という印象がありますけど…」
軍曹:「『Aが仕事が出来る』というのは君の主観だよね?」
【Case2】
早川:「清掃の手順なんですけど、いつもの順番じゃなくて、こっちからやった方が効率が良くないですか?」
軍曹:「それは君の主観だよね?」
このように、彼は私がオーナーに命じられたことに疑問を持つと、毎回その言葉で封殺しにきた。
彼が完全なる思考停止で、オーナーに忠誠を誓い、尻尾を振るだけであれば大いに結構だが、毎回出てくるその言葉には正直ムカついており、やり返す機会を伺っていた。
・そっくりそのままお返しする
退職申請拒否事件以来、私はオーナーのことを良く思っていなかった。(ハッキリ言って「大嫌い」だった)
軍曹も私の気持ちを察していたようだが、オーナーの忠犬である彼はどうしてもご主人様を擁護したかったようでこんなことを言った。
これは私にとって絶好の機会となり、これまでに彼が吐いた言葉をそっくりそのままお返しすることにした。
今までオーナーを擁護するために、その言葉を連呼していた彼が、ご主人様を守ろうとした発言により、逆にその言葉を突き付けられるという見事なまでの立場の逆転。
皮肉とさえ言える(笑)
すると彼は・・・
「もう、いい!!」
と大激怒してヘソ曲げた。
人のことは散々いたぶっておきながら、自分が同じことをされたら、怒るとは何という幼稚さだろうか。
断っておくが、私は彼が「オーナーは優しい」という主観を述べたこと自体にツッコミを入れたわけではない。
彼が日頃から、私の意見に対して「それは主観だ!!」としつこく言ってくるので、これを機に「人の痛みと自分の愚かさを知れ!!」と思って、言い返しただけである。
もし、彼が一度もその言葉を使わなかったなら、私もこんな意地悪なことはしない。
彼が自分のことを「公正中立な目を持っていて事実のみを認識する神のような存在」だと思い込んでいる筋金入りのバカであればどうしようもないが、人間である以上、主観で発言することは誰にでもある。
事実、彼は日頃からしつこいくらいそのことに付け込んでいた。
にもかかわらず、自分がそのことを指摘されたら、「不快な気持ちにさせられた!!」と被害者意識でいっぱいになり逆ギレするとは身勝手の極みである。
この記事で取り上げた「自分も殴られて同じ痛みを受ける覚悟がある人間だけが体罰を肯定せよ」と述べたが、それはこの言葉についても同じだと言える。
というわけで、発情期のように「それってあなたの感想ですよね?」と連呼して、散々人のことを煽っているバカに手を焼いている方は、その場は一旦引き下がって、その人物が隙を見せたら、思いっきりナメきった態度で、全く同じように
「それって、あなたの感想ですよね?」
「そういうデータとかあるんですか?」
と特大のブーメランを投げつけてみよう。
素直な子であれば、二度とその言葉を使わなくなるだろう。
軍曹のような底意地の悪い人間は逆ギレするかもしれないから注意してね。