新入社員へ贈りたい3つの言葉2023年編②:税金は正しく申告しよう

今年で最終回を迎えることになった新入社員へ贈りたい3つの言葉シリーズ。

2弾となる本日のテーマはこちら。(第1弾はこちら

:税金は正しく申告しよう

今日も昨日同様少し真面目な感じがするが、もちろん笑いの要素もふんだんに含まれるため、説教と思わずに最後までお目通し頂きたい。

仕事をして給料を受けることになると、欠かせないのが納税である。

日本国憲法第30条に定められている通り、納税は国民の義務である。

納税の義務 | 税の学習コーナー|国税庁 (nta.go.jp)

といっても、会社勤めで働いていると、所得税も住民税も会社が給料から天引きして処理してくれるため、納税については実感が湧いてこないかもしれない。

税金の申告のためにやることといえば、扶養者や保険料控除の申告書を記入することくらいなため、

「日本は税金が高過ぎだ!!」

「あいつらばかり減税されて不公平だ!!」

と憤っている人も、自分がいくら税金を払っていて、控除額がいくらなのかを知らない人も決して少なくない。

だが、悲しいかな、世の中にはその申告書すら満足に記入出来ない人が少なくないのだ。

・分数の計算が出来ない小学生!?

以前、私は全従業員数千人規模の会社で年末調整の仕事をしていた経験がある。

そこで、いい歳をした大人があまりにも間違った書き方をしていて驚いた。

たとえば、

  • 生命保険控除の一般と介護を混同している。

  • 控除額の計算方法や控除の上限額が書類に記載してあるにもかかわらず、間違っている。

  • 国民年金と国民年金基金を合算している。

等々挙げたらきりがない。

住宅ローンの控除証明書(申告書ではない)に至っては空欄で送られてくることも少なくなかった。

ざっと見た所、多くは単純な計算や記入ミスではなく、おそらく書き方を理解していないのだろう。

そんな書類を次から次に「これでもか!!」と見せられた私はこんなことを思った。

新入社員や、新規で保険を契約したり、家を買った人のように、初めて経験する人ならともかく、何年も同じことをやっているはずの人が、何でこの程度の書類もきちんと書くことができないのだろうか?

こんないい加減な納税意識で、政治家や役人の税金の使い方については文句を垂れるのであれば、社会人としてお笑いである。

繰り返しになるが、控除の申告書は決して複雑な計算式や、読解力が必要な難しい文章が書かれているわけではない。

私の推測だが、おそらく彼らは間違いを指摘された時こそ、「あ~、なるほど」と納得して次回から気を付けようと思うが、この書類を記入するのは1年に一度だけとなる場合がほとんどなため、次回必要になった時はすっかり忘れているのだろう。

理屈は簡単だが、使用する機会が少ないため、すっかり忘れてしまい、何度も同じ失敗を繰り返す。

これは何かに似ていると思わないだろうか?

詳細は憶えていないが、以前、テレビを見ていて、「なぜ最近の小学生は分数の計算が出来ないのか?」がテーマになった時、現役の小学校教師がこんな発言をしていた。

小学校教師:「分数の計算なんて、掛け算や割り算であっても難しい理屈ではないから、どんな子でも教えた時はすぐに理解できるけど、日常生活で使う機会なんて滅多にないから、すぐに忘れてしまうのです」

簡単な控除申告書を書けない大人も、分数の計算が出来ない小学生とほとんど同じなのだろう。

・最低な開き直りをする人

だいぶ否定的なことを書いたが、私は控除申告書を正しく書けない人たちに対して「しっかりしてくれよ!!」と思うことはあっても、「最低だ!! 社会人失格だ!!」とまでは思わない。

彼らは間違ってこそいるものの、頑張って書こうとしただけ立派である。

中には証明書こそ添付するものの、申告書は名前以外完全な未記入で送りつけてくるツラの皮が厚い人物も少なくないのである。

稀に「書き方が分からないため、ご記入頂けませんでしょうか?」という丁寧なメッセージを付箋に書いている人もいるが、大半は「そっちで書いて!!」と言わんばかりの図々しさである。

税金の申告は社会人としての基礎中の基礎と呼べること大事なことなのに、なぜ彼らはやり方を学ぼうとすらしないのか?

1年に一度しか使わない知識を覚えても時間の無駄だから、そんなことは専門の人にまかせて、自分は本業で頑張るもーん!!」

とでも言うのだろうか?

ここまで意識が低い人間を見ていると、内容は間違ってはいるものの、自分で書こうと努力した人は、相対的にマシに見えて、その頑張りが愛おしいとさえ感じる。

先ほど何度書き方を教えてもすぐに忘れてしまう人は、分数の計算が出来ない小学生のようだと言ったが、こちらはもっと質が悪く、「そんなことを勉強して、社会に出て何の役に立つの?」とヘリクツをコネて一切の勉強を放棄するクソガキと1mmの違いもない。

いい歳をした大人がこんなことをして恥ずかしくないのか?

ちなみに、このような人物に限って、保険料が高額の保険に何件も加入していることが珍しくない。

私自身この言葉が嫌いなのだが、まさしく「情報弱者」である。

・恐るべき納税意識の低さ

間違いだらけの申告書を送ってくる人、それよりも上(?)を行く名前以外空欄の申告書と証明書を送りつけて来る人。

そんな人たちと同じくらい多くて呆れてしまったのが、同年に他社で得た給料収入の源泉徴収票を添付しない人である。

前職場に連絡はしたものの発行が遅れている場合もあるため、一概に本人の怠慢とは言えないが、こちらが不備を指摘する連絡を入れるまで動かないケースも少なくない。

中には

「還付金は要らないから、ここの収入だけで年末調整をお願いします」

というトンデモない要求をしてくるものもいた。

そういう問題じゃないだろ!?

前職の収入や源泉徴収額によっては、現職の給料だけで計算した時よりも、多くの税金を支払わなければならない可能性もある。

私は自分で還付金を取り戻すことが好きなので、(年末の勤め先以外の給料収入がない場合でも)毎年自分で確定申告をしている。

そのため、勤め先には「年末調整不要」と伝えているのだが、過去に会社がそれを無視して年末調整を行い、後に前職の源泉内容も加えて確定申告をしたら、年末調整後よりも所得税の金額が上がってしまい、後日納付せざるを得なくなったことがある。

勤め先が年末調整をしたことで、毎月の給料から天引きされていた源泉額の過払い分は12月分の給料としてすでに受け取っていたため、損をしたわけではないが、多くの額が還付されていたことで、差額を自分で納めることになってしまいとても損をした気分になった。

その年は前職が3ヶ月という短い期間だったこともあり、「すでに会社が年末調整をやったことをアリバイにして確定申告をバックレる」という悪魔の囁きも聞こえたが、それは脱税というれっきとした犯罪行為なので、もちろんきちんと正直に確定申告をした。

ケンカ別れで退職した人にとっては、前職場に連絡をして、源泉徴収票の発行を依頼することは大きな苦痛を伴うことだろう。

これまで多くの職場をバックレた経験がある私もそれはよく分かる。

だが、悪意はないにせよ、前職の源泉徴収票を提出しないことは申告漏れ、もしくは脱税につながる大変危険な行為である。

ましてや、「取り寄せるのが面倒くさいから」という動機などもってのほかである。

皆さんはマネしないようにしましょう。

税金を正しく支払うことは社会人の義務ですからね。

次回へ続く

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