真夜中に目が覚めて眠れなくなることは不眠症ではない

年末年始が休みだった人は今週の月曜日から2021年の仕事が始まった人も多くいるだろう。

今年は例年に比べて比較的短い休みだったと感じた人もいただろうが、それでも一週間近く休みが続くと、生活のリズムがすっかり狂ってしまった人もいたかもしれない。

ひょっとして、あなたも休みの間は夜更かしばかりして、日曜日の夜に

「明日から仕事なのに、全然眠れない!!」

と焦っていたのではないだろうか?

というわけで、今日のテーマは「不眠症」である。

・今日も深夜に目が覚めてしまう

「明日も仕事だし、最近は疲れがたまっているからそろそろ寝よう」

そう思って早めに床に就いたが、気が付くと深夜の23時に目が覚めてしまう。

その後は必死になって眠ろうとするのだが、一度目が覚めてしまうと数時間は頭が冴えて全く眠れない。

ようやくウトウトと眠くなった時は窓の外から明かりが差し込んできて、すでに起床時間となってしまった頃である。

結局眠れたのは、34時間だけで、今日も寝不足の体で仕事に向かう。

このような苦しい夜を経験することは一度や二度ではない。

「これはどう考えても不眠症だそろそろ病院へ行くべきか…」

というように、睡眠で悩んでいる人は決して少なくない。

アメリカでも成人の1/3以上の人が、このようにして夜中に一度目が覚めてから寝付けない不眠症に悩んでいるようである。

…のだが、夜間における睡眠の中断は本当に問題なのだろうか?

・連続した長時間の睡眠は人間本来の睡眠サイクルではない

歴史学者のロジャー・エカーチによれば、人間が毎晩連続した長時間の睡眠を必要とするようになったのは比較的最近になってからだそうである。

それ以前はおよそ4時間ずつ続く2回の睡眠が一般的だった。

当時の人々は太陽が沈むと眠りに就き、深夜に目が覚めると、おしゃべりをしたり、働いたり、近所の人を尋ねたりして、再び眠くなったら、床に戻るという生活をしていた。

誰もそのような日課が問題であるとは思っていなかった。

1990年代に実施された心理学の実験ではそのようなパターンが自然であると裏付けられた。

トマス・ウェアーによれば、昔と同じような自然な光と闇のパターンのもとに置かれた場合、人々は4時間ずつの睡眠を2回取り始めたという。

彼はそのようなパターンの睡眠は実際のところ、健康のためになっていると結論付けた。

このような睡眠パターンが変化したのは産業革命後のことである。

産業革命により、工場で働く人たちが増えると、効率化のため長時間連続して働き、睡眠もそれに合わせて、一度に連続して長時間取る必要が出てきた。

さらに電灯照明の登場によって、夜遅くまで活動できるようになったが、一度の睡眠で朝まで眠る必要が生じた。

夜に目が覚めることは自然であり、それは不眠症とは言えない。

そのような状態に陥っても「自分は不眠症だ!!」と過度に不安になるのではなく、「これ人間にとって自然な状態なのだ」と受け止めて、そのような睡眠サイクルと上手く付き合う方法を探す方が賢明である。

・年末年始の睡眠サイクル

さて、今日のネタ元は以前の記事で紹介したこの本に載っていたものである。

私がこの本を読んだのは今から5年ほど前になる。

それまでの私も深夜に目が覚めてなかなか寝付けないことが多く、筋金入りの不眠症を自認していた。

今でも初仕事の前などは緊張して眠れないことが多いのだが、それでも以前ほど睡眠に対して悩むことはなくなった。

以前は元日のみが休みで2日から出勤という職場で働くことが多かったが、ここ数年は年末年始にまとまった休みを取ることが多い。

そんな時に、通常と同じ連続した睡眠時間を取ろうとすると、どうしても夜更かしをしてしまい、正午頃に起床という後ろ倒れの睡眠となってしまう。

そこで、先ほど紹介した睡眠パターンのように大晦日前後から夕方4時間・夜4時間という睡眠を取ることにした。

そうすることで、夜は遅くまで活動(?)しても、朝は今まで通りの時間に起きることが出来るし、昼間から夕方にかけて数時間眠ることになるが、「1日中頭がボーとして結局何もできなかった」という日を減らすことができる。

この方法だと、一応夜は眠っているため、仕事始めの前日には完全に昼夜逆転の生活になってしまい、なかなか仕事モードに移行できないということはない。

私は長期の休暇の際はこのようにして生活のリズムを保っているため、今は睡眠で悩むことはなく、毎朝快適に目覚めることができている。

でも、新年早々、自転車で人を轢いてしまった夢と、昔好きだった人が結婚して子どもを産んでいた夢を見たことで少なからずショックを受けたことは内緒である。

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