「仕事を探す上で最も重視されることはなんですか?」という質問に即答できない理由

時の流れは早いもので、2025年も10月を迎えようとしている。

10月は去年も今年も、前月と特に変化がない穏やかな季節となっているが、来年は一波乱あるかもしれない。

私は派遣社員として働いているが、今の職場に就いたのは2年前の202310月。

つまり、来年の9月には契約期間満了を迎えて、否応なしに新しい職場へ移らざるを得ない可能性が非常に高いのである。

今の仕事が終焉に向かいつつある中で、辞め時について考えている。

まず一つ目の選択肢は、セオリー通り来年の10月の期間満了を持って退職すること。

そして、もう一つは、年間で最も求人が増える4月のタイミングで新しい職場へ移ること。

いい条件を見つけるのであれば、後者の方が機会は多そう。

だが、その分、多くの競合を勝ち抜く必要があり、すんなり決まらないと、ゴールデンウィークを空白で迎える恐怖が待ち受ける。

それに、自己都合退職となるので失業給付もいろいろと制限が生まれる。

それだったら、来年の秋まで待つ方が、たとえ次の仕事が簡単に見つからないとしても、安心してじっくりと職探しが出来そう。

また、派遣会社の人から「10月はなかなか働き手が見つからない」との情報も得た。

こうした考えから、最近は10月優位説の方に傾いている。

しかし、肝心の求人がガラガラであればどうしようもない。

そう考えて、今年は職探しを行わないものの、9月の初旬から、これまでに登録していた複数の派遣会社の求人には目を通していた。

そこで気付いたのは…

希望の求人が全然ない…

2年前、3年前共に10月に移行できたため、採用されるかは別にして、「応募したい案件くらいいくらでも見つかる」と思っていた。

だが、その予想は大きく裏切られた。

次の職探しが必要なのが今年ではなくて本当に良かった…

・応募したい求人が減少した理由

前段の通り、数年前までは10月開始の案件はいくらでも見つかっていたが、今年は一気に冷え込んだ。

この期間に変わったことがあるとしたら、私の年齢である。

採用にあたって年齢を条件とすることは禁止されているとはいえ、「どうせ面談まで行っても先方から断られるし…」と思って、派遣会社が登録情報の年齢から閲覧制限でもかけているのか?

その可能性はないとは言えないが、真相を探ることは難しい。

次に思い浮かんだ可能性は、求人数や内容自体は対して変化していないものの、私自身が案件へのこだわりが強くなって、応募する求人を絞っていること。

コロナが収束に向かいつつある中で、毎日の通勤ラッシュや電車の遅れ、乗客のマナーの悪さは日に日にひどくなり、それまでだと問題なく通えた場所へも、危険を回避するために避けるようになった。

そして、今の仕事が楽しいと感じる(しかも、一般事務と比べて時給も高い)こともあり、「次もまた同じ職種で…」と思うことが増えた。

数年前までは「とりあえず、会社へ行って、上司に言われたことだけやって、定時で帰宅できたら、仕事内容は二の次」だと考えていた。

今でも、そんな仕事内容でよければいくらでも転がっているが、今の私はそれでは「応募しよう」と思えないのである。

たぶん、年齢制限よりも、こちらの影響の方が大きそう。

しかし、いざ失業という状況に直面したら、生活のために、そんな悠長なことは言っていられん。

希望の職種以外にも、選択肢を広げざるを得ない。

・職務内容が一番じゃないやん!!

このように、今の私は仕事を探すにあたって「職務内容」を最重視しているつもりである。

派遣会社や転職会社を通して就職しようとしている人は、担当者から「お仕事を探す上で、最も重要だと考えるのはどんな点ですか?」何度も聞かれると思う。

私がこの質問をされたら、間違いなく「職務内容です」と回答するだろう。

だが、この質問はシンプルに思えるが、実際に答えるとなると意外に難しい。

というのも、「どんな仕事をやるのかが一番大切」と言いつつ、実際はそれ以外にも条件を設けていることが少なく、単純にそれだけで仕事を決めることはできないからである

どんなに理想的な職務内容であっても、勤務地が片道2時間かかる場所なら通勤で疲れ果てて長く続けるのは難しい。

また、給与が低すぎて生活が成り立たないようでは、どれだけ仕事内容に満足していても現実的には働けない。

つまり、私の場合は「職務内容」を軸にしつつも、「通勤時間」や「給与額」といった生活に直結する条件を最低限の基準として設けざるを得ないのだ。

しかも、これらは「これだったら何とか妥協できる」という減点方式で考えていることが多く、自分からはなかなか宣言し難い。

とはいえ、私もいい歳をした大人なので、「本当は嫌だけど、断れる雰囲気じゃなかったから、話が進んでしまい、気が付いたら面談まで行っていた…(働いていることもあるかもしれない)」ということだけは避けたいので、紹介された時点で断る。

それがお互いにとっても、最善の方法だと信じているから。

だが、職務内容は希望通りでも、その他の条件を理由に何度も断ると、職務内容が一番ですって言っていたのに、全然違うやん!!」と思われるのではないかという不安が頭をよぎる。

こんなことが起きるから、「一番重視していることは何ですか?」という質問には、簡単に答えられないのである。

派遣会社がこの質問をする理由と対応策

念のために言っておくと、派遣会社が「一番重視する条件」を聞くのは、応募者に矛盾を突いたり、この追及にどう切り返すのかという技量を確かめたいからではない。(たぶん)

むしろ候補者がどんな基準で仕事を選んでいるのかを知り、ミスマッチを避けるためであろう

仕事内容を軸にしている人に、給与や勤務地だけで選ぶ人向けの案件を紹介しても断られるのは目に見えているし、逆に給与最優先の人に希望以上の職務内容をアピールしても意味がない。

というわけで、これを聞かれた時は、「一番大事にしている軸」と「最低限外せない条件」を分けて伝えることだと思う。

「一番重視しているのは職務内容で、自分のスキルや経験を活かしながら働きたいと考えています。ただし、通勤があまりに遠いと続けるのが難しいので、片道○分以内を目安にしています」

「職務内容が合っていることを優先していますが、長く働くためには給与や通勤も重要になるので、一定の基準は設けています」

このように答えれば、希望の軸が「職務内容」であることを明確に示しつつ、実生活に影響する条件も誠実に伝えられる。

担当者からすれば「この人は仕事内容に前向きだし、現実的な条件も整理している」と安心して案件を紹介してもらえるかもしれない。

つまり、「職務内容最重要の軸だが、給与・通勤=働くでの現実的な前提条件」という二段構えで伝えることが、誤解を避けつつ希望を分かりやすく伝えるコツだといえる。

まあ、こうしたやり取りが発生するのは、電話でやり取りする時が多く、そうした状況で咄嗟にこのように冷静な回答をすることはなかなか大変であるが…

だからこそ、普段から準備しておくことが大切なのかもしれない。

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