・今、自分がやっている仕事は…
私は4月から新しい職場で働き始めた。
仕事の内容は事務だが、いわゆる「一般事務」ではない。
働き始めておよそ2ヶ月が経過した今の感想は…
「長期の案件だが、長くは持たないだろうな…」
決して、仕事が嫌いなのではない。
私が嫌いなのは…
それは前々回の記事で取り上げた通りである。
恐らく長くても半年程度だろうから、今の職場については年末頃に思う存分ディスらせてもらう。
昨年のように、「退職数日前に心変わりしなければ」の話だが…
さて、ゴールデンウィーク最終日の夜、私は近年にない程のサザエさん症候群に陥り、ネットで少しでも気持ちを整えることが出来る言葉を探していた。
…だったのだが、いつの間にか検索ワードが「〇〇(←職種) つらい」といったネガティブなものへと変わっていた。
私が嫌いなのは仕事ではなく会社なのだが、自分と同じ悩みを抱えている人と少しでもつながりたいと感じていたのかもしれない。
すると、某相談サイトで私と同じ仕事をしている女性が「勤続1年になるが辞めたくてしょうがない」という悩みを告白する投稿を見て、思わず自分の姿と重ねてしまった。
その悩みに対する回答で興味深いものがあった。
ちなみに、回答者もかつてはその仕事で働いていた。
「たしかに、○○は楽な仕事ではありませんが、逆に考えれば、『誰にでも出来る』というわけではないので、ライバルは多くありません」
「それに、その仕事から、他の職種へのキャリアチェンジはしやすいので、そういった意味では『つぶしがきく仕事』と言えるのではないでしょうか?」
なるほど。
「つぶしがきく」か…
たしかに、私自身「この仕事をこなしているのだから、一般事務やデータ入力の仕事に転職するなど容易だろうし、食いっぱぐれることはない」ということは何となく感じていた。(だって、ライバルはこんな人たちですし…)
自分はそういった少し難しい仕事をやっているんだ…
少し気が晴れて、誇らしい気持ちになった私は「つぶしがきく仕事」というワードで検索してみた。
すると、気になるものを見つけた。
・同じ言葉のはずだが…
それは同じく某相談サイトで進路に悩んでいる大学生の相談を見た時のこと。
大学2年生の彼はまだ卒業後の進路は決めていないものの、親から常々こんなことを言われているという。
「将来はつぶしがきく仕事をしなさい!!」
しかし、まだ社会のことがよく分からない彼は「つぶしがきく仕事」とは何なのかをイメージできない。
その言葉が具体的にどんな仕事を指しているのか、教えて欲しいというのだ。
私が面白いと感じたのは、その回答である。
最初に答えたAさん(仮名)によると…
つぶしがきく仕事:士業、専門職などの専門職
理由:その仕事を出来る人は限られ、新規参入が難しく売り手市場なため、今の仕事を辞めても、次の職場は容易に見つかるから。
逆に一般事務、販売、資格・経験不問の単純労働、(総合職も含む)職業を聞かれた時に「サラリーマン」と答えるような漠然とした仕事は、同じ仕事をしている人が大勢いるため、転職の際にアピールしづらくなる。
「つぶしがきく仕事」に就けるのは簡単ではなく排他的な世界なため、枠を争うライバルも少ないから、再就職もし易い。
さらに、そこから「つぶしがきかない仕事」への転職も優位である。
逆に「つぶしがきかない仕事」は出来る人も多く、「つぶしがきく仕事」への移動も容易ではないから、なるべく避けた方がいい。
要するに、「人とは違うことをしろ」と言いたいのだろう。
これについては前段の回答者とほとんど同じである。
しかし、その次の回答者であるBさん(仮名)の意見は全く逆だった。
彼の考えは…
つぶしがきく仕事:一般事務、営業、総合職
理由:それらの仕事で経験する接客やパソコンスキルは他社でも共通することが多いから。
逆に、専門職のように一般職からかけ離れた特殊な仕事は、関連業種以外に転職する場合に、知識も経験も役に立たなくなる。
この回答を見た時は、一瞬考えが追い付かず「!?」と思ってしまった。
同じ「つぶしがきく仕事」でも、こちらはAさんとは全く逆に「人と同じことをしろ」と言っている。
しかも、二人とも全く論理的に筋が通ったことを言っているし、「つぶしがきく仕事=再就職が容易な仕事」という定義も共通している。
にもかかわらず、結論は正反対なのだ。
「つぶしがきく仕事」って一体何なんだろう?
質問した大学生はますます沼にハマったに違いない。
ちなみに、個人的にはAさんの考えを支持する。