日記にはあえてネガティブなことを書いてみるという発想

10月になって一週間が過ぎた。

10月といえば、多くの会社で下半期がスタートする月でもある。

ということで、10月から転勤になったり、転職をしたりして違う環境で働くことになった人も多いと思う。

全員が順調なスタートを切ることができれば良いのだろうが、こんなブログに辿り着いた方はきっとそうではない人たちだろう。

「前の職場に戻りたい・・・」

「あの時はあんなに楽しかったのに・・・」

そんな過去の職場への未練と今の職場への憂鬱な気持ちを抱えている人にぜひともおすすめ・・・できるかどうかは分からないけど、検討してもらいたいことがある。

それは職場で毎日経験する嫌なことを書き留める「ネガティブ日記」を書くことである。

・「忘れられない痛み」と「忘れてしまう痛み」

人間には同じ嫌な体験でも「忘れられない痛み」と「忘れてしまう痛み」の2種類があると思う。

先ず、「忘れられない痛み」とは具体的なエピソードを持つ出来事のことである。

「上司の誰々に罵倒された」とか「職場で失敗して大恥をかいた」というように、今でも心の傷となって残っているものである。特に人間関係の悩みであることが多い。

このような記憶は前の職場どころか、何十年も前の子どもの時の出来事でも思い出すことができるだろう。

一方で、「忘れてしまう痛み」とは、つらいことではあるのだが、状況が変わると、まるで存在しなかったかのように記憶からスッポリと抜け落ちてしまう痛みのことである。

このような痛みは毎日のルーティーンとなっていることであることが多い

たとえば、

「毎日、満員の電車に乗って出社しなくてはいけない」

「職場に冷暖房がなく体力的にしんどい」

「服装規定が厳しすぎてウザい」

とかである。

たしかに、どれも働きたくない職場であるとは思うが、転職や配置換えで、この苦痛から逃れることができたら、これらの痛みはどこかへ飛んで行ってしまう。

そして、その職場では綺麗な思い出だけが残されて、まるでそこが自分の居場所であったかのように思ってしまうことが珍しくない。

職場が変わった途端、前の職場の良い所だけを思い出してしまうのは、この日常となっていた痛みを忘れてしまうからなのだろう。

そのため、この「忘れてしまう痛み」と向き合うことが大切だと思う。

・ネガティブ日記の効果

というわけで、この「忘れてしまう痛み」を忘れないために、今の仕事中に経験している嫌なことをすべてノートに書き出してみよう。

人が聞いたら呆れるようなどんな些細な事でも構わない。

たとえば、

「分からないことを聞きに行くたびに上司が嫌味を言ってくる」

「職場があまりにも静かであるため昼食前の時間帯になるとお腹がグーグー鳴る音が響き渡って恥かしい思いをする」

「最寄り駅から10分以上歩かなくてはいけない」

とか。

次にそれが日常になっている「忘れられる(かもしれない)痛み」なのか、それとも「忘れられない痛み」なのかを考えてみて、それぞれの色でアンダーラインを引いて振り分けてみる。

すると大半が「忘れられる痛み」であることに気づく。

次に前の職場で経験した嫌なことを思い出して、それをノートに書きだしてみる。

しかし、なぜかこちらは具体的なエピソードを持つ「忘れられない痛み」しか思い出せなくなる。

実際にはたくさんあったはずなのに・・・

ここで冷静に考えてみよう。

今の経験している苦しみも大半は環境が変わるだけで、このように忘れてしまうような些細なことであることが多い。

それに、忘れられる痛みは一つ解決しても、次から次に現れるものである。

だから、辛い仕事を続けるためにも、あえてネガティブなことを日記に書き留めて、今現在、職場で経験している苦しみはどの程度なのかを相対的に比較してみよう。

また、ネガティブ日記のもう一つの効果として、次の職場に移って、前の職場の良い所だけを思い出してしまった時に、書き留めておいたネガティブ日記を読み返すことで、「隣の芝はなんとか」という言葉ではないが、前の職場も天国ではなかったと冷静な視点を持つことができる。

将来のためにも、職場のネガティブな体験はできるだけ書き残しておこう。

・・・って、「仕事を続けるために」と言いながら、何で結局、退職することが前提になっているんだ!?

そんなツッコミが入りそうである。

実は、このネガティブ日記や「忘れられない痛みと忘れる痛み」という発想は私のオリジナルの考えではない。

これは私が上京したばかりの時に住んでいたシェアハウスの同居人(この記事の終盤で少し登場したCという人物)から教えてもらったものであり、先ほどの日記の解説とツッコミは彼と私の間で行われたものである。

彼はこれまで20近くもの職場を転々として生きてきた流れ者で、私が東京で仕事を始めた時もいろいろと話を聞いてくれて、価値のある体験談も聞かせてくれた。

たとえば、「複数の会社の求人に応募する際の角が立たない立ち回り方」とか、「職場でパワハラに会った時の対処法」などとても役に立ちそうなものだった。

(その中には「バレない職歴偽装の方法」というようなかなりグレーなものもあったが・・・)

近いうちに彼に関する記事も書こうと思う。