大人になれない男たち②(どうしても若い女の子と結婚したい編)

前回は現実のダメな自分でも受け入れてくれる(というイメージのある)日本人女性との結婚を望む哀れな男たちを紹介した。

私が彼らとよく似ていると思う人たちがいる。

それは「どうしても若い女の人と結婚したい!!」と言っている人たちである。

最初に断っておくが、「結婚相手はどうしても若い人がいい!!」、「相手は20代じゃなきゃ嫌だ!!」というように若さにご執心なのは何も日本人だけではない。

以前、日本人は年齢を気にし過ぎという記事を書いたが、海外にも結婚相手には若い女性を希望する人はいる。

たとえばこの国の人たちとか。

このように、「若い女性と結婚したい」という考えが日本特有の男社会や男尊女卑の表れだとは一概に言えない。(ましてや日本人男性全員が「若い女性としか結婚したくない!!」と思っているわけでもない)

・結婚市場では若い女ほど価値がある?

「女の一番の価値は若さである」

「だから、婚活市場では、女性の全盛期である20代前半の若さは男の年収1000万に匹敵する」

こんなことを真顔で語る人がいる。(私の元ルームメイトのKさんとか)

「若い女の子が大好きだ!!」という個人的な好みを語るのはもちろん自由だが、その嗜好を結婚に持ち込む考えが私には理解できない。

考えてみてほしい。

人間は誰でも年を取る。

現在は20歳の人でも10年経てば30歳になる。

さらにそこから10年経てば40歳になる。

「理想の若い女」を愛人として求めるのであれば私は理解できる。

若さの旬が過ぎたら、その相手を捨てて、新しい若い女を見つければいいだけだから。

しかし、結婚の場合は簡単に相手を取り換えることができない。

「若い子がいい!! 30過ぎのババアと一緒に暮らすなんて嫌だ!!」と言って、結婚相手に若さを求めている人は、かつての美(少)女に肉体的な衰えが見えたら、「お前はもう用済みだ」と言って相手を捨てるつもりなのか?

・若い女性と一緒にいる方が安心できる?

そもそも彼らはなぜそんなに女性の若さを好むのか?

多くの場合、若い女を好む男は相手よりも年上であることが多い。

年下の女性と結婚することで得られるメリットは何だろうか?

相手は自分よりも生きている時間が少ない場合、知識や経験で劣っている場合が多い。

これはデメリットのようだが、メリットでもある。

なぜなら常に自分が相手をリードできるから。

「リードできる」と言えば聞こえがいいが、自分が相手よりも上の立場であるということを確認することで精神的な安定を保つということは前回の「自分の存在を絶対に脅かさない」日本人女性に癒しを求める外国人君たちと同じで、何ともみっともなく、子供じみている。

その上、相手の知識が少ないと、自分が周囲よりも劣っていることに気づかれずに済むことも多い。

だから、自分を否定される機会も減り、自分に自信が持てる。

仕事ができず職場では常に上司から罵倒され、周囲からは嘲笑されるコンプレックスの塊のような男であっても、家に帰れば、若くて、肌が綺麗で、可愛くて、笑顔を絶やさなくて、絶対に自分の存在を脅かさず、常に自分のことを頼ってくれる妻がいれば、(たとえロリコンでなくても)毎日の生きる希望を与えてもらえることだろう。

これは年上の女性相手では味わうことのできない大きなアドバンテージである。

・子どもが欲しいから若い女性と結婚したい

年を取っても、相手を傷つけない優しい(これは「無知」とイコールではないが)人はいるし、美貌を保った人もいる。

しかし、そんな人たちでも若い女性に決定的に劣っていることがある。

それは妊娠の可能性が下がるということ。

日本産科婦人科学界によると女性は30歳を過ぎると自然に妊娠する確率が下がり、35歳を過ぎると著名に低下を来すらしい。

http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=15

「子どもが欲しいから若い女と結婚したい」

これは妥当な理由かもしれない。

「結婚するなら、相手は若い人の方がいい」

「もし25歳の人と30歳の人がいて、見た目も中身も全く同じなら、絶対に25歳の方を選ぶ!!」

という(以前どっかで聞いたことがあるような)たとえ話もこの場合は正当であるように思われる。

実際に私の周りにも同じようなことを言う人はいた。(元ルームメイトのKさんとか)

だが、その考えはあまりに自分本位過ぎないだろうか?

たとえ、自分の子どもであっても、子どもはペットでもなければ、自分のコピーでもない。

それに、自分の子どもは「自分の子どもであると同時に相手の子ども」でもある。

子どもが欲しいから出産の可能性の高い若い女性と結婚したいと思っている男にはこの視点が欠けている気がしてならない。

「子どもが欲しいから、子どもを作る(産む)ために私と結婚してください!!」というのは相手に対して、あまりにも失礼ではないか?

「結婚相手=種付けのための道具」

とでも思っているのだろうか?

だから、「もし25歳の人と30歳の人がいて、見た目も中身も全く同じなら、絶対に25歳の方を選ぶ!!」という幼稚なたとえ話ができるのだろう。

なるほど。

かつて女性のことを「子どもを産む機械」だとか言ってバッシングされていた厚生労働大臣がいたが、同じことを考えている男は一定数いることになる。

・かつては自分も同じだった

とはいうものの、私もかつては「能力が同じなら若い方がいい」という考えを持っていた。

もっとも、私がこの考えを持っていたのは女性に対してではなく、アスリートに対してだったが・・・

ご存じの通り、スポーツ選手にとって「若さ」は重要で、時には「経験」をも超える大きな武器になる。

どんなに実績があっても肉体的な衰えを見せたら退かなければならない。

それは仕方がないことだ。

私もこのような「能力が同じなら若い選手にチャンスを与えるべきだ。」というスポーツ界に広く浸透している考えに何の疑問を持たずにいた。

そんな時、私が応援しているチームの監督がこんなことを言った。

「能力が同じならベテランよりも若手を使うべきだ」という人がいるが、その考え方は間違っている。

なぜなら、生身の人間である選手が年齢を除いて全く同じであることなど有り得ないからだ。

そんな言い方をしている人は選手のことを正しく評価しようとしていないのではないか?

私はこれを聞いてハッとした。

私は自分の応援しているチームの選手でさえも、正しく見ようとはせずに「年齢」というフィルターを通して切り捨てていた自分の傲慢さを恥じて、「年齢が同じなら若い方」という考えはその日限りで捨てた。

だから、「若い子がいい!!若い子がいい!!」と「若さ」にご執心なロリコン共の人の気持ちも分からなくもない。

だが、結婚は自分一人ででいるものではなく、相手が居て初めて成立する。

たとえ結婚したいと思っていても、一人で結婚することはできない。

それに、結婚は相手と一対一の関係になる。

友達や愛人の関係なら自分は相手にとって唯一無二の存在ではない。

そのため、お互いの関係に狂いが生じても逃げ道はたくさんある。

しかし、結婚ではそのような逃げ道はない。

自分が変わるか、それとも相手が変わるかしかないのだが、自分は変わらずに相手にだけ変われと言うのはあまりにも傲慢である。

独りよがりな考えに走るのではなく、目の前の相手と顔を合わせて、お互いに話し合うことで前に進んでほしい。

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